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後孔に指が押し付けられ、何の抵抗もなく潜り込んでくる。いつのまにか香油を纏ったそれは、淫らな水音を立てながら体内へと進んでいった。
今日の朝方まで行為に及んでいた後孔は、引き攣るような痛みを訴えながらも、容易く指を受け入れてしまう。
魔族と半魔のロジェとの体格差は、たとえ指一本でも相当な圧迫感を主張する。
やがて指が、しこりへと辿り着く。そこを刺激されれば、かつて愛されていた時の感覚がぶわりと湧いてきた。
まるで待っていたかのように、指を締め付けてしまう。
「ん、んん~……ッ」
頬を執務机へ押し付け、ロジェは唇を食いしばった。
机の端を握り締め、どうにか快感を逃すように藻掻く。しかし背中にはルキウスの肘が乗っており、ロジェが動くたびに鈍い痛みを伝える。
二本目の指が体内へと入り込んできた。その圧迫感に喉が引き攣り、結んでいた唇が開いてしまう。
「……っ、あぁッ……! や、め……っ」
「良い声で鳴けるじゃないか」
「……あんた、しつこッ……なん、で……!」
昨晩は、後孔の周りをほぐすだけだった。
愛撫だなんだという甘いものは無く、ただ挿入に向けての準備行為のみだったのだ。
それが今日はどうしてか、ロジェの快感を執拗に呼び覚まそうとしている。
二本の指がばらばらに動き、抜き差しをするたびにしこりに触れた。ぐ、と強めに押されれば、だらしない声が喉から漏れる。
「あぁ、あぅ、っひ、ぐ」
「昨晩はきつく閉じていたが、今宵はもう蕩けているぞ」
「……っ、うっせぇ……! こ、の、ふ、ぁあぁッ」
しこりを太い指で挟まれ、ぐっと押し潰される。潰して、解放してを繰り返され、快感の波が幾重にもなって襲ってくる。
目の前がちかちかと明滅し、悲鳴のような息が漏れた。叩きつけるような快感に抗う術がない。
「達しそうだな。こっちも弄るか?」
「……っ!? い、や、やめ……っ!」
背中から肘が退き、代わりにルキウスの身体が伸し掛かって来る。
腹と執務机に挟まれたロジェの陰茎は、はち切れんばかりに腫れ上がっていた。そこに、ルキウスの手が潜り込んでくる。
「いや……だ、駄目だ、そこ触んな!」
「なぜだ。せっかく男なのだから、ここでも気持ちよくなれ」
「……っ、だめ、同時は……ッつ、あぁあッ」
ひやりとした指の感触が、陰茎に絡みつく。先端をしごかれただけで、腹から腰の辺りが重く痺れた。
逃れようと腰を引くと、それが机と腹の間に隙間を作り出してしまう。陰茎にあったルキウスの指が大胆に動き出す。
「あ、あぁぁッ……! てぇ、はなし……ッ」
ぼろぼろと涙を零しながら懇願するも、通じる相手ではない。この行為はロジェを屈服させるためのものであって、愛や情など微塵も無いのだから。
内腿がぶるぶる震え、頭の中が快感で埋め尽くされる。目の前が真っ白に染まり、身体がかっと熱くなった。
「ッひ!? あ、ああぁあッ!」
白濁を吐き出しながら、ロジェは快感に打ち震える。耳元ではルキウスの揶揄うような笑い声がした。冷たく、侮蔑を含んだ笑い声だ。
荒々しく指が引き抜かれ、ロジェからルキウスの重みが消える。ロジェにはもう、指一本も動かせる余裕すら残っていない。
ぼろりと涙が滑り落ちる。生理的ではなく、心の痛みから出た涙だ。
何の感情もなかった昨晩とは違い、今日のルキウスには侮蔑の感情があった。かつて愛した人に、蔑まれながら弄ばれるのは辛い。
机の上で放心していると、身体をひっくり返され、胸倉を掴まれる。そのまま引き上げられ、床へと引きずり降ろされた。そして再度、伸し掛かられる。
「まだ終わりじゃない。……今からが本番だろう?」
「……すきに……使えばいいだろ……」
精一杯の強がりだった。どうせもうすぐ、意識はとんでしまうだろう。
ぼろぼろと涙を流すロジェを、ルキウスはやはり侮蔑を含んだ目で見下ろしている。
後孔に熱い塊を押し付けられ、ロジェは震えながら絨毯を鷲掴んだ。
次に意識が戻ったとき、ロジェはやっぱり絨毯の上にいた。昨晩と違ったのはルキウスがまだ執務机にいて、着衣を整えていた事だ。
ルキウスはちらりとロジェを見下ろすと、一つ舌打ちを零した。そしてハンガーに掛けられていた自らの外套をロジェの腰辺りに投げ捨てる。
「歩けるなら、出ていけ。清掃班が入る。……歩けないのであれば、人を呼ぶ」
「……あ……る、ける……」
がっさがさに掠れた声が情けない。
身体に掛かる外套は、恐らくロジェを労わってのものでは無い。ロジェの臀部や腹あたりにもべったりと貼り付く、行為の名残を隠すためだろう。
今回はロジェの分も付着しているので、尚更気に食わなかったのかもしれない。
清掃班が入室する気配がして、ロジェは外套の下でズボンを引き上げた。外套を掴んでふらりと立ち上がると、ルキウスが冷たい視線を外套に落とす。
「その外套はもう要らん。捨てておけ」
「……はい……」
ルキウスの匂いがする外套を、ロジェはぎゅっと握り締めた。痛む身体を、心を引き摺って、ロジェは執務室を出る。
今日の朝方まで行為に及んでいた後孔は、引き攣るような痛みを訴えながらも、容易く指を受け入れてしまう。
魔族と半魔のロジェとの体格差は、たとえ指一本でも相当な圧迫感を主張する。
やがて指が、しこりへと辿り着く。そこを刺激されれば、かつて愛されていた時の感覚がぶわりと湧いてきた。
まるで待っていたかのように、指を締め付けてしまう。
「ん、んん~……ッ」
頬を執務机へ押し付け、ロジェは唇を食いしばった。
机の端を握り締め、どうにか快感を逃すように藻掻く。しかし背中にはルキウスの肘が乗っており、ロジェが動くたびに鈍い痛みを伝える。
二本目の指が体内へと入り込んできた。その圧迫感に喉が引き攣り、結んでいた唇が開いてしまう。
「……っ、あぁッ……! や、め……っ」
「良い声で鳴けるじゃないか」
「……あんた、しつこッ……なん、で……!」
昨晩は、後孔の周りをほぐすだけだった。
愛撫だなんだという甘いものは無く、ただ挿入に向けての準備行為のみだったのだ。
それが今日はどうしてか、ロジェの快感を執拗に呼び覚まそうとしている。
二本の指がばらばらに動き、抜き差しをするたびにしこりに触れた。ぐ、と強めに押されれば、だらしない声が喉から漏れる。
「あぁ、あぅ、っひ、ぐ」
「昨晩はきつく閉じていたが、今宵はもう蕩けているぞ」
「……っ、うっせぇ……! こ、の、ふ、ぁあぁッ」
しこりを太い指で挟まれ、ぐっと押し潰される。潰して、解放してを繰り返され、快感の波が幾重にもなって襲ってくる。
目の前がちかちかと明滅し、悲鳴のような息が漏れた。叩きつけるような快感に抗う術がない。
「達しそうだな。こっちも弄るか?」
「……っ!? い、や、やめ……っ!」
背中から肘が退き、代わりにルキウスの身体が伸し掛かって来る。
腹と執務机に挟まれたロジェの陰茎は、はち切れんばかりに腫れ上がっていた。そこに、ルキウスの手が潜り込んでくる。
「いや……だ、駄目だ、そこ触んな!」
「なぜだ。せっかく男なのだから、ここでも気持ちよくなれ」
「……っ、だめ、同時は……ッつ、あぁあッ」
ひやりとした指の感触が、陰茎に絡みつく。先端をしごかれただけで、腹から腰の辺りが重く痺れた。
逃れようと腰を引くと、それが机と腹の間に隙間を作り出してしまう。陰茎にあったルキウスの指が大胆に動き出す。
「あ、あぁぁッ……! てぇ、はなし……ッ」
ぼろぼろと涙を零しながら懇願するも、通じる相手ではない。この行為はロジェを屈服させるためのものであって、愛や情など微塵も無いのだから。
内腿がぶるぶる震え、頭の中が快感で埋め尽くされる。目の前が真っ白に染まり、身体がかっと熱くなった。
「ッひ!? あ、ああぁあッ!」
白濁を吐き出しながら、ロジェは快感に打ち震える。耳元ではルキウスの揶揄うような笑い声がした。冷たく、侮蔑を含んだ笑い声だ。
荒々しく指が引き抜かれ、ロジェからルキウスの重みが消える。ロジェにはもう、指一本も動かせる余裕すら残っていない。
ぼろりと涙が滑り落ちる。生理的ではなく、心の痛みから出た涙だ。
何の感情もなかった昨晩とは違い、今日のルキウスには侮蔑の感情があった。かつて愛した人に、蔑まれながら弄ばれるのは辛い。
机の上で放心していると、身体をひっくり返され、胸倉を掴まれる。そのまま引き上げられ、床へと引きずり降ろされた。そして再度、伸し掛かられる。
「まだ終わりじゃない。……今からが本番だろう?」
「……すきに……使えばいいだろ……」
精一杯の強がりだった。どうせもうすぐ、意識はとんでしまうだろう。
ぼろぼろと涙を流すロジェを、ルキウスはやはり侮蔑を含んだ目で見下ろしている。
後孔に熱い塊を押し付けられ、ロジェは震えながら絨毯を鷲掴んだ。
次に意識が戻ったとき、ロジェはやっぱり絨毯の上にいた。昨晩と違ったのはルキウスがまだ執務机にいて、着衣を整えていた事だ。
ルキウスはちらりとロジェを見下ろすと、一つ舌打ちを零した。そしてハンガーに掛けられていた自らの外套をロジェの腰辺りに投げ捨てる。
「歩けるなら、出ていけ。清掃班が入る。……歩けないのであれば、人を呼ぶ」
「……あ……る、ける……」
がっさがさに掠れた声が情けない。
身体に掛かる外套は、恐らくロジェを労わってのものでは無い。ロジェの臀部や腹あたりにもべったりと貼り付く、行為の名残を隠すためだろう。
今回はロジェの分も付着しているので、尚更気に食わなかったのかもしれない。
清掃班が入室する気配がして、ロジェは外套の下でズボンを引き上げた。外套を掴んでふらりと立ち上がると、ルキウスが冷たい視線を外套に落とす。
「その外套はもう要らん。捨てておけ」
「……はい……」
ルキウスの匂いがする外套を、ロジェはぎゅっと握り締めた。痛む身体を、心を引き摺って、ロジェは執務室を出る。
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----------
追記:読んでくださった皆さま、本当にどうもありがとうございました!!
完結しましたが回収しきれていないエピソードが私の中でいくつかあるので笑、後日番外編をアップしたいなと現在準備中です。
詳しい更新日まだ未定ですが、もしよろしかったらゼヒまた覗いてやってくださいねー!