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引退?

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「いやー、虎さん。あのときの試合はすごかったですねえ」
 「楽しんでいただけたかね」
 テレビに出演している虎。
 モニターには寅との試合(ラスト・タイガー外伝ツインタイガー参照)が映っている。
 
 「チョリース」
 虎が林ボクシングジムを訪れた。
 「おお、虎。昨日のテレビ見たぞ」
 米が言った。
 「ぐおお!」
 ドーン。
 スパーリング用リングの上で松が倒された。
 「ありゃ、やりすぎちゃったかな?」
 スパーリングパートナーを務めていた田桑が言った。
 「おーい、救急車呼んでやれー」
 林会長が言う。
 シルバーが呼んだ救急車で松は病院に運ばれた。

 翌日に退院した松が今度はシルバーとスパーをしていた。
 「あんな眼にあってまだリングにあがり続けるなんて・・・私にはわからないわ」
 冬眠鼠が言った。
 「わかるよ」
 虎が言った。
 「いかに傷ついても病院送りにされてもやめないのは・・・ボクシングが大好きだからだよ!」
 「で、おまえはどうなんだ?」
 米が訊いた。
 「最近はワイドショーとかに出てばっかりであまりトレーニングをしていないようだが?すっかりタレント気取りで引退するか?」
 そ、そういえば・・・。
 「ぐあああ!」
 ダーン。
 また松がやられた。
 「松君はあんな目にあいつつもまだ訓練に励んでいる、俺にあこがれてボクシング始めたっていうのに・・・その俺はこの有様か」
 虎はグラブをはめてみた。
 「この俺が・・・引退・・・」
 スポッとそのグローブをとる。
 「したらこの手に・・・何が残る?」
 
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