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233 狙った通り
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ザネクは大きな水音に反応し、即座に戦闘態勢を取る。続いて響いたルキアスの声には喫驚と歓喜で応えた。別の個体が来てもおかしくないところで狙った通りの個体が来たのだ。
「ルキアス! 無事か!?」
「今のところは!」
何とも頼りない台詞だが言葉そのものははっきりしている。ザネクはホッと一安心だ。
「抜け出せないのか!?」
「ビクともしないよ!」
そんな会話をする間にもクラーケンがザネクへと足を伸ばす。これをザネクは『傘』を駆使しつつ往なそうとするが、『傘』はいともあっさり砕け散る。
「脆い!」
初めて実践で用いる『傘』は甚だ脆い。だが可能性を感じた。僅かながらもクラーケンの攻撃を逸らす役に立っている。
クラーケンの足を逸らし、躱してルキアスに巻き付く足に肉薄する。そして剣で一閃。
「斬れねぇ!」
硬いのに弾力性もあって刃が通らない。だが歯噛みするのも一瞬だけだ。
「『鋭利』」
これは手にする刃物の切れ味を良くする天職だが、ザネクは普段には使っていない。この天職に頼っては剣が上達が遅くなるためだ。だが今はそんな場合ではない。今使わずしていつ使うかである。
斬撃を放つ。斬れたのはクラーケンの足の中程までだった。
「ならもう一回!」
だが躱された。いや、クラーケンにはそんな意思は無く、何を思ってか海に潜ろうと動いただけだ。
ここで逃がしてなるものかと、ザネクは半ば海に踏み込みつつ追撃を試みる。そして再度斬り付けようとした瞬間。
閃光が煌めいた。
目が眩む。ルキアスの「目が!」と叫ぶ声が聞こえる。ルキアスもまた目が眩んでいるのだ。
脳内に頻りに警鐘が鳴り響く。だが見えなければ身動きが取れない。ルキアスを助けようにも助けられない。
だがその時。
「銛放て!」
別の誰かの声がした。続けてドカドカと何かが何かに突き刺さるような鈍い音。ザネクは海面に構わず咄嗟に伏せる。すると頭上を太い何かが通過する気配がした。直ぐに海上に顔を上げて気配を探れば更に誰かの声が聞こえる。
「止めだ!」
「おう!」
一拍後にドカッと一際大きな突き刺さるような音がし、更に一拍後に幾つもの大きなもので水面が叩かれる音がした。
ここで漸く目の眩みが取れたザネクが目を向けると、力無く海に浮かぶクラーケンと、そのクラーケンに突き刺さった銛を握ったままどや顔を決める男、そしてその向こうに大型の漁船が見えた。
「ルキアス! 無事か!?」
「今のところは!」
何とも頼りない台詞だが言葉そのものははっきりしている。ザネクはホッと一安心だ。
「抜け出せないのか!?」
「ビクともしないよ!」
そんな会話をする間にもクラーケンがザネクへと足を伸ばす。これをザネクは『傘』を駆使しつつ往なそうとするが、『傘』はいともあっさり砕け散る。
「脆い!」
初めて実践で用いる『傘』は甚だ脆い。だが可能性を感じた。僅かながらもクラーケンの攻撃を逸らす役に立っている。
クラーケンの足を逸らし、躱してルキアスに巻き付く足に肉薄する。そして剣で一閃。
「斬れねぇ!」
硬いのに弾力性もあって刃が通らない。だが歯噛みするのも一瞬だけだ。
「『鋭利』」
これは手にする刃物の切れ味を良くする天職だが、ザネクは普段には使っていない。この天職に頼っては剣が上達が遅くなるためだ。だが今はそんな場合ではない。今使わずしていつ使うかである。
斬撃を放つ。斬れたのはクラーケンの足の中程までだった。
「ならもう一回!」
だが躱された。いや、クラーケンにはそんな意思は無く、何を思ってか海に潜ろうと動いただけだ。
ここで逃がしてなるものかと、ザネクは半ば海に踏み込みつつ追撃を試みる。そして再度斬り付けようとした瞬間。
閃光が煌めいた。
目が眩む。ルキアスの「目が!」と叫ぶ声が聞こえる。ルキアスもまた目が眩んでいるのだ。
脳内に頻りに警鐘が鳴り響く。だが見えなければ身動きが取れない。ルキアスを助けようにも助けられない。
だがその時。
「銛放て!」
別の誰かの声がした。続けてドカドカと何かが何かに突き刺さるような鈍い音。ザネクは海面に構わず咄嗟に伏せる。すると頭上を太い何かが通過する気配がした。直ぐに海上に顔を上げて気配を探れば更に誰かの声が聞こえる。
「止めだ!」
「おう!」
一拍後にドカッと一際大きな突き刺さるような音がし、更に一拍後に幾つもの大きなもので水面が叩かれる音がした。
ここで漸く目の眩みが取れたザネクが目を向けると、力無く海に浮かぶクラーケンと、そのクラーケンに突き刺さった銛を握ったままどや顔を決める男、そしてその向こうに大型の漁船が見えた。
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