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369 膝立ちになって
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三日後。ルキアスは床すれすれを飛ぶように変えた。天井付近を飛ぶとガーゴイル専門のようになってしまうのがその理由だ。
ガーゴイルに対処しつつ床を走る魔物も倒す筈が、床を全く意識しなくなってしまい、当初の目的を見失っていた。
だが本来の目的に沿って床を歩くのでは『傘』の習熟に繋がらない。折角だから一石二鳥は維持したかった。そこでルキアスは『傘』を後に向けて縦長楕円の袋状に差し、『傘』の中に片膝を立てた膝立ちになって床を歩くのと同じ目線の高さに合わせた。『傘』の前方は可能な限り広く空けている。これなら『傘』の習熟が終わって歩くようになっても大きな感覚のずれは無いだろう。
(最初からこうしてたら善かった)
そんな風に思ってしまうルキアスだが、試行錯誤も全く意味が無かった訳ではないと思い直す。試行錯誤をしたお陰で引っ掛かりを覚えずに今のやり方を進められるのだ。
だがやはりと言うか、床近くを移動しているとどうしても上側の警戒が疎かになる。今も後背からガーゴイルの襲撃を受けた。『傘』が防いでいる間にガーゴイルの位置を確認し、間合いを取るよう『傘』を移動させて半回転。その間に構えていた銃の引き金を引く。
「ふぅ」
ガーゴイルが一体だけなら後背から襲われても簡単に倒せるようになっている。『傘』頼みではあるが、これも実力の内だ。
魔法込みでもまだまだ心許ないのはやはり索敵。ガーゴイルに後背から襲われると言うことは、オブジェのままのガーゴイルを見過ごしてしまったのを意味している。この見逃しを減らすのが最大の課題だろう。
こうして探索を続けるルキアスだったが、実はもう一つ行っている事がある。
それは鳴子代わりの『鏡』に『ランプ』も灯すこと。理性では嘘だと判断しているのに鑑定師の言葉が頭から抜けていない。
『光魔法』。鑑定師の前では理性を優先できたが、時間が経った後で「もしも」を考えてしまった。そこで『光魔法』に最も近い『ランプ』を強化してみようと考えたのだ。
強化の方法は『傘』に準じるならとにかく使うことなのである。
ガーゴイルに対処しつつ床を走る魔物も倒す筈が、床を全く意識しなくなってしまい、当初の目的を見失っていた。
だが本来の目的に沿って床を歩くのでは『傘』の習熟に繋がらない。折角だから一石二鳥は維持したかった。そこでルキアスは『傘』を後に向けて縦長楕円の袋状に差し、『傘』の中に片膝を立てた膝立ちになって床を歩くのと同じ目線の高さに合わせた。『傘』の前方は可能な限り広く空けている。これなら『傘』の習熟が終わって歩くようになっても大きな感覚のずれは無いだろう。
(最初からこうしてたら善かった)
そんな風に思ってしまうルキアスだが、試行錯誤も全く意味が無かった訳ではないと思い直す。試行錯誤をしたお陰で引っ掛かりを覚えずに今のやり方を進められるのだ。
だがやはりと言うか、床近くを移動しているとどうしても上側の警戒が疎かになる。今も後背からガーゴイルの襲撃を受けた。『傘』が防いでいる間にガーゴイルの位置を確認し、間合いを取るよう『傘』を移動させて半回転。その間に構えていた銃の引き金を引く。
「ふぅ」
ガーゴイルが一体だけなら後背から襲われても簡単に倒せるようになっている。『傘』頼みではあるが、これも実力の内だ。
魔法込みでもまだまだ心許ないのはやはり索敵。ガーゴイルに後背から襲われると言うことは、オブジェのままのガーゴイルを見過ごしてしまったのを意味している。この見逃しを減らすのが最大の課題だろう。
こうして探索を続けるルキアスだったが、実はもう一つ行っている事がある。
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『光魔法』。鑑定師の前では理性を優先できたが、時間が経った後で「もしも」を考えてしまった。そこで『光魔法』に最も近い『ランプ』を強化してみようと考えたのだ。
強化の方法は『傘』に準じるならとにかく使うことなのである。
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