生活魔法は万能です

浜柔

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494 寝室

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 小屋はそこそこの広さがあり、ダイニング兼用のリビングの他、寝室が三つ在る。寝室それぞれにはベッドが備えられていたが、内二部屋ではベッドそのものにカバーが掛けられたまま一年以上が経っているように思われた。

「それじゃ、わたしとユアとルキアスちゃん、ザネクちゃんとシャルウィちゃん、タイラクとフヨヨンで分かれましょう」
「ちょちょちょちょーっと待って!」
「冗談じゃねぇぞ!」
「絶対願い下げだよ!」

 シャルウィが真っ赤になってバタバタ手を振り、タイラクとフヨヨンが青筋を立てた。ザネクは顔を赤くしてそっぽを向いて、ルキアスは苦笑する。

「シャルウィちゃんは恥ずかしがらなくてもいいのよ? みんなで聞かなかったことにするから」
「聞かなかったことって、何を!?」

 シャルウィがますます手をバタバタさせる。
 メイナーダは頬に手を当てて溜め息を吐いた。

「わたしの口からは言えないわ」
「メイナーダ! ボク達のことは無視かい!?」
「そうだ! 部屋割りをやり直せ!」

 無視されたフヨヨンとタイラクは声を荒らげた。

「あら、この組み合わせ以外にあるかしら?」

 シャルウィは顔を真っ赤にしたまま固まっている。恥ずかしがっているだけで嫌がってはいない様子。ザネクも似たようなものだ。

(それならぼくとタイラクさんとで……)

 と、ルキアスが考えて声に出そうとした瞬間、服の端を引っ張られた。ユアが服を掴んでじっと見上げている。これを振り払う真似はできず、沈黙を守ることになった。
 タイラクとフヨヨンも五人の雰囲気を察して言い淀む。

「降参だ。だがそれでもフヨヨンと一緒はねぇ。だから俺はリビングで寝させて貰うぜ」

 タイラクは椅子を並べ、その上にふて腐れたように寝転んだ。
 残る六人もそれぞれの寝室に分かれ、ルキアスは三人が並べばギリギリのベッドでユア、メイナーダと一緒に川の字で横たわる。
 ユアを挟んでいても夜の静寂の中ではメイナーダの息遣いさえもはっきり聞こえる。

(これじゃ眠れないよ……)

 そんな風に考えたルキアスだったが、疲れていたようで直ぐに夢の世界に旅立った。
 朝までぐっすりだ。
 もしも誰かに唇を奪われていても気付かなかったに違いない。
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