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第八八階層への階段の排水を始めて五日後。漸く第八八階層に進入可能となった。
「ここまで長かったなぁ」
「一階層進むのに何日掛かったかもう判らないよね」
階層内はずっと水に没していたためか、薄暗くじめじめしている。薄暗いのは恐らく壁や天井には藻のようなものが貼り付いているせいだろう。藻にはねっとりした光沢があって、触れれば絡み付いて来そうだ。
床に目を向ければ水中に特化した魔物が積もった泥の上で為す術無く横たわっている。ワニの頭を持った魚と言った見た目で、もしかすると手足が鰭に変化した爬虫類の可能性もある。
「用心はするものだね」
階層進入前に可能な限り排水したのがその用心である。そうすることで水の中に潜む魔物の脅威を軽減できるからだが、無駄ではなかったのが初っ端に判明した訳だ。
「迂闊に水の中を行ってたらあんなのに襲われてたってことだからね。くわばらくわばらだよ」
「しかしここの床には何で泥が溜まってるんだ?」
タイラクが思い付いたように疑問を呈した。
「外から持ち込んだ物は直ぐにとは言わないが何年かの間にはダンジョンに融かされるだろ? ここの泥は何十年、下手すりゃ何百年も消えずに残ってるのはどんな了見だ?」
「「えっ!?」」
フヨヨンとメイナーダの声が重なった。二人が顔を見合わせる。
ルキアスもゾクッとした。
「そう言えば、触手は何となく泥と一体化してましたよね?」
「何か嫌な感じだからメイナーダ、壁と天井も含めてやってくれたまえよ」
「そうね」
メイナーダが手始めに壁と天井を焼くと、藻のようなものがのたうつように蠢いてから燃え尽きた。魔石がちゃぽちゃぽと音を立ててまだ床に残る水に落ちる。
回廊の焼き払われた部分には元の壁面や天井が覗き、回廊が明るさを取り戻した。
藻のようなものは魔物だったのだ。
「……ボク達は随分と紙一重の危ない事をしていたのかも知れないね。ここはメイナーダ先生にお願いしないといけないね」
「任されたわ」
メイナーダは改めて火炎の絨毯を敷く。すると泥から触手のようなものが伸びては燃え、伸びては燃えて灰になった。
「〃「……」〃」
完全に干上がった床は地の石が剥き出しになり、大粒の魔石が幾つか転がっている。
ここまでの階層にも同じ魔物が居た筈だ。
「この魔物がどんな攻撃をして来るものなのか判らないけど、もし水の中に引き込むようなものだったとしたら、『傘』に乗ってなかったら一溜まりも無かったね」
フヨヨンの言葉にルキアスが再びゾッとして皆の顔色を窺うと、皆似たような表情をしていた。
「ここまで長かったなぁ」
「一階層進むのに何日掛かったかもう判らないよね」
階層内はずっと水に没していたためか、薄暗くじめじめしている。薄暗いのは恐らく壁や天井には藻のようなものが貼り付いているせいだろう。藻にはねっとりした光沢があって、触れれば絡み付いて来そうだ。
床に目を向ければ水中に特化した魔物が積もった泥の上で為す術無く横たわっている。ワニの頭を持った魚と言った見た目で、もしかすると手足が鰭に変化した爬虫類の可能性もある。
「用心はするものだね」
階層進入前に可能な限り排水したのがその用心である。そうすることで水の中に潜む魔物の脅威を軽減できるからだが、無駄ではなかったのが初っ端に判明した訳だ。
「迂闊に水の中を行ってたらあんなのに襲われてたってことだからね。くわばらくわばらだよ」
「しかしここの床には何で泥が溜まってるんだ?」
タイラクが思い付いたように疑問を呈した。
「外から持ち込んだ物は直ぐにとは言わないが何年かの間にはダンジョンに融かされるだろ? ここの泥は何十年、下手すりゃ何百年も消えずに残ってるのはどんな了見だ?」
「「えっ!?」」
フヨヨンとメイナーダの声が重なった。二人が顔を見合わせる。
ルキアスもゾクッとした。
「そう言えば、触手は何となく泥と一体化してましたよね?」
「何か嫌な感じだからメイナーダ、壁と天井も含めてやってくれたまえよ」
「そうね」
メイナーダが手始めに壁と天井を焼くと、藻のようなものがのたうつように蠢いてから燃え尽きた。魔石がちゃぽちゃぽと音を立ててまだ床に残る水に落ちる。
回廊の焼き払われた部分には元の壁面や天井が覗き、回廊が明るさを取り戻した。
藻のようなものは魔物だったのだ。
「……ボク達は随分と紙一重の危ない事をしていたのかも知れないね。ここはメイナーダ先生にお願いしないといけないね」
「任されたわ」
メイナーダは改めて火炎の絨毯を敷く。すると泥から触手のようなものが伸びては燃え、伸びては燃えて灰になった。
「〃「……」〃」
完全に干上がった床は地の石が剥き出しになり、大粒の魔石が幾つか転がっている。
ここまでの階層にも同じ魔物が居た筈だ。
「この魔物がどんな攻撃をして来るものなのか判らないけど、もし水の中に引き込むようなものだったとしたら、『傘』に乗ってなかったら一溜まりも無かったね」
フヨヨンの言葉にルキアスが再びゾッとして皆の顔色を窺うと、皆似たような表情をしていた。
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