魔☆かるちゃ～魔王はこたつで茶をすする～

５５１．増やせば

　俄に冒険者ギルドの各支店が賑わいだした。支店を見付けた猟師なら誰もが支店に活動の場を移すからだ。
　その様子に魔王は頭を悩ませる。混雑がキャパシティを超えそうだ。

「もっと支店を増やすべきだが……」
「増やせばいいんじゃないかな」
「だが、我はついつい正三角形で結んでしまうのだ」

　今ある６つの支店と本店とを線で結ぶと、本店を正三角形がぐるっと６つ並ぶ。その延長線で支店同士が正三角形に位置するように配置してしまいがちなのである。規則正しいのは効率的だが面白味に欠ける。

「それじゃ、上に居る人達に建てて貰うのは？」
「しかしただでそれ用のアイテムを配布すれば無秩序に建てられてしまうぞ？」
「売っちゃえばいいよ！」
「……」

　オリエの意外な提案に魔王は一瞬絶句した。