魔☆かるちゃ～魔王はこたつで茶をすする～

５８６．写真

「あ、でも、待てよ？　なあ、魔王。もし写真を売るならダンジョンの外にも持って出られるのか？」
「可能だ」
「だとすりゃ、そこに商機がないか？」
「ほう。ビデオは外で観られぬ故な。持ち出すなら写真の独擅場だ」
「だろ？」

　魔王と剣士は詳細を詰めた。
　販売価格は１枚１エーンだ。
　しかし印画紙は消耗品だから、１０枚で１エーンがその代金となる。
　つまり１０枚売れたら１エーンが印画紙代で、残る９エーンが剣士と被写体の魔法使いに入ることになる。

「世知辛いなぁ」
「タダな訳が無かろう」
「そりゃそうか。しかし……」

　剣士はにやけた。

「ぐっふっふ、爆売れの予感だ」

　皮算用もした。