魔☆かるちゃ~魔王はこたつで茶をすする~

浜柔

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833.直前の記憶

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 ヒーラーの肉体から魂が抜ける。

「これはいかん!」

 魔王は光の速さでヒーラーの魂を引っ掴んで肉体に押し込める。
 そして蘇生魔法。目映い光。
 その光が収ると同時にヒーラーは目を覚ました。

「はっ! わ、わたしは!?」

 キョロキョロと周囲を見回し、自分の居場所を確かめる。

「もしかして眠ってました?」
「う……、うむ」
「わたしったら何てことを! まったくお恥ずかしい」
「気にするな」
「じゃあ、改めてわたしを通して魔法を使うのをお願いします」
「う、うむ……」

 ヒーラーは直前の記憶を失っているようであった。
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