魔☆かるちゃ～魔王はこたつで茶をすする～

１０１９．大袈裟な

「し、死ぬかと思った……」
「大袈裟な」

　青色吐息の弟を前に、オリエは「死んだりしない」と胸を張る。その勢いでおっぱいも小気味良く揺れるが、今の弟にはそこに何かを感じる余裕は無さそうだ。
　死にそうになったのは事実なのだから。
　途中、弟は幾度か荷車から投げ出された。
　しかしその度にオリエが荷車を回して無事回収したのだ。このため、オリエの言葉も真実だろう。
　オリエは区画の外から家を指差した。

「それよりあれがみんなの住む家だよ」
「へー、結構いいじゃん」

　野中にぽつんと建っているからか、弟には家が小さめに見えた。
　しかし近付けば大きさがはっきり見える。

「大きい……？」

　今まで住んでいた家の数倍の広さの家であった。