魔☆かるちゃ~魔王はこたつで茶をすする~

浜柔

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1265.注視

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 空腹を感じても今の礼太に手持ちの食料は無い。
 背負っていたリュックにペットボトルの水こそ1本あったが、食べられるものは何もない。
 食べられる野草の知識も無い。
 仮に野草の知識があっても異世界で通用するか判らない。
 自然と目が向くのが少し向こうで駆け回っているネギやニワトリだ。

「食えるのか?」

 礼太は喉を鳴らした。
 一度思ってしまえばネギやニワトリが食料にしか見えなくなった。
 だがどうやって捕まえるか。
 礼太はネギを注視する。
 ネギと目が合ったような気がした。ネギのどこに目があるのか判らないが合ったと思ったのだ。
 するとその途端にネギが向きを変えて突進して来た。

「来る!?」

 ところが来ると認識しても対応できなかった。
 どうしたら良いのか悩む間にネギが迫る。
 礼太はネギに轢かれた。
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