1 / 1
猫結び
しおりを挟む
カララーン
ドアベルが軽やかに音をたてた。
「あっ、お客様。開店早々うれしいわ」
そうつぶやきながら、私、沙希は、デニムのエプロンのひもをきりっと結びなおした。
『保護猫カフェ 猫結び』
小さな看板が、ドアと一緒に揺れる。
「いらっしゃいませ。お寒かったでしょう」
「こんにちは。あの、初めてなんです」
玄関に、ちょっと緊張した様子の二人の大学生風のお嬢さんが、立っていた。
「どうぞ、ごゆっくりなさってね」
私は、にこやかにお辞儀しながら、スリッパを出す。二人は、玄関から見える大きな窓から、広い部屋をのぞきこんだ。
「うわー、見て見て、ネコいっぱい」
目を見開く一人に、
「猫カフェだから、当たり前でしょ」
もう一人は、クールに言い放って、カウンターで受付をすました。それから、脱いだコートを持って、そっとドアを開けた。例によって、ベベルが、飛び出して廊下の向こうのキッチンへ行こうとした。
「あっ、どうしよう」
二人が、おろおろしている。
「ごめんなさいね。この子、あっちにおいしいものがあるのでね、すぐ行こうとするんですよ」
びっくりしている二人に、笑いかけながら、
「こりゃこりゃ、食いしん坊のベベル君」
私は、キジトラのネコを抱えて部屋に入った。ベベルは、河原でカエルを食べているところを捕獲された、元ノラネコだ。
「わあ、明るくって広い」
「キャットタワーが三つもあるよ」
弾んだ声を出している二人に、
「どうぞ、お好きなところへおかけくださいね」
そう言って、ソファーをすすめた。二人は、壁際にずらっと並んだケージなどを、眺めながら
「ベッドもたくさんあるね。おもちゃも。いや、このケージ、二階建ての個室だよ。すごい!ベッドとトイレ付き」
などど、珍しそうに話している。そのうち、
「ねえ、ここ『保護猫カフェ』だって。普通の猫カフェじゃないのかな」
ソファーにおっとりと座った一人が、ボソボソ言った。
クールさんが、私に顔を向ける。
「あの、保護猫って野良猫のことですか」
「この子たちはね、ほとんどが、繁殖場からのレスキューなんですよ。ほら、ペットショップで売られてる子ネコたちのお父さんやお母さんて言えば、分かりやすいでしょうか。テーブルに置いてます『にゃんこプロフィール』のファイルごらんくださいね」
やわらかい冬の日差しが、部屋にあふれている。その中で、おっとりさんが、傍のベッドにうずくまるグレーのモフモフしたネコの背に、そっと触れた。
ファイルを見た、クールさんが、顔を曇らせて言った。
「私たち、里親にはなれないんですけど、かまわないですか?」
「全然問題ないですよ。譲渡もしてるってだけで、こうしていらしていただけると、この子たちのフード代が出ますもの。あまり愛想よくお構いしませんけど、一応この子たちが、スタッフなんですよ。お休みの日はつまらなさそうにしてますもん」
私は、目じりを下げて言った。
今、おっとりさんにやさしくなでられているのが、店長のユウナ。このお店の一番の古株さんだ。ブリティッシュショートヘアーのメスで、生まれつき後ろ脚がなく、売り物にならないから繁殖場へ。ネコは、日光を十二時間以上浴びると、発情するらしい。
(ユウナちゃん、つらかったよね)
私も、じっと動かないユウナの背に手を乗せる。ずっと、狭いケージに入れられて、明るい蛍光灯を当てられ続け、子ネコを産んだらまた蛍光灯、という毎日を過ごしたと聞いた。ここへ来たときには、すっかり弱っていたのだ。
クールさんの膝の上に乗ってきたのが、こなた。スコティッシュフォールドの男の子だ。奇形で耳が垂れている。不思議なことに、それが『かわいい』と人気があって、値段も高い。でも、実際は骨が弱くて、活発に動けない。それが『飼いやすい』と人気という。短命の子が多い品種だ。
私は、のんびりくつろぐ九匹のネコたちを、目を細めて見回していた。入院中のレオは、明日帰ってくる予定で、ほっとしている。
「うわ、あそこ、トイレだ」
おっとりさんが、愛らしい声をあげる。
茶色の長毛マンチカンのオリオンが、ちょこちょこと歩いて、小さなドアを抜けた。
「そうなんです。匂い対策と思いましてね。大きなトイレ、向こうに置いてるんです」
「あー、でも匂い全然気になりませんね」
「ほんと、大きな空気清浄機置かれてますね。床暖房もあったかい」
それからも、次々とお客様が来られ、私は忙しく過ごした。ちょっと途絶えた合間に、キッチンに座る。お昼もかなり過ぎ、ほっと一息ついてお茶を飲んだ。
店は、『カフェ』といっても、ペットボトルの飲み物を選んでいただくだけだから、手間はかからない。自宅から持ってきたおにぎりを口に入れる。
夕暮れの気配を帯びた日差しに目を細めながら、これまでのことを脳裏に浮かべた。
子供の時から、ずっと犬や猫を飼ってきた。短大を卒業して、結婚。二人の息子に恵まれた。その間もずっと会社勤めを続けた。
そんな日々の中、ふと立ち寄った『保護猫カフェ』で、忙しくて疲れていた心が、ほわんと緩んだ。通っているうちに、誘われて、なんとなくボランティアを引き受けるようになった。気持ちの良い仲間との時間が、とても楽しかったのだ。
最初は、猫のえさや水、掃除などを手伝っていた。そのうち、ここに保護される『ワケアリ』の猫の事情が、少しずつ気になりだした。
リーダーは、明るくパワフルで、思いやりのある二十代の女性だ。
「沙希さん、一度保護の現場に行かれませんか?もしよければ、ですけど」
あるとき、彼女に誘われて、郊外の繁殖場に仲間と向かった。持ち主が行方不明になり、連絡があったのだそうだ。
うすよごれたプレハブ小屋のドアを開けた時の衝撃。まず悪臭が襲い掛かり、私は、外へ駆け出して、もどしてしまった。積み上げられた小さなケージの中で、ぐったりとした猫たち。何日、放置されていたのだろうか。餌も水も与えられず、糞尿にまみれていた。仲間は、険しい表情のまま、無言で手際よく二十匹あまりの猫たちを、レスキューしていった。
真っ青な顔で役に立たない私に、リーダーが声をかけてくれた。
「沙希さん、きつかったね。私も最初は、もどしたもん。今でも、これには慣れないけどね」
「すみません」
うなだれる私に
「これが現実。ネコブームの」
そう言って、苦しそうに口をゆがめた。自分なりに覚悟をしていたつもりだったけれど、目と鼻に飛び込んできたものは、想像を絶していた。
また、多頭飼いの末の、飼育放棄のアパートへ行ったこともある。
その中でもひどかったのは、『引き取り屋』と呼ばれる人の小屋だった。繁殖場で役に立たなくなった猫たちを買ってきて、そのままにしておく。換気もない小屋に、ろくに餌も与えられず、死んで腐敗したネコの上を、何匹もの猫が歩いていた。弱肉強食のすさまじい場所。ただ、餓死するのを待っているような小屋だった。
私は怒りで体が震えた。そして、
(私も保護猫カフェを開こう)
そう無謀な決心をしてしまったのだ。
私の住む町では、まだ保護猫のことがよく知られていない。私のような素人に何ができるか、不安でいっぱいだったけれど、少しづつ確実に、気持ちは固まっていった。
「沙希さん、応援するよ。絶対開いて」
仲間に背中を押されて、いろんな資格も取り、準備を始めた。
二人の息子が社会人になり、夫の了解を得て、ついに会社を辞めた。そして、貯金をはたいて、この店をオープンさせたのが一年前だ。リーダーは、折にふれて、アドバイスをくれた。
「十匹が限度。助けたいネコはいっぱいいるけど、無理はしないこと。家賃、餌代、何より医療費が大変だからね」
まあ、気負わず、楽しく、やれるところまでやってみよう
楽天家の私は、そう思っている。夫も協力的で、家のことはよく手伝ってくれる。幸い、ミニコミ誌やSNSで紹介されることもあって、この店も次第に知られてきた。一年間で里親の申し出もかなりあり、十八匹が引き取られていった。そのときは、ちょっと涙がでるけれど、すぐまた新しい子が仲間入りして、大忙しだ。
カララーン
ドアベルの音に、我に返り、エプロンのひもをきりっと結びなおした。
「いらっしゃいませ。いつもありがとうございます」
「こんにちは。前お話していた里親の件、決めさせていただこうと思いまして」
そう言われるにこやかなご夫妻に深く頭を下げる。
そして、『おためし』の日取りなどを打ち合わせる。奥様が、お目当てのいおりちゃんの喉をなでながら、
「お一人では大変でしょう」
何度も来店され、私を案じてくださる。
「えー、今のところは、まあなんとか。夜は防犯カメラを、自宅でチエックするだけですし。人をお願いする余裕ないですので、猫好きのボランティアさんに手伝ってもらえると、ありがたいのですが。なかなかねえ」
そう笑いながら、私は答えた。
「ありがとうございました。お気をつけてお帰り下さい」
今日最後のお客様を送り出して、私は、後片付けを終え、自転車で自宅に向かう。お正月気分がまだ抜けない町を、気分よく走る。十五分の道だ。向かい風に負けじと、ペタルをこぐ。
(さあ、今からは主婦。今夜は、ブリ大根。夫の大好物だ)
目に浮かべた夫の笑顔が、明日退院のレオにすり替わって、私は、くすっと笑った。
ドアベルが軽やかに音をたてた。
「あっ、お客様。開店早々うれしいわ」
そうつぶやきながら、私、沙希は、デニムのエプロンのひもをきりっと結びなおした。
『保護猫カフェ 猫結び』
小さな看板が、ドアと一緒に揺れる。
「いらっしゃいませ。お寒かったでしょう」
「こんにちは。あの、初めてなんです」
玄関に、ちょっと緊張した様子の二人の大学生風のお嬢さんが、立っていた。
「どうぞ、ごゆっくりなさってね」
私は、にこやかにお辞儀しながら、スリッパを出す。二人は、玄関から見える大きな窓から、広い部屋をのぞきこんだ。
「うわー、見て見て、ネコいっぱい」
目を見開く一人に、
「猫カフェだから、当たり前でしょ」
もう一人は、クールに言い放って、カウンターで受付をすました。それから、脱いだコートを持って、そっとドアを開けた。例によって、ベベルが、飛び出して廊下の向こうのキッチンへ行こうとした。
「あっ、どうしよう」
二人が、おろおろしている。
「ごめんなさいね。この子、あっちにおいしいものがあるのでね、すぐ行こうとするんですよ」
びっくりしている二人に、笑いかけながら、
「こりゃこりゃ、食いしん坊のベベル君」
私は、キジトラのネコを抱えて部屋に入った。ベベルは、河原でカエルを食べているところを捕獲された、元ノラネコだ。
「わあ、明るくって広い」
「キャットタワーが三つもあるよ」
弾んだ声を出している二人に、
「どうぞ、お好きなところへおかけくださいね」
そう言って、ソファーをすすめた。二人は、壁際にずらっと並んだケージなどを、眺めながら
「ベッドもたくさんあるね。おもちゃも。いや、このケージ、二階建ての個室だよ。すごい!ベッドとトイレ付き」
などど、珍しそうに話している。そのうち、
「ねえ、ここ『保護猫カフェ』だって。普通の猫カフェじゃないのかな」
ソファーにおっとりと座った一人が、ボソボソ言った。
クールさんが、私に顔を向ける。
「あの、保護猫って野良猫のことですか」
「この子たちはね、ほとんどが、繁殖場からのレスキューなんですよ。ほら、ペットショップで売られてる子ネコたちのお父さんやお母さんて言えば、分かりやすいでしょうか。テーブルに置いてます『にゃんこプロフィール』のファイルごらんくださいね」
やわらかい冬の日差しが、部屋にあふれている。その中で、おっとりさんが、傍のベッドにうずくまるグレーのモフモフしたネコの背に、そっと触れた。
ファイルを見た、クールさんが、顔を曇らせて言った。
「私たち、里親にはなれないんですけど、かまわないですか?」
「全然問題ないですよ。譲渡もしてるってだけで、こうしていらしていただけると、この子たちのフード代が出ますもの。あまり愛想よくお構いしませんけど、一応この子たちが、スタッフなんですよ。お休みの日はつまらなさそうにしてますもん」
私は、目じりを下げて言った。
今、おっとりさんにやさしくなでられているのが、店長のユウナ。このお店の一番の古株さんだ。ブリティッシュショートヘアーのメスで、生まれつき後ろ脚がなく、売り物にならないから繁殖場へ。ネコは、日光を十二時間以上浴びると、発情するらしい。
(ユウナちゃん、つらかったよね)
私も、じっと動かないユウナの背に手を乗せる。ずっと、狭いケージに入れられて、明るい蛍光灯を当てられ続け、子ネコを産んだらまた蛍光灯、という毎日を過ごしたと聞いた。ここへ来たときには、すっかり弱っていたのだ。
クールさんの膝の上に乗ってきたのが、こなた。スコティッシュフォールドの男の子だ。奇形で耳が垂れている。不思議なことに、それが『かわいい』と人気があって、値段も高い。でも、実際は骨が弱くて、活発に動けない。それが『飼いやすい』と人気という。短命の子が多い品種だ。
私は、のんびりくつろぐ九匹のネコたちを、目を細めて見回していた。入院中のレオは、明日帰ってくる予定で、ほっとしている。
「うわ、あそこ、トイレだ」
おっとりさんが、愛らしい声をあげる。
茶色の長毛マンチカンのオリオンが、ちょこちょこと歩いて、小さなドアを抜けた。
「そうなんです。匂い対策と思いましてね。大きなトイレ、向こうに置いてるんです」
「あー、でも匂い全然気になりませんね」
「ほんと、大きな空気清浄機置かれてますね。床暖房もあったかい」
それからも、次々とお客様が来られ、私は忙しく過ごした。ちょっと途絶えた合間に、キッチンに座る。お昼もかなり過ぎ、ほっと一息ついてお茶を飲んだ。
店は、『カフェ』といっても、ペットボトルの飲み物を選んでいただくだけだから、手間はかからない。自宅から持ってきたおにぎりを口に入れる。
夕暮れの気配を帯びた日差しに目を細めながら、これまでのことを脳裏に浮かべた。
子供の時から、ずっと犬や猫を飼ってきた。短大を卒業して、結婚。二人の息子に恵まれた。その間もずっと会社勤めを続けた。
そんな日々の中、ふと立ち寄った『保護猫カフェ』で、忙しくて疲れていた心が、ほわんと緩んだ。通っているうちに、誘われて、なんとなくボランティアを引き受けるようになった。気持ちの良い仲間との時間が、とても楽しかったのだ。
最初は、猫のえさや水、掃除などを手伝っていた。そのうち、ここに保護される『ワケアリ』の猫の事情が、少しずつ気になりだした。
リーダーは、明るくパワフルで、思いやりのある二十代の女性だ。
「沙希さん、一度保護の現場に行かれませんか?もしよければ、ですけど」
あるとき、彼女に誘われて、郊外の繁殖場に仲間と向かった。持ち主が行方不明になり、連絡があったのだそうだ。
うすよごれたプレハブ小屋のドアを開けた時の衝撃。まず悪臭が襲い掛かり、私は、外へ駆け出して、もどしてしまった。積み上げられた小さなケージの中で、ぐったりとした猫たち。何日、放置されていたのだろうか。餌も水も与えられず、糞尿にまみれていた。仲間は、険しい表情のまま、無言で手際よく二十匹あまりの猫たちを、レスキューしていった。
真っ青な顔で役に立たない私に、リーダーが声をかけてくれた。
「沙希さん、きつかったね。私も最初は、もどしたもん。今でも、これには慣れないけどね」
「すみません」
うなだれる私に
「これが現実。ネコブームの」
そう言って、苦しそうに口をゆがめた。自分なりに覚悟をしていたつもりだったけれど、目と鼻に飛び込んできたものは、想像を絶していた。
また、多頭飼いの末の、飼育放棄のアパートへ行ったこともある。
その中でもひどかったのは、『引き取り屋』と呼ばれる人の小屋だった。繁殖場で役に立たなくなった猫たちを買ってきて、そのままにしておく。換気もない小屋に、ろくに餌も与えられず、死んで腐敗したネコの上を、何匹もの猫が歩いていた。弱肉強食のすさまじい場所。ただ、餓死するのを待っているような小屋だった。
私は怒りで体が震えた。そして、
(私も保護猫カフェを開こう)
そう無謀な決心をしてしまったのだ。
私の住む町では、まだ保護猫のことがよく知られていない。私のような素人に何ができるか、不安でいっぱいだったけれど、少しづつ確実に、気持ちは固まっていった。
「沙希さん、応援するよ。絶対開いて」
仲間に背中を押されて、いろんな資格も取り、準備を始めた。
二人の息子が社会人になり、夫の了解を得て、ついに会社を辞めた。そして、貯金をはたいて、この店をオープンさせたのが一年前だ。リーダーは、折にふれて、アドバイスをくれた。
「十匹が限度。助けたいネコはいっぱいいるけど、無理はしないこと。家賃、餌代、何より医療費が大変だからね」
まあ、気負わず、楽しく、やれるところまでやってみよう
楽天家の私は、そう思っている。夫も協力的で、家のことはよく手伝ってくれる。幸い、ミニコミ誌やSNSで紹介されることもあって、この店も次第に知られてきた。一年間で里親の申し出もかなりあり、十八匹が引き取られていった。そのときは、ちょっと涙がでるけれど、すぐまた新しい子が仲間入りして、大忙しだ。
カララーン
ドアベルの音に、我に返り、エプロンのひもをきりっと結びなおした。
「いらっしゃいませ。いつもありがとうございます」
「こんにちは。前お話していた里親の件、決めさせていただこうと思いまして」
そう言われるにこやかなご夫妻に深く頭を下げる。
そして、『おためし』の日取りなどを打ち合わせる。奥様が、お目当てのいおりちゃんの喉をなでながら、
「お一人では大変でしょう」
何度も来店され、私を案じてくださる。
「えー、今のところは、まあなんとか。夜は防犯カメラを、自宅でチエックするだけですし。人をお願いする余裕ないですので、猫好きのボランティアさんに手伝ってもらえると、ありがたいのですが。なかなかねえ」
そう笑いながら、私は答えた。
「ありがとうございました。お気をつけてお帰り下さい」
今日最後のお客様を送り出して、私は、後片付けを終え、自転車で自宅に向かう。お正月気分がまだ抜けない町を、気分よく走る。十五分の道だ。向かい風に負けじと、ペタルをこぐ。
(さあ、今からは主婦。今夜は、ブリ大根。夫の大好物だ)
目に浮かべた夫の笑顔が、明日退院のレオにすり替わって、私は、くすっと笑った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3
この作品の感想を投稿する
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる