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すぅはぁと何度か深呼吸してから、手の中の手紙に視線を落とす。
ラブレターを渡すだなんて、きっと一生に一度きりに違いない。
淡い緑色の封筒に紫色の花のシールが張られている。虹のことだ、きっとこの花のチョイスにも意味があるんだろう。虹は父さんに似て根っからの本好きだから、花言葉とか文学的な形容を好む。
双子なのに、俺とは全然違う。違うけど、今は全く一緒にならないといけない。
もう一度気合いを入れ、トイレの鏡を覗き込んでよし可愛い、と頷く。
灰色がかった薄い色の茶髪に、同じ色味の大きな瞳。整った鼻梁と艶やかな薄紅色の唇。
少し伏し目がちに淑やかに振る舞えば、どこからどう見ても儚げ美少年・虹の完成だ。
同じ顔だから、表情と立ち振る舞いを変えるだけで成り代われる。……いや、俺は虹になれるけど、虹は俺にはなれないかな。性格的に。
ガヤガヤと廊下から騒がしい声が聞こえてくる。
そろそろだ。虹の想い人の高内先輩が休み時間に移動教室の為にこのトイレ前の廊下を通るのは調査済み。さっと手渡して離脱しよう。
どのタイミングでトイレから出るか図っていたら、扉が開いて生徒が入ってきてしまった。
「あ、いたいた。やっと見つけたぞ星。お前、次の数学ちゃんと予習してきたか? 今日お前絶対当てられる日だぞ」
「澄晴」
顔を見る為には首が痛くなるほど見上げなければならない長身に、目付きの悪い顔が乗っている。美形には違いないのだけど、ツンケンした態度といつも不機嫌そうな表情も相まって、「怖くて近寄れない」とΩに怯えられている可哀想なα──時柴 澄晴。
入ってきたのが幼馴染みだと分かるや、気が抜けそうになって慌てて表情を直す。
澄晴には一瞬で虹じゃないと見抜かれたけど、それはこいつが俺とも虹とも長く親しい友人なせいだ。
「ちょっとどいて。今大事なミッション中だから」
「は? ミッション?」
「うっし、いくぞ……っ」
どうやら俺を探しに来てくれたらしいが、今は構っていられない。
とにかく、高内先輩に手紙を渡すのが最優先事項だ。
澄晴の登場にびっくりしている間にトイレ前を通り過ぎていってしまった一群を追い掛け、トイレを飛び出してそっと小走りに近付いて勇気を出したみたいに震える声を掛けた。
「あの、高内先輩……っ」
虹は自分の声が好きじゃないらしいけど、高めの声はαの気を惹くのに有利だ。
足を止めて振り返ってくれた高内は、しかし俺の姿を見てうんざりしたように見えた。
「何?」
冷めた目と平坦な声音には、見るからに美しいΩに言い寄られて喜んでいる雰囲気とは思えない。しかし、だからといって呼び止めてしまったのだからナンデモナイデスと逃げ出すわけにもいかない。何せ今、俺は虹なのだ。俺の失礼は虹の失礼になってしまう。
「あの、これ……、読んで下さい……っ」
おずおずと両手で手紙を差し出して恥じらっているフリで顔を伏せると、高内の周囲がわっと騒ぎだした。
「うわ、またかよ高内!」
「お前ほんとモテるよな~、俺にもおこぼれ寄越せよ」
「ってか、今どき手紙とかウケる」
「高内くんが柔道部だから古風なのが好きとか思ったんじゃん? 単純だね~」
友人らしきβと、高内狙いらしいΩが囃し立てる。
ああこれ、確かに虹には無理だったな。俺に頼んだの大正解だよ虹。人には向き不向きがあるもんな。
わあきゃあ騒ぐ周囲が「ここで読めよ高内~」「そうそう、返事は早いほうがいいって」などと言い出したのを聞き、俯いて見えないのをいいことに眉を顰めた。
ここでそのノリに乗るような男なら、虹には相応しくない。手紙は渡さず離脱しよう、と高内の動向を窺うと、彼はため息と共に大きく舌打ちした。
「……やめろ」
不愉快そうに低く一喝するだけで、騒いでいた周りがシンと静まる。
おお、これがこの人の威圧フェロモン。肌にビリビリくるな、と思いながら、表面上だけは怯えた演技で上目遣いに数歩後退った。
「俺は番だのなんだのに興味がない。だから『読むだけ』でいいなら受け取る」
「……あ、はいっ。読んでくれれば、それで」
高内は周囲が黙るとすぐにフェロモンを引っ込め、そして俺の手から手紙を抜き取っていった。
「ありがとうございます……っ」
ぺこ、と可愛らしく一礼して、それから踵を返して走って逃げる。あくまで楚々として小走りに、だが。
途中、澄晴の前を通り過ぎる時に『何してんだお前』とばかりの目が痛かった。
みなまで言うな。分かってる、俺のキャラじゃないよな。うんうん。でも今は星じゃなくて虹だから!
廊下を曲がり、高内たちから見えないところまで行ってやっと、大きく息を吐いた。
ラブレター配達ミッション、つつがなく完了。
話は数日前に遡る。
「……ん」
双子の弟の虹が立ち止まったのに気付いて、俺も足を止めた。
振り返った彼の視線の先には、今すれ違ったばかりの生徒の群れがあった。ネクタイの色を見るに、上級生だ。それぞれ小脇に教科書やノートを抱えているから、おそらく専門棟への移動中なのだろう。
「どうかした?」
「うん、……気になる匂いの人がいて」
「え、ほんと? 誰、どの人?」
俺と違って大人しくて奥手なタイプの虹が他人に興味を示すのは珍しい。
双子の上に同じΩなのに彼の方は発情期は高一に上がってやっときたくらい遅めで、だから番とかそういうものに関しても全く無関心という風だったのに。
どの生徒だろう、と探しながら、十数人居る生徒の中のαを見繕う。一人、二人……、三人、かな。
進学校だからか、この学校にはαが多い。一クラスに五人居ることもあるらしい。人口比率でいうとかなり高い割合だと思うのだけど、αが多いってことはライバルになるΩも多くなるってことだ。
ついでにΩの数も数えて、八人くらいかな、と目測をつける。
αもΩも、その性別的特徴のおかげで判別は割と簡単だ。とにかく顔がいいやつは大体αかΩ。
たまにβでも美人がいるけれど、大抵は親がαとΩ性だ。
β性が顕性遺伝だからαβとΩβの間に生まれる子は一定割合でββが生まれる、だっけ。
αやβの雌でもαの子を妊娠・出産する事は出来るけど、なんか色々人体の神秘的な解明されてない理由で、αとΩを産めるのはΩ性の男女だけ。でもααやΩΩは生物的に弱くて短命で――ああ、頭が痛くなってきた。
先週生物の授業で習ったばかりの範囲だけれど、ここに雌雄や血液型なんかの話も混ざっていたから正直うろ覚えだ。
猛勉強してなんとかこの学校に入ったが、あいにく俺はあまり頭の出来が良くない。
授業についていくのがやっとの有様で、来週から夏休みを控えた七月の今、早くも身の丈に合ったレベルの学校に行けば良かったと後悔し始めている。
頭が多い生徒が多いからかΩ同士のαの奪い合いも表面上は穏やかで、αを巡っての言い争いなんて滅多に見ない。裏でどんな熾烈な戦いが行われているかは知らないが、少なくとも今のところ俺たちは放課後呼び出しを受けたり持ち物が無くなったり虫入りの手紙を貰ったりはしていない。
大人しい虹が俺の知らないところで中学の頃みたいな扱いを受けたら大変だと思って同じ高校を受験したのだけど、杞憂だったようだ。
正直、許されるなら今からでも俺だけ他校に編入したい。パパが絶対許さないだろうけど。
「……たぶん、あの人」
しばらく生徒の群れを見つめていた虹が、やっと一人の生徒を指し示す。
後ろからしか見えないので容姿は分からないが、他のαよりも一回り体格が大きい男だった。印象だけでいうなら、柔道部とかレスリング部所属、って感じ。ガッチリしていて、ブレザーの肩あたりが窮屈そうだ。
「へー、意外。虹と相性の良いのって、虹みたいな秀才タイプだと思ってたのに」
「……匂いが気になっただけだよ? 相性なんて分かんないよ」
「でも、虹が気になるなんて初めてじゃん。運命かもよ?」
「……馬鹿らし……」
揶揄うつもりは無かったのに、俺が運命、と言った途端に虹は興味を失くしたみたいに廊下を歩き出した。本や映画なんかはロマンチックなものを好むくせに、この弟はたまにものすごく現実的だ。
虹はそれ以後も自分からその先輩に近寄ろうとはせず、しかし校舎内ですれ違う度に目で追っていた。
これはきっと、俺が後押ししなければ永遠にどうにもならない。そう判断して、「とにかく一度話しかけてみたらどうか」と提案してみたのだけど、「いつも周りに人がいるから嫌だ」と言われてしまった。
元々人と関わるのが苦手で、友達もネットには多いみたいだが学校では俺と澄晴とくらいしか話さない。
そんな虹があのいつでも集団行動する男に話しかけるのは無理難題というものだろう。
それが分かるからこそ、「俺の代わりに手紙を渡して」と頼まれて、断るという選択肢は無かった。
ラブレターを渡すだなんて、きっと一生に一度きりに違いない。
淡い緑色の封筒に紫色の花のシールが張られている。虹のことだ、きっとこの花のチョイスにも意味があるんだろう。虹は父さんに似て根っからの本好きだから、花言葉とか文学的な形容を好む。
双子なのに、俺とは全然違う。違うけど、今は全く一緒にならないといけない。
もう一度気合いを入れ、トイレの鏡を覗き込んでよし可愛い、と頷く。
灰色がかった薄い色の茶髪に、同じ色味の大きな瞳。整った鼻梁と艶やかな薄紅色の唇。
少し伏し目がちに淑やかに振る舞えば、どこからどう見ても儚げ美少年・虹の完成だ。
同じ顔だから、表情と立ち振る舞いを変えるだけで成り代われる。……いや、俺は虹になれるけど、虹は俺にはなれないかな。性格的に。
ガヤガヤと廊下から騒がしい声が聞こえてくる。
そろそろだ。虹の想い人の高内先輩が休み時間に移動教室の為にこのトイレ前の廊下を通るのは調査済み。さっと手渡して離脱しよう。
どのタイミングでトイレから出るか図っていたら、扉が開いて生徒が入ってきてしまった。
「あ、いたいた。やっと見つけたぞ星。お前、次の数学ちゃんと予習してきたか? 今日お前絶対当てられる日だぞ」
「澄晴」
顔を見る為には首が痛くなるほど見上げなければならない長身に、目付きの悪い顔が乗っている。美形には違いないのだけど、ツンケンした態度といつも不機嫌そうな表情も相まって、「怖くて近寄れない」とΩに怯えられている可哀想なα──時柴 澄晴。
入ってきたのが幼馴染みだと分かるや、気が抜けそうになって慌てて表情を直す。
澄晴には一瞬で虹じゃないと見抜かれたけど、それはこいつが俺とも虹とも長く親しい友人なせいだ。
「ちょっとどいて。今大事なミッション中だから」
「は? ミッション?」
「うっし、いくぞ……っ」
どうやら俺を探しに来てくれたらしいが、今は構っていられない。
とにかく、高内先輩に手紙を渡すのが最優先事項だ。
澄晴の登場にびっくりしている間にトイレ前を通り過ぎていってしまった一群を追い掛け、トイレを飛び出してそっと小走りに近付いて勇気を出したみたいに震える声を掛けた。
「あの、高内先輩……っ」
虹は自分の声が好きじゃないらしいけど、高めの声はαの気を惹くのに有利だ。
足を止めて振り返ってくれた高内は、しかし俺の姿を見てうんざりしたように見えた。
「何?」
冷めた目と平坦な声音には、見るからに美しいΩに言い寄られて喜んでいる雰囲気とは思えない。しかし、だからといって呼び止めてしまったのだからナンデモナイデスと逃げ出すわけにもいかない。何せ今、俺は虹なのだ。俺の失礼は虹の失礼になってしまう。
「あの、これ……、読んで下さい……っ」
おずおずと両手で手紙を差し出して恥じらっているフリで顔を伏せると、高内の周囲がわっと騒ぎだした。
「うわ、またかよ高内!」
「お前ほんとモテるよな~、俺にもおこぼれ寄越せよ」
「ってか、今どき手紙とかウケる」
「高内くんが柔道部だから古風なのが好きとか思ったんじゃん? 単純だね~」
友人らしきβと、高内狙いらしいΩが囃し立てる。
ああこれ、確かに虹には無理だったな。俺に頼んだの大正解だよ虹。人には向き不向きがあるもんな。
わあきゃあ騒ぐ周囲が「ここで読めよ高内~」「そうそう、返事は早いほうがいいって」などと言い出したのを聞き、俯いて見えないのをいいことに眉を顰めた。
ここでそのノリに乗るような男なら、虹には相応しくない。手紙は渡さず離脱しよう、と高内の動向を窺うと、彼はため息と共に大きく舌打ちした。
「……やめろ」
不愉快そうに低く一喝するだけで、騒いでいた周りがシンと静まる。
おお、これがこの人の威圧フェロモン。肌にビリビリくるな、と思いながら、表面上だけは怯えた演技で上目遣いに数歩後退った。
「俺は番だのなんだのに興味がない。だから『読むだけ』でいいなら受け取る」
「……あ、はいっ。読んでくれれば、それで」
高内は周囲が黙るとすぐにフェロモンを引っ込め、そして俺の手から手紙を抜き取っていった。
「ありがとうございます……っ」
ぺこ、と可愛らしく一礼して、それから踵を返して走って逃げる。あくまで楚々として小走りに、だが。
途中、澄晴の前を通り過ぎる時に『何してんだお前』とばかりの目が痛かった。
みなまで言うな。分かってる、俺のキャラじゃないよな。うんうん。でも今は星じゃなくて虹だから!
廊下を曲がり、高内たちから見えないところまで行ってやっと、大きく息を吐いた。
ラブレター配達ミッション、つつがなく完了。
話は数日前に遡る。
「……ん」
双子の弟の虹が立ち止まったのに気付いて、俺も足を止めた。
振り返った彼の視線の先には、今すれ違ったばかりの生徒の群れがあった。ネクタイの色を見るに、上級生だ。それぞれ小脇に教科書やノートを抱えているから、おそらく専門棟への移動中なのだろう。
「どうかした?」
「うん、……気になる匂いの人がいて」
「え、ほんと? 誰、どの人?」
俺と違って大人しくて奥手なタイプの虹が他人に興味を示すのは珍しい。
双子の上に同じΩなのに彼の方は発情期は高一に上がってやっときたくらい遅めで、だから番とかそういうものに関しても全く無関心という風だったのに。
どの生徒だろう、と探しながら、十数人居る生徒の中のαを見繕う。一人、二人……、三人、かな。
進学校だからか、この学校にはαが多い。一クラスに五人居ることもあるらしい。人口比率でいうとかなり高い割合だと思うのだけど、αが多いってことはライバルになるΩも多くなるってことだ。
ついでにΩの数も数えて、八人くらいかな、と目測をつける。
αもΩも、その性別的特徴のおかげで判別は割と簡単だ。とにかく顔がいいやつは大体αかΩ。
たまにβでも美人がいるけれど、大抵は親がαとΩ性だ。
β性が顕性遺伝だからαβとΩβの間に生まれる子は一定割合でββが生まれる、だっけ。
αやβの雌でもαの子を妊娠・出産する事は出来るけど、なんか色々人体の神秘的な解明されてない理由で、αとΩを産めるのはΩ性の男女だけ。でもααやΩΩは生物的に弱くて短命で――ああ、頭が痛くなってきた。
先週生物の授業で習ったばかりの範囲だけれど、ここに雌雄や血液型なんかの話も混ざっていたから正直うろ覚えだ。
猛勉強してなんとかこの学校に入ったが、あいにく俺はあまり頭の出来が良くない。
授業についていくのがやっとの有様で、来週から夏休みを控えた七月の今、早くも身の丈に合ったレベルの学校に行けば良かったと後悔し始めている。
頭が多い生徒が多いからかΩ同士のαの奪い合いも表面上は穏やかで、αを巡っての言い争いなんて滅多に見ない。裏でどんな熾烈な戦いが行われているかは知らないが、少なくとも今のところ俺たちは放課後呼び出しを受けたり持ち物が無くなったり虫入りの手紙を貰ったりはしていない。
大人しい虹が俺の知らないところで中学の頃みたいな扱いを受けたら大変だと思って同じ高校を受験したのだけど、杞憂だったようだ。
正直、許されるなら今からでも俺だけ他校に編入したい。パパが絶対許さないだろうけど。
「……たぶん、あの人」
しばらく生徒の群れを見つめていた虹が、やっと一人の生徒を指し示す。
後ろからしか見えないので容姿は分からないが、他のαよりも一回り体格が大きい男だった。印象だけでいうなら、柔道部とかレスリング部所属、って感じ。ガッチリしていて、ブレザーの肩あたりが窮屈そうだ。
「へー、意外。虹と相性の良いのって、虹みたいな秀才タイプだと思ってたのに」
「……匂いが気になっただけだよ? 相性なんて分かんないよ」
「でも、虹が気になるなんて初めてじゃん。運命かもよ?」
「……馬鹿らし……」
揶揄うつもりは無かったのに、俺が運命、と言った途端に虹は興味を失くしたみたいに廊下を歩き出した。本や映画なんかはロマンチックなものを好むくせに、この弟はたまにものすごく現実的だ。
虹はそれ以後も自分からその先輩に近寄ろうとはせず、しかし校舎内ですれ違う度に目で追っていた。
これはきっと、俺が後押ししなければ永遠にどうにもならない。そう判断して、「とにかく一度話しかけてみたらどうか」と提案してみたのだけど、「いつも周りに人がいるから嫌だ」と言われてしまった。
元々人と関わるのが苦手で、友達もネットには多いみたいだが学校では俺と澄晴とくらいしか話さない。
そんな虹があのいつでも集団行動する男に話しかけるのは無理難題というものだろう。
それが分かるからこそ、「俺の代わりに手紙を渡して」と頼まれて、断るという選択肢は無かった。
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