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第三章
126「『乾坤一擲』の実力」
しおりを挟む「えーと⋯⋯千鶴さん。な、何でしょう⋯⋯?」
「君は私たちとは今日だけの帯同なんだっけ?」
「あ、はい。俺は明日からは単独でSランクダンジョンへ行きます」
「マジか! 単独でSランクダンジョンかよ!」
すると、さらに口悪先輩の獅子神さんが入ってきた。
「Sランクは初めて?」
「はい。とりあえず最初は上層で様子見ながら⋯⋯て感じで、ゆっくりやっていく予定です」
「そうね。そのほうがいいわ。一応、先輩として言っておくけど、Sランクダンジョンは上層からいきなりAランク魔物がうじゃうじゃ出てくるから気をつけな」
「は、はい、わかりました」
「おう、ソラ! あと、3層からいきなり灼熱エリアになるからな。しかも、その後の4層だと真逆の極寒エリアだ! だから、なるたけ耐熱・耐寒対策は両方しっかりやっとけよ!」
「はい、ありがとうございます。獅子神さん」
と、獅子神さんからもアドバイスをもらった。あと、
「ソラ君、ソラ君⋯⋯」
「え? あ、はい。何でしょう、ミズホさん⋯⋯」
「あとで写真一緒に撮って」
「えっ?! 写真ですか?」
「⋯⋯ダメ?」
「い、いえ、そんなことないです!」
「やった。これで友達に自慢できる。やった」
「じ、自慢⋯⋯ですか?」
「自慢。私の友達界隈でソラ君はホットトレンド。故に自慢」
「は、はあ⋯⋯」
それからはミズホさんが横についてきた。
何だか懐かれたようだ。
「へ~! ミズホが初対面の⋯⋯しかも年下とはいえ男の人に懐くなんて珍しい光景ね」
とは、美鶴さん。
「本当だ! さすがソラ君だね!」
よくわからないが、蓮二さんに感心された。
「ミズホが懐くなんて⋯⋯やっぱ、変わり者なんだな、ソラ!」
「⋯⋯は、はあ」
相変わらず、口の悪い返しを吐くのは獅子神さん。
そんな感じで地上階を進んでいると、1階層に降りる階段が見えてきた。
「さあ、それじゃあ1階層に降りるよ。これからは帯同として進むけど、基本最初は『新進気鋭』の3人は見物していてくれ」
「「「はい」」」
「うん。じゃあ、降りるよ」
いよいよ、本格的な帯同が始まった。
********************
「オラァァァァ~~~~っ!!!!」
ゴガガガガガガガガガガガガガガガっ!!!!
2階層に降りると、すぐに魔物と出くわし戦闘が始まった。
相手は、Bランク魔物でゴブリン上位種の『ゴブリンジェネラル』が3体。ちなみに、ゴブリンジェネラルの特徴としては『腕が4つ』あるというのと、魔法も使えるというところだ。
通常は、ゴブリンジェネラルの魔法を警戒しながら、隙を見て物理攻撃や魔法攻撃を仕掛ける⋯⋯といった『ヒットアンドアウェイ』が基本的な攻略方法である⋯⋯⋯⋯のだが、しかし、目の前では獅子神さんが拳一つでゴブリンジェネラルを圧倒していた。
ちなみに、ゴブリンジェネラルは1体が攻撃されている間、獅子神さんに魔法攻撃を仕掛けているのだが、その魔法攻撃は無効化されているようで獅子神さんは無傷だった。
「馬車馬システム、私が獅子神に『魔法無効化/上級』のバフ効果魔法施して獅子神が殴り倒す、馬車馬システム」
「そっ! これがウチらの基本スタイルさね」
とは、ミズホさんと千鶴さんの弁。
「でも、さすがにそれだと獅子神さんの負担が大きいのでは?」と聞こうとしたら、
「そもそも本人からそうしてくれって頼まれたんだよね。一応それだと獅子神の負担が大きいから大変だよと言ったんだけど、本人が『実戦こそ一番の訓練になる! だから負担とか関係ない! ぶつくさ言ってないで俺に戦わせろ!』ってね。だから、まー⋯⋯⋯⋯好きにさせてる感じ」
「へ、へ~⋯⋯なるほど~」
わ~獅子神さん、便利~。
「まあでも、あくまで獅子神一人で間に合う相手だけだけどね」
「そ、それって、獅子神さんにはゴブリンジェネラルは敵じゃないってことですか?!」
「まーそうだね」
「す、すごい⋯⋯。Bランク魔物を雑魚扱い⋯⋯」
唐沢と胡桃沢が獅子神さんの色々とデタラメな感じに唖然としていた。⋯⋯もちろん右に同じだ。
さて、そんなこんなで6層まで獅子神さん一人の『物理』だけでスイスイ進んでいった。
——7階層
「おう、蓮二! そろそろ、ここらで始めるか?」
「そうだね」
さっきまで先頭でまさに獅子奮迅の働きをしていた獅子神さんが、何やら蓮二さんに確認を取ると俺たちの元へ戻ってきた。
「よし! じゃあ、ここからは『新進気鋭』の3人が先頭に立ってやってみようか」
「ええっ!?」
「先頭⋯⋯ですか!」
「大丈夫。ちゃんとフォローするから。とりあえず、3人でできるだけやってみてごらん」
「「わ、わかりました!」」
「⋯⋯はい」
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