52 / 206
第一章
052「異様な光景」
しおりを挟む「きゃああああ!」
「オメガー!」
「⋯⋯!」
「⋯⋯」
突然、バロンの姿が消えた途端、オメガの体が上に跳ね飛び、その上にバロンが現れるとオメガの体を両拳で地面に叩きつける。その光景を見た渚・亜由美が叫び、琴乃は絶句し、有紀は⋯⋯、
「あ、あれ⋯⋯何?」
「「「⋯⋯あ」」」
ハイポーションでダメージ回復した有紀だったが、まだオメガのことを話してなかったことに気づいた3人はこれまでの経緯をわーわーと説明。
「す、すごいな。何者だよ⋯⋯このオメガって?」
「わからない。今は何もわからないわ。でも、一つだけ言えるのは彼がいなきゃ私たちは今こうして話もできていなかったし、ここから地上に戻ることもできないってこと!」
「で、でも、そのオメガが今あのバロンって魔物に殴り飛ばされて⋯⋯もしかしたら、オメガって人でもやっぱり喋る魔物には勝てない⋯⋯」
「そ、そんなことない! そんなことないよ、琴乃!」
「⋯⋯亜由美ちゃん?」
「きっと彼なら勝てる。私は信じてる!」
「亜由美⋯⋯」
琴乃や渚が不安になる中、私は必死に『オメガ』という希望に全力で縋り付く。そうでもしないとまたみんなが、私自身も絶望するから。
だからお願い⋯⋯立って、オメガ!
********************
<<ええ、ええ⋯⋯なるほど、なるほど。所詮は、ただの世間知らずでクソ生意気な口だけ人間だったということですか。いやいや、そんなしょうもない者に少しでも強者と勘違いしてしまった私はまだまだ未熟ということですねぇ。反省です⋯⋯>>
そう言いながら、バロンが地面に叩きつけられ動かないオメガに止めを刺そうと近づく。
<<ええ、ええ⋯⋯とりあえず、あなたのようなクソ生意気な人間は視界に入るだけでも虫唾が走るので跡形もなく消し飛ばして差しあげましょう。苦しまないで死ぬ分ラクをさせてしまいますが⋯⋯まぁ仕方ありませんね>>
そう言って、バロンが魔法を展開しようとオメガに手をかざした⋯⋯その時、
「よっと!」
オメガが突然『ピョン!』と元気よく立ち上がる。
<<な⋯⋯っ!?>>
「「「「ええええっ?!」」」」
さっきのバロンの攻撃でやられたと思っていたオメガが、突然元気よく立ち上がったことにオメガ以外の全員が驚きの声を上げる。
「あ、間違えた」
<<間違えた?>>
「「「「間違えた?」」」」
シーン⋯⋯。
「うぐぐ⋯⋯や、やるな、バロン! さ、さすがは、深層のすごい強いおしゃべり魔物なだけは⋯⋯ある」
<<は?>>
「「「「え?」」」」
オメガの中の人——タケルの言葉とリアクションにタケル以外の全員が『理解不能状態で体が硬直する』というデバフがかかったような⋯⋯そんな異様な光景が広がっていた。
——————————————————
——『戦乙女同接視聴者』
:は?
:え?
:ファ!?
:お、おい!? オメガ様突然勢いよく立ち上がったぞ!!
:正直、バロンって喋る魔物の攻撃で完全に倒されてしまったと思っていたん⋯⋯だが⋯⋯?
:しかも直後に間違えたとか言ってたけど⋯⋯間違えた? 何をぉぉ?!
——————————————————
——『Dストリーマー掲示板総合スレ住人』
921:Dストリーマー名無し
は? はあぁぁぁぁああぁぁ!!!!!!
922:Dストリーマー名無し
な、何か、突然勢いよく立ち上がったんですけど⋯⋯????
923:Dストリーマー名無し
バロンの攻撃効いてなかったってこと?
924:Dストリーマー名無し
「あ、間違えた」
「うぐぐ⋯⋯や、やるな、バロン! さ、さすがは、深層のすごい強いおしゃべり魔物なだけは⋯⋯ある」
うん。「おしゃべり魔物」じゃなくて「喋る魔物」な?
925:Dストリーマー名無し
テラワロスwww
926:Dストリーマー名無し
な、なぁ、これって⋯⋯この「間違えた」とかその後の棒読みセリフってさぁ⋯⋯
さっきまでのオメガ様の配信で散々見せつけられたやつと同じような⋯⋯
927:Dストリーマー名無し
君のような勘のいいガキは嫌いだよ
928:Dストリーマー名無し
いや、これもはや『勘』って言うほどのものじゃねーよ
誰だってわかるわwwww
929:Dストリーマー名無し
えーと、つまり⋯⋯
「大したことない敵だけどオーバーリアクションして相手が強敵であるかのような振る舞いしなきゃいけないのについ勢いよく立ち上がってしまったー(棒)」
これで、おk?
930:Dストリーマー名無し
>929
天才か!
931:Dストリーマー名無し
>929
ぐう有能
932:Dストリーマー名無し
>930、931
いやいやいや、もはや誰だってそう思うわww
933:Dストリーマー名無し
>932
いや、そうでもないようだぞ
934:Dストリーマー名無し
>933
どゆこと?
935:Dストリーマー名無し
>933
kwsk
936:Dストリーマー名無し
933)今、戦乙女の配信と
両方観ているんだが、戦乙女の配信の
同接視聴者にはオメガ様のこの一連の棒読みセリフと
観るに耐えない大根リアクションが理解できていないご様子
937:Dストリーマー名無し
>933
「棒読みセリフ」
「観るに耐えない大根リアクション」
地味にディスっててワロチww
938:Dストリーマー名無し
いやいや933の言葉は的確だろ?
939:Dストリーマー名無し
あーだからか
だからオメガ様以外の、喋る魔物のバロン含めた全員が
棒立ちしたままっていう異様な光景が広がっているのかww
940:Dストリーマー名無し
大 草 原wwwwwwwwww
941:Dストリーマー名無し
ウチの子がホントすんません!
942:Dストリーマー名無し
申し訳なーい!
943
>941、942
おまいらどんな立ち位置だよww
>941、942、943
デジャブぅぅぅぅwwww
103
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。
異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。
せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。
そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。
これは天啓か。
俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
『山』から降りてきた男に、現代ダンジョンは温すぎる
暁刀魚
ファンタジー
社会勉強のため、幼い頃から暮らしていた山を降りて現代で生活を始めた男、草埜コウジ。
なんと現代ではダンジョンと呼ばれる場所が当たり前に存在し、多くの人々がそのダンジョンに潜っていた。
食い扶持を稼ぐため、山で鍛えた体を鈍らせないため、ダンジョンに潜ることを決意するコウジ。
そんな彼に、受付のお姉さんは言う。「この加護薬を飲めばダンジョンの中で死にかけても、脱出できるんですよ」
コウジは返す。「命の危険がない戦場は温すぎるから、その薬は飲まない」。
かくして、本来なら飲むはずだった加護薬を飲まずに探索者となったコウジ。
もとよりそんなもの必要ない実力でダンジョンを蹂躙する中、その高すぎる実力でバズりつつ、ダンジョンで起きていた問題に直面していく。
なお、加護薬を飲まずに直接モンスターを倒すと、加護薬を呑んでモンスターを倒すよりパワーアップできることが途中で判明した。
カクヨム様にも投稿しています。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
日本国 召喚獣管理省 関東庁 召喚獣総合事案即応科。
wakaba1890
ファンタジー
召喚獣。
それは向こう側とされる所から、10歳を迎えた日本人の子供の下に召喚されるモンスターのことである。
初代天皇・神武天皇が日本を建国した際に書かれた絵画には彼は金鵄と呼ばれる金色に輝く鵄(とび)と契約したのが原初となっている。
そして、縄文、弥生、古墳、飛鳥、平安、戦国時代から近代から今に至るまで、時代を動かしてきた人物の側には確かに召喚獣は介在していた。
また、奇妙な事に、日本国に限り、齢10歳を迎えた日本在住の日本人にのみ体のどこかから多種多様な紋章が発現し、当人が念じると任意の場所から召喚陣が現れ、人ならざるモンスターを召喚される。
そして、彼らモンスターは主人である当人や心を許した者に対して忠実であった。
そのため、古来の日本から、彼ら召喚獣は農耕、治水、土木、科学技術、エネルギー、政治、経済、金融、戦争など国家の基盤となる柱から、ありとあらゆる分野において、今日に至るまで日本国とアジアの繁栄に寄与してきた。
そして、建国から今まで、国益の基盤たる彼ら数万種類以上をも及ぶ召喚獣を取り締まり管理し、2600年以上と脈々と受け継がれてきた名誉ある国家職がーーーーー国家召喚獣管理官である。
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる