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第一章
059「空間転移《ジャンパー》。そして⋯」
しおりを挟む「なっ?!」
「ええっ?!」
「オメガ様!!」
「オメガ君!!」
あの『喋る魔物バロン』を持ってしても敵じゃなかったオメガが、櫻子の一撃で膝をついたという目の前の現実に動揺を隠しきれない四人。そして、その動揺は四人だけでなく、
——————————————————
【戦乙女チャンネル/同接視聴者】
:は?
:え?
:いや、うそぉぉぉ?!
:お、おい、あのオメガ様が⋯⋯膝をついたぞ!
:櫻子様の攻撃が効いてるんだ!?
:マ、マジ? あの喋る魔物バロンの攻撃さえオメガ様に通用しなかったのに?
:つ、強ぇぇ⋯⋯。やっぱギルマスって半端ねぇぇぇ!!
:いや、ギルマスというより櫻子ちゃんが凄いってことだろ!
⋯⋯
⋯⋯
⋯⋯
⋯⋯
——————————————————
【オメガちゃんねる/同接視聴者】
:のじゃロリ櫻子様、強ぇぇぇ!!!!
:いやマジかよっ!?
:喋る魔物バロンにも余裕ぶちかましてたオメガ様が膝をつく⋯⋯だと?!
:オメガ様を持ってしてもギルマス櫻子ちゃんには勝てないということか
:いやいやいや、勝てないって話とはまた別だろ?
:まーたしかに櫻子ちゃんの強さは正直ガチだからな
:日本最強の一角と言われているが、正直櫻子様と
同レベルの強さの探索者なんてたぶん2~3人ってとこだろ?
:その一人は、あの沖縄出身の『カルロス具志堅』だろうな
:ああ⋯⋯あの『スキルマニア』なww
:色黒・アフロヘアー・筋肉だるま・ちょびひげ⋯⋯カルロスぱいせん盛り過ぎだってのwww
:これもありますよっと! → 『ちょっちゅね探索者』
:『ちょっちょね探索者』ww
:あーねww
⋯⋯
⋯⋯
⋯⋯
⋯⋯
——————————————————
オメガちゃんねるや戦乙女チャンネルの視聴者たちもタケルが膝をついたことに驚いていた。オメガちゃんねるの一部では別の探索者の名前も上がっていたが⋯⋯。
「ええい、このバカチンがー! 何でもかんでもベラベラ喋ろうとしおってからに! ワシが会いに来るまで大人しくしとけと言ったろうが!!」
「えっ?!」
ん?
その言い方⋯⋯もしかして、櫻子ちゃんってオメガが結城タケル知ってる?
だって「ワシが会いに来るまで」ってのは、あのF級探索者登録証授与式で、俺だけに聞こえるよう耳元で言った言葉だったし。
マ、マジ?
「あ、あの⋯⋯櫻子ちゃん⋯⋯」
「ええい、お主は黙っとれ! 大丈夫、ワシに考えがある! じゃからお主はそこでお口にチャックじゃ!!」
「は、はいぃぃぃ!」
俺たちののじゃロリギルマス櫻子ちゃんの言葉に誰が逆らえよう⋯⋯いや逆らえない。
ということで、俺は完全お口チャックとあいなった。
「さて、次にお前たちじゃな⋯⋯『戦乙女』」
「「「「うっ!?」」」」
櫻子がジロッと四人に視線を向けると、全員が口を真一文字に結び、緊張した面持ちで直立不動となる。
「申し訳ないがお主たちにも用があるから一緒に行くぞ。ちなみに、これは提案でもお願いでもない⋯⋯命令じゃ。よいな?」
「「「「は、はははははいぃぃぃ!!!!」」」」
——————————————————
【戦乙女チャンネル/同接視聴者】
:ん? それって、つまりここから全員が移動するってことかな?
:どこに行くんだろ?
:ていうか、さっきの『魔法』についての回答は?
⋯⋯
⋯⋯
⋯⋯
⋯⋯
——————————————————
【オメガちゃんねる/同接視聴者】
:櫻子ちゃんの凄みよ
:ひぇ
:どこに移動すんだ?
:ていうか、そもそも櫻子ちゃんってどうやってここに?
⋯⋯
⋯⋯
⋯⋯
⋯⋯
——————————————————
そんな櫻子の発言にオメガちゃんねる、戦乙女チャンネル双方の視聴者たちが困惑する中、
「ああ、そうじゃ。移動の前に⋯⋯おい、オメガ! あと戦乙女の者たちよ。配信をすぐに停止するのじゃ!」
「「は、はひぃぃぃ!!!!」」
——————————————————
【戦乙女チャンネル/同接視聴者】
:えっ?
:ちょ?!
:ちょっと待ってぇぇぇ!!!!
:え? ここで配信止める?! そんなご無体なぁぁ⋯⋯!!
:後生です、櫻子様ぁぁ!!
⋯⋯
⋯⋯
⋯⋯
⋯⋯
——————————————————
【オメガちゃんねる/同接視聴者】
:ちょっ!? 櫻子様!!
:ワァァ! やめてさしあげてぇぇ!!
:オーマイガー!
:う、うそ~ん
⋯⋯
⋯⋯
⋯⋯
⋯⋯
——————————————————
ポチッとな。
ということで、ここでオメガちゃんねる、戦乙女チャンネルの配信が突然終了となった。
「ふ~危ない、危ない。配信を切るのを先に言うべきじゃったのに、オメガのせいでつい忘れてしもうてたわい」
「いや、俺のせいっ!?」
しどい!
「当たり前じゃ! お主、ワシが止める寸前に『魔法』の存在を認めようとしてたじゃろが!」
「うっ!?」
バレテーラ。
「え? そ、それって櫻子様⋯⋯やっぱりオメガ君が私たちを救ったときのアレって『魔法』だったんですか?」
亜由美が櫻子の言動に逆算した質問を投げかける。
「フン! なかなか聡いようじゃな、お主。さすが戦乙女のリーダー⋯⋯といったところか。まあよい。その件も含めてお主らにも付き合ってもらうぞ。とりあえず、ワシの近くに来るのじゃ」
「「「「?? は、はい⋯⋯」」」」
櫻子が戦乙女の4人にそう告げると、4人は指示通りに櫻子とタケルのいる場所へと集まる。
「ふむ⋯⋯では移動するぞ。目を瞑れ。お主もじゃ、オメガ」
「あ、ああ⋯⋯」
目を瞑った戦乙女の4人とタケルに囲まれた櫻子はそこで目を深く瞑り、何かに集中するような仕草を見せた後、一度大きく深呼吸をし、そして⋯⋯、
「空間転移!」
シュン⋯⋯!
——その瞬間
俺たちはその場から姿が消した。
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