「自重知らずの異世界転生者-膨大な魔力を引っさげて異世界デビューしたら、規格外過ぎて自重を求められています-」

mitsuzoエンターテインメンツ

文字の大きさ
133 / 145
第三章 騎士学園/騒乱編

133「学園長VSカイト・シュタイナー(2)」

しおりを挟む


「お、お⋯⋯⋯⋯重っも!」
「バ、バカなっ?! このワシの全力の正拳突きを受けて⋯⋯⋯⋯微動だにしない、だとっ!?」

 カイトは学園長の『全力の正拳突き』をその場から一歩も動かず・・・・・・・・・・・完璧に受け止めた。

「ば、化け物め⋯⋯」

 ハンニバルの口から「化け物」という単語が飛び出す。すると、それを聞いた周囲の者たちが、

「「「「「い、今、ハンニバル様の口から『化け物』⋯⋯と?」」」」」

 ハンニバルの言葉に全力で引いていた・・・・・・・・

「ぬぅぅおぉぉぉああぁぁぁぁ~~~~~~~~っ!!!!!」

 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドっ!!!!!

 ハンニバルがさらに重いパンチの連撃を浴びせる。しかし、

「よ! ほ! ほい、ほいっと!」

 カイトがそのハンニバルのパンチすべて・・・を完璧に防いだ。

「ぬぐっ!? ま、まさか、信じ⋯⋯られん⋯⋯っ!」

 バッ!

 そう言うと、ハンニバルは一度カイトから距離を取る。

「ぬぅぅ⋯⋯ま、まさか、ここまでとは⋯⋯」
「⋯⋯どうも」

 ハンニバルの攻撃が、カイトに一発も入らない・・・・・・・という現実に、周囲の者たちから言葉や反応リアクションが完全に消えた。


********************


「どうします、学園長?」
「? どう・・とは?」
「もう、終わりにします?」
「バカ言え! これからじゃろが!」

 おいおい、学園長⋯⋯⋯⋯元気だな。

 スッ⋯⋯。

 そう言って、次に学園長は両手を前に突き出す。

「では、次じゃ、カイト。このワシの全力の魔法攻撃・・・・・・・、見事受け切ってみせよ! ハァァァァ⋯⋯」
「なっ?! こっからさらに魔力が⋯⋯!?」

 学園長が「全力魔法攻撃」を宣言すると、ただでさえデカい魔力がさらに増幅していく。

「おいおい、これだけ増幅させての『全力魔法攻撃』って⋯⋯⋯⋯まさかっ!?」

 俺が、学園長が繰り出そうとしている全力魔法攻撃にアタリ・・・をつけると、

「も、もしかして!? 学園長の『全力魔法攻撃』って⋯⋯⋯⋯超級魔法っ!?」

 イグナスもほぼ同時に、俺が推測したのと同じを導き出し声を上げた。すると、

「正解だ、イグナス! さあ、この中へ入れっ!」
「ケ、ケビン兄さんっ!? こ、これは⋯⋯!」

 ケビンが地面にあった『扉』を開いて、この中に入るよう誘導する。見ると、それは地下へと続く階段・・・・・・・・・・だった。

「地下シェルターだ! さあ、早く中に入れ、巻き込まれるぞ!」
「皆さん! ここに・・・入ってください! 急いでっ!!」

 同時にアルフレッドが皆に『地下シェルター』に急いで入るよう指示を出す。

「な、何なの、これ!?」

 リリアナがその『地下シェルター』を見て怪訝な顔を示す。

「話は後です! 今はとにかくこの中へ! さあ早くっ!!!!」
「皆さん、急いでください!」
「⋯⋯急げ」

 ケビン、アルフレッド、レコ、ゼノといった騎士団の面々が即座に対応した結果、あっという間に全員を地下シェルターへと避難させた。

 全員の避難を確認したハンニバル。そして、

「⋯⋯では行くぞ、カイト?」
「おう!」

 最初の膨大の魔力からさらに増幅させた魔力の塊を、突き出した両手に収束させる。そして、

「風属性超級魔法⋯⋯⋯⋯『暴風迅雷テンペスト』」

 ゴォォォォォォォォォォォーーーっ!!!!

——————————————————

【風属性超級魔法『暴風迅雷テンペスト』】
風速100メートルを超える暴風と雷を伴わせた攻撃(暴風+電撃攻撃)。

——————————————————

 学園長の手から『風速100メートル超の暴風』が凄まじい猛威を奮いながら迫ってきた。しかも、

「え? か、雷⋯⋯?」

 そう⋯⋯よく見ると、その暴風の中はバチバチと激しい雷音が轟いていた。

「やば⋯⋯っ?!『身体強化ビルド』、最大出力っ!!」

 カイトは咄嗟に『身体強化ビルド』を最大出力まで展開。そして、

 ゴォォォォォォォバリバリバリバリバリバリバリっ!!!!!!!!

 学園長の超級魔法『暴風迅雷テンペスト』がカイトへと襲いかかった。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。

久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。 事故は、予想外に起こる。 そして、異世界転移? 転生も。 気がつけば、見たことのない森。 「おーい」 と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。 その時どう行動するのか。 また、その先は……。 初期は、サバイバル。 その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。 有名になって、王都へ。 日本人の常識で突き進む。 そんな感じで、進みます。 ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。 異世界側では、少し非常識かもしれない。 面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

暗殺者から始まる異世界満喫生活

暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。 流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。 しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。 同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。 ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。 新たな生活は異世界を満喫したい。

処理中です...