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最終章
◆最終章あらすじ(ネタバレ注意!ラストまで書いてあるあらすじです)
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主人公・紗季音は、あやかし(興恒という名の妖狐とリンという名の燐火)と同居している女子大生。
興恒とリンには、ないしょで料理の腕をみがいていた紗季音。
紗季音のつくった料理を食べ、美味しいと絶賛する興恒とリン。
紗季音は、これで自分は興恒の恋人であるあやかしとは別の存在であることを証明できたと、興恒に宣言する。
(興恒の恋人であるタヌキのあやかしは、いくらがんばってもおいしい料理をつくることができなかったと聞いているので)
都内のアパートで共同生活をしているうちに、興恒とリンに親しみを抱くようになっていた紗季音ではあるが、
自分は『人間に変身したあやかし』ではなく、単なる一人の人間であることを興恒たちに理解してもらいたかった。
しかし……。
興恒が紗季音に言ったのは、『紗季音の実家に行って彼女の両親から事情を説明してもらう』という、紗季音にとっては寝耳に水の発言。
なぜ、いきなり実家の両親に? と、興恒の目的がまったくわからない紗季音。
『実家にもどる予定はない』と紗季音が答えると興恒は『それならば紗季音の両親にアパートまできてもらおう』と言う。
両親をまきこむつもりはない紗季音だったが、なんと興恒は紗季音の両親とすでに知りあいだった。
あやかしである興恒と、電話で会話する紗季音の両親。
興恒と自分の両親が知りあいであるとわかると、両親に直接会って事情を説明してほしくなる紗季音。
――神奈川県にある紗季音の実家。
自分の家についた紗季音と、興恒とリン。
そこで紗季音は両親からおどろくべき事実を聞かされる。
実は、紗季音の両親は昔、子どもを失っていた。
初めて聞かされる話に紗季音は自分にきょうだいが存在していたことをおどろくが、両親の話はここで終わらなかった。
我が子をなくし絶望する妻を心配するあまり、紗季音の父(本当は血のつながりはなかった、父親的存在の男性)は、紗季音に人間の子どもに変身して、大人になってこの家を巣立つまで娘として生活してほしいと頼んでいたのだった。
現在は夫婦ともに、約束を果たしてくれたタヌキのあやかしである紗季音に大変感謝している。でも、もう私たちの子どものかわりをする必要はない、紗季音には自分の道を歩んでほしいと語る。
そんな話、とても信じられないと言い、紗季音は一人実家をあとにする。
帰り道。突如現れた謎のあやかしと戦うことになってしまう紗季音。
紗季音は、じょじょにみずから封印した、自分の本当の過去の記憶をとりもどしていく。
たしかに紗季音は――人間ではなくあやかしだった。
(それも、タヌキ。タヌキのあやかし……以前はもっときれいな雰囲気のするあやかしに生まれていたら……と思っていたこともあったっけ)
まだ完全にはあやかしだったころの力をとりもどせていない紗季音のもとへ興恒とリンがかけつける。
危機を脱することができた紗季音は、興恒に自分の記憶がもどったことを告げる。
興恒は紗季音を抱きしめる。
あやかしとしての記憶も力も、すべてとりもどしたわけではない紗季音だが、興恒はたとえ過去を思いだすことができなくても、かわらず紗季音を想っていると告げる。
いままでも、これからも。
紗季音と興恒、そしてリンは、自分たちが住むアパート、なつかしの沢樫荘へと帰っていった。
(終)
興恒とリンには、ないしょで料理の腕をみがいていた紗季音。
紗季音のつくった料理を食べ、美味しいと絶賛する興恒とリン。
紗季音は、これで自分は興恒の恋人であるあやかしとは別の存在であることを証明できたと、興恒に宣言する。
(興恒の恋人であるタヌキのあやかしは、いくらがんばってもおいしい料理をつくることができなかったと聞いているので)
都内のアパートで共同生活をしているうちに、興恒とリンに親しみを抱くようになっていた紗季音ではあるが、
自分は『人間に変身したあやかし』ではなく、単なる一人の人間であることを興恒たちに理解してもらいたかった。
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興恒が紗季音に言ったのは、『紗季音の実家に行って彼女の両親から事情を説明してもらう』という、紗季音にとっては寝耳に水の発言。
なぜ、いきなり実家の両親に? と、興恒の目的がまったくわからない紗季音。
『実家にもどる予定はない』と紗季音が答えると興恒は『それならば紗季音の両親にアパートまできてもらおう』と言う。
両親をまきこむつもりはない紗季音だったが、なんと興恒は紗季音の両親とすでに知りあいだった。
あやかしである興恒と、電話で会話する紗季音の両親。
興恒と自分の両親が知りあいであるとわかると、両親に直接会って事情を説明してほしくなる紗季音。
――神奈川県にある紗季音の実家。
自分の家についた紗季音と、興恒とリン。
そこで紗季音は両親からおどろくべき事実を聞かされる。
実は、紗季音の両親は昔、子どもを失っていた。
初めて聞かされる話に紗季音は自分にきょうだいが存在していたことをおどろくが、両親の話はここで終わらなかった。
我が子をなくし絶望する妻を心配するあまり、紗季音の父(本当は血のつながりはなかった、父親的存在の男性)は、紗季音に人間の子どもに変身して、大人になってこの家を巣立つまで娘として生活してほしいと頼んでいたのだった。
現在は夫婦ともに、約束を果たしてくれたタヌキのあやかしである紗季音に大変感謝している。でも、もう私たちの子どものかわりをする必要はない、紗季音には自分の道を歩んでほしいと語る。
そんな話、とても信じられないと言い、紗季音は一人実家をあとにする。
帰り道。突如現れた謎のあやかしと戦うことになってしまう紗季音。
紗季音は、じょじょにみずから封印した、自分の本当の過去の記憶をとりもどしていく。
たしかに紗季音は――人間ではなくあやかしだった。
(それも、タヌキ。タヌキのあやかし……以前はもっときれいな雰囲気のするあやかしに生まれていたら……と思っていたこともあったっけ)
まだ完全にはあやかしだったころの力をとりもどせていない紗季音のもとへ興恒とリンがかけつける。
危機を脱することができた紗季音は、興恒に自分の記憶がもどったことを告げる。
興恒は紗季音を抱きしめる。
あやかしとしての記憶も力も、すべてとりもどしたわけではない紗季音だが、興恒はたとえ過去を思いだすことができなくても、かわらず紗季音を想っていると告げる。
いままでも、これからも。
紗季音と興恒、そしてリンは、自分たちが住むアパート、なつかしの沢樫荘へと帰っていった。
(終)
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