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中等部のころ
《13》
ここは、どこだっけ?
そうだ、ここはあの時だ。
「おーい、ボールそっちに行ったぞー」
「分かったぁ」
子供たちの声が聞こえる
夕方の公園だ
僕は遊ぶ友達を眺めていたんだ
困り顔のお兄さんが声をかけてきて
大きな木の影に一緒に行ったんだ
お兄さんは自分のズボンの中に手を入れてて
僕に言ったんだ
【君の可愛いの見せて】
なんの事か分からなくて
【触りたい】
って言われたんだ
何だか嫌な気持ちになって
〖嫌だ〗
って言ったんだ
そうしたら僕のズボンと下着を
怒ったみたいにずらして下ろした
【可愛い可愛い…たまらない】
【小さくて良い】
ってはあはあ言ってて
気持ち悪かった
僕のに触ってきて
たまらなく嫌で
どうしようかと思ってたら
友達の声が近くで聞こえて
お兄さんが慌ててどこかに逃げてった
僕も急いで服を直したけど
ぐわんぐわんして気持ち悪かった
誰にも言えなかった
「はっ……」
目を開けて見たさきは見慣れ始めてきた天井だった。全身に汗をかいていて心臓がドクドクいっている。呼吸も苦しくて肩で息をしていたみたいだ。
「あ……夢……」
(最近は見てなかったんだけどな…)
たまに、思い出したかのように見るこの夢。昔、里葉がまだ9才くらいの時に実際に体験した夢だ。その当時は何が何だか分からなかった里葉、嫌だ気持ち悪いとしか思わなかったが、誰にも話さない方が良いと感じていた。今なら分かっている、里葉は悪戯されたのだ。
喉が渇いた里葉はリビングに水を飲みに行く。リビングには進がいた。
「よぉ……ってお前…大丈夫かよ……すげぇ顔色」
「え?……あー……うん……」
まだよく頭が回らない、今ではあの時の事を思い出そうとすると霞みがかっていて現実味が無い。しかしながら夢で見るとハッキリしていて、体も現実だったと訴えてくる。気分も悪くなる。
「おい、汗もすげぇぞ……具合悪いのか?」
「う……ん……ごめ……ちょっ……水…」
「俺がやる、座ってろよ」
(なんか……優しいな…)
大人しく座る里葉、進はせっせっと世話をやいてくれている。
「ほら、水……今まで寝てたのか?」
「ごくごく……はぁ……あーうん。寝てたみたい…今何時?」
「夜の9時」
「いつ寝たっけ……覚えてないな…」
「まじ、大丈夫なのかよ…変なことに巻き込まれてないよな?」
「へ?あー……大丈夫。今じゃないから昔……」
咄嗟に言葉を切った。寝起きのぼぅっとした頭だといえども失敗した。これ以上はややこしくなるので話したくなかった。
「は?何……おま……なんか……あるのか?」
「ないよ。昔から時々、変な夢見るだけ…」
「お前……話さないからな…この間の上級生は大丈夫だったのかよ」
「え?なんで知ってるの…」
「俺、風紀なんだけど」
「え!そうなの!?風紀とか……やるんだ…」
「何気に失礼だぞ…父さんや兄貴にも言われてるし…お前、ちっこいし…」
「進くん、いい加減お前って…」
「うるっさいな…本当、減らず口…一人でフラフラすんなよ!」
「しないよ……白井学園出身の子に…色々聞いたし…不本意だけど…僕、背ぇ低いし…」
「それだけじゃないけどさ……山岡も心配してた」
「あぁ……助けてくれた人…そっかS組で風紀か…進くんと同じか…」
「進くんって……お前こそ辞めろよ…こそばゆい」
「え?面倒臭いなぁ…じゃあ進、親衛隊について詳しい?」
「おぉ…なんでだよ。親衛隊に何か言われたのかよ」
「違うよ、入ったら何すんのかーとか…どうすれば入れるのかーとか…」
進が見たことないような顔で止まっている。腑抜けた顔だ。
「は、はぁ!?え……はぁ!?」
「煩いなぁ…あ、そうそう親衛隊って入ったら皆が皆、生徒会とヤラシイ事しないといけないのかなぁ…知ってる?」
「………………」
(あれ?進が顔赤くしてる…)
「聞いてる?」
「ば、ばっっか!!なんつー…」
「山岡くんは親衛隊入るの進めてるみたいだったけど…違ったかなぁ…」
衝撃を受けた顔をして進が体を翻し部屋から出て行ってしまった。
「え……なにごと……」
一人取り残された里葉は呆気にとられた。
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