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高等部のころ
《45》
央歌の計らいにより緋縁と会えた。元気そうな顔を見れてほっとした。隣には怖い顔した生徒会長様がピッタリくっ付いていたが。
「ありがとうございました」
可愛らしい笑顔だったが唇の横が切れていて痛々しい。足首も包帯がされていて歩き方がヒョコヒョコしている。里葉の胃がぎゅっとなった。
それから会長と緋縁の仲を気にしたり、テストがあったり、央歌との仲を進展させることがドギマギしてしまう里葉は色んな理由をつけて現状維持の状態を保っていた。
毎朝の恒例、親衛隊の生徒会を見守るイベントをこなし教室に向かう。廊下を歩いていると声を掛けられた。
「あ!ねぇねぇ……君ってぇ親衛隊でしょ?」
「あ……ショウ様…………はい…えと…なんでしょうかぁ?」
即席ぶりっ子。
(流石、僕だ。年季が入っている…)
「山岡がさぁ……君のこと紹介してくれないんだよねぇ~」
鮫島 将(さめじま しょう)生徒会の会計をしているチャラ男だ。
「え…………」
咄嗟に央歌の名前に反応してしまった。
「あーこの間の顔だぁ~。ひよちゃん…緋縁ちゃんの事件の時に生徒会室に来たでしょ?あん時のさぁえーと森ちゃんの雰囲気!親衛隊では見かけなかったから気になっちゃってね~」
「え、えぇ~僕ですかぁ~?」
「またまたぁ~。ねぇ……そんなに色っぽいのさ……山岡とは遊んでるの?本気?……つーか、俺と1回どう?」
(げ、こいつ……)
「え、あーと。えへへ……ショウ様…どうしたんですかぁ?僕、穏健派なので……それに…前隊長の件があるのでぇ…皆と少し大人しくしてようねって話してたんですよ……だから…ショウ様とお話してる所見られるだけで僕……」
「えー!いいじゃーん。俺には関係ないしぃ」
(本当に!こいつ!!)
「あー困りますぅ~」
「サト!!」
「あ…………」
「あ"~山岡……」
央歌が廊下の反対側から走ってくる。
「くっそ……もぅ見つかった…ヒーローぶりやがってぇ~……」
「オータ……」
央歌の顔を見て明らかにホッとする里葉。
「ちぇ~何その反応ぉ~……」
「やぁ鮫島。サトに何の用事?」
「なんで、いちいち山岡に言わなくちゃいけないんだよ!」
「え?当たり前でしょ」
「怖いわっ!ねぇ、森ちゃん。コイツ怖いやつだよ?辞めときなよ~俺と楽しく遊ばない?」
「あはは……」
「鮫島、何言ってんの?俺は優しいよ」
うんうんと頷く里葉。
「え"……優しいやつは自分で言わないんだよ……森ちゃん、生徒会にも居るけどさぁ…怖いやつほど自分は優しいってほざくんだよ。知ってる?」
「え…………」
「その点、俺は裏表ないよ~最初から遊ぼぉってちゃんと言ってるし」
「そんな事胸張って言えないよ、鮫島」
「あ、あの……この状況……僕……非常に不味いので……誰かに見られたら…」
「ごめんね、そうだよね。授業も始まるし行こうねサト…」
「あー!やっぱり美味しいところもってくよなぁ」
「鮫島」
「こわっ!笑顔こわっ!」
里葉はちょいちょいと央歌の袖を引っ張る。小声でコソコソ伝える。
「あの、僕は……オータ…怖くっても良いよ」
驚き目を開く央歌。
「優しいのは……本当だし…僕、助けられてるし」
カラーンカラーン
「あ、授業始まっちゃう。僕行くね」
軽快に走って行ってしまう里葉、残された央歌はやり逃げされた感覚だ。
「ぷぷ……生殺しされてる…ひよちゃんと言い、森ちゃんと言い、振り回し小悪魔系は大変ですな」
「うるさいよっ」
「あはー山岡のそんな顔初めて見た。これはこれで気分良いなぁ」
「黙って、サトに近付くな!」
「はいはい……ここまで本気とは…怖い怖い」
(ちっ……くそっ……こいつに言われるなんて……)
里葉は知らなかった、央歌のイケナイスイッチを押してしまっていたとは。
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