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練習 ☆8

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 ぅ ん


  んん    ん ?


私の「中」から アレが 抜けたのが わかる。

ボーッとしている あたまで。


 ここは   ああ  うん  森?

   いや  マシュマロ の  うえ かな


「考える」でもなく そう 「浮かぶ」

  みどり と 白の カケラ

 
しかし「思考」を徹底的に流す、その目的に対して。

あの金の河はきちんと仕事をしているのだろう。


なにしろ私に「不都合」は、無い。

とりあえずは融けている自分の「かたち」を
取り戻そうと、ただなんとなく自分を集合 させていた。









 いや  でも。

 やっぱり 「しすぎ なんじゃ ないか」

   「交わりそれは いけないこと」

         「はしたない こと」

           「求めては いけないもの」



 フワリ  フワリと。

「意識」が戻って来るに 連れ

共に浮かび上がる 小さな けれどもしつこい 澱


 それを見てると 解るけど。


私は 「満たされては いけない」と。
思って いるんだ。


交わりそれ」は いけないこと だと。
「こっそり」「ひっそり」「内緒で」
「影で 主導権を渡し 行われるもの」。

そう強くこびり着いているのが わかる。


流れて 流されて
  癒され 満たされて   揺らされている時は
 とてつもなく心地良くて。

 「そんなこと」を 思い出す暇も ないのだけど
しかしきっと

 「通常」「意識」「思考」「頭」へ

 戻ってしまったならば 再び浮き上がる それ


確かに「いつかは」無くなるんだろうけど。


 それって。  いつ なんだろうか。


 確かに 「私が流そうとしている もの」は

 「言葉で 言い表せる程の ものでは ない」のだけれど。

  
  「深く」「暗く」「黒く」「重い」それ
  確かに時間が かかるのも 頷けるのだ。

その 「いろ」を 改めて 目に映して しまうと。





「うーーーーーーーん。」

別に、いつまでも「このまま」でも
なんら不都合は無い様な、気がしなくも、ない。

多分、いや 確実に。
私が「満たされれば」、自分が外へ飛び出して行く性格なのは 知っているから。

 だから まあ   ある程度

 「このまま」でも ?

 別に  なんら  「不都合」なく ない?


 いや ある  ない  
          いや  あるな???

 流石に ずっと  「」なのは

   ちょっと 私的に?

いやいや  彼的にも  どう  なん だ ???


「吾輩、別に困りはせぬが。」

「 へっ」

「まあ、しかし。「無限」という事は、あるまい。流石にそれは有限であろう。」

「まあ……………そう、だよね………?」


確かに。
私がいくら、「持つもの」が 多いとしても。
流石にそれは 「無限」では、ない。

でも。

今は、まだここにいたいという自分の思い
それはもしかしたら。

これが 解消しない から? なのかな??


ぐるぐる ぐるぐると回り始めた私の「思考」が
見えるのだろう。

小さく溜息を吐いた彼は、私を抱き寄せながらゆっくりと こう言った。


「それはな。「癖」なのだ。そう、「思考」が「導かれる様にされた 癖」。お前達は「そういう世界」に生きていたからな。」


 ほ う ?

        成る程?

くるりと金の瞳に向き直り、座り直そうとしたが
手が離れる様子はない。

とりあえず、抱かれたまま。
向きだけ変えて、金色の胸板をペチペチとしていた。
まだ彼が話そうとしているのが、解ったからだ。


「だからこそ、染み付いているそれを徹底的に修正せねばならぬのだ。そもそも交わる事が「間違い」ならば。お前達は続かぬだろうに。」

 「  ぁ  うん  そうです ね?」


確かに そうだ。

「頭で考えているうちは、何も解決せぬ。まずは、溺れる事だな?」

「え」

そのまま唇を塞がれ、金色の濁流が
流れ込んで くる。


 え  ちょっ  と  

      まっ  て       さっき


   いや?  

      した    よね??



しかし、そのまま有無を言わせぬ金の河の流れは
激しさを増して。

 
 「  ぁっ」

そのまま再び 「ブワリ」と 「みどり」に

  変容した 私は。


 その ひかり を   風 を

    水を    焔  を。


  余す事なく 受けよう と 

 自らを 拡げ   ただ 待っていたので ある。









「   ん?」

パッチリと 目が覚めた。

「  あれ?」

彼はいない。

私は マシュマロの 上に。  ひとり


「  ふむ。   ふむ?」


さっき。

「何回目」かは わからないけど

「みどり」になった  わたし。


「なん、か。………「限界」、超えると「みどりになる」のかなぁ………。」


なんとなく、そう思って自分の身体を確認してみる。

「確認」とは言っても、少し動かして「具合を見る」程度だけど。


「ふむ?」

思ったより、身体的に負担は無く そう「重く」はない。

初めの頃、自分の身体もよく、分からなくて
何もかもが「初めて」だった私はある意味「加減」が分からなかったのだろう。

最初の頃こそ、「ぐったり」「ヘロヘロ」に
なっていたけれど。

この頃は、なんでか「限界」を感じると身体が勝手に「みどり」に変化するのである。

そうして「余す事なく」、彼からの「栄養」を受け取って。


「なんか………みどりと私が………分けあってる?いや、私がみどりなんだから??うん???」

よく、その辺りは分からないけど。


この間、レナの店で帰り際に「あんた、よくわね?」と。
言われた意味は、これだったのだろうか。


「  ふむ?」

しかしなにしろ、私はまだきっと
「流しきれていない」し 「満たされてもいない」のだろう。


 「こんなに のに?」

 「どんだけ」 「いつまで?」とも。

思わなくも、ないんだけど。



「…………でも。ぶっちゃけ、負担でもないし、幸せ………なんだよ、なぁ………。」


最初の頃、身体がヘトヘトになった以外、私の身体にそう負担は、ない。

「全くない」と言えば 嘘になるけど。


 だって やっぱり  ちょっとは 疲れるし
 「達する」と しんなり しちゃうし
 それでまた 少しして ムズムズしたりすると
 また スルッと 挿れてくるけど
 気持ちいいけど
 でも また「昇る」には 体力が 
 ちょっと 少し  まだ 足りないというか

 うむ。



「ふぅん?」

「ヒッ!」

いきなり声がして、パッと羽衣に隠れる。

そう 口に出しては、いないけど。

何故だか、ここ最近 私の「頭の中が丸見え状態」で。

気まずい様な、微妙な色で チラリと羽衣を上げ
覗き見る。


「ずっと交わっているからな。お前の中は、ほぼ吾輩の色で満たされている故。「繋がっている」様な、ものだ。」

「  ふぇ?」

 いや
 なんと なく  知ってた けど。


 割と  

 うん    「都合」 は  いいん だけど。



そう、私達は きっと 今  「ほぼ繋がって」いて。

ある意味 「筒抜け」なのだけど、それは私にとって
「助け」でも あって。

繋がって挿れられて」いる時。


 「どこが」「どう」「どのくらいの」

   「強さ」「速さ」 「加減」

   「もっと」  「どこに」

 「いつ」  「そろそろ」。


口に出さなくとも 全部 わかる から。



「  ぅっ、まあ、うん、だね ??」


そうして、訳の分からぬ返事を して。

とりあえずは、くるりと後ろを向いて自分を落ち着かせる事にしたので ある。
うむ。




   



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