透明の「扉」を開けて

美黎

文字の大きさ
1,955 / 2,047
23の扉 新世紀

新しい風

しおりを挟む

  ただ 
  吹いてくる風を 気持ちよく味わえること

   「ここに在る意味」は
     ほんとうにそれだけで 良くて。


「   あぁ~ 平和。 」

 そう呟きながらもくるりと振り返り、
  少し後ろをゆっくりと歩く リュディアの姿を 観る。

「  うん。」

「なぁに?どうしたのよ?」

「 いや。」

 そんな私を見て クスリと笑う彼女の「美しく束ねられた紺色の髪」は
 サラサラと風に靡いて。
その
 が に揺れる様も また気持ち良くて
 そのまんま、石段をポンポンと降り
 少し涼しくなってきたラピスの空気を じっくりと 味わう。


「うーん、平和?…そうね、確かにヨルから見れば。どこも、平和なんでしょうね。」

「    まあ、 そうだね。 ここからだもん、みんな 。」

「そう言われると安心するわ。今日も楽しみだし。」

「   ふふ、なんだろうね、揃って呼ばれるなんて。 珍しい。」


 今日は久しぶりにエローラに呼び出されて。

これまた久しぶりのリュディアと二人、連れ立って
 青の館から水色の店まで テクテクと歩いている途中だ。


 あれから 順調に「自分の矢印の上を歩いている私」は。

日々の「変わらぬ、生活」を粛々とこなし
 着実に自分の道を 創っているし
「今日の呼び出し」もきっと 「その体感を掴む為に起こるなにか提示」で
そこへ行けば「自分が何を積んできたか」が 観える筈だ。

 だから 「ポンポンと弾みながら降りる自分」と
 「静かに降りているリュディア」の距離が 離れすぎない様にしながら。

広場へ繋がる道に出るまで ペースを調整しながらも
 心のままに 弾んでいたんだ。









   うん?

 あれ?

     これって  もしかして

   いや もしかしなくとも?


   まさか てか

   やっぱり、  もしか して ?


 えっ リュディアも  そう思う?

    やっぱ 「そう」だよね?


   あ レナ、知ってるでしょ

  なるほど 鋭いもんな

   確かに「姉さん達」 ふむ

   
   なんか 「懐かしい」なぁ ~


  うんうん  かわいいだろうなぁ

    「赤ちゃん」 。


     うん  そっかぁ


  てか  ホント

   「時が経つの」? って 早いな?

 えっ?「遅いくらい」だって? ウソ

 いや 「私の体内時間」「縮尺」がおかしいのか
  うん、でも 
    なんだっけ そうじゃなくて

 ああ そう「スパンの違い」よ  そう

   「創ってるもの」が ちと 違うから

    そうねぇー  

        しかし  子供かぁ~


    かぁわいいだろうな~~


    うんうん



「  おめでとう!」

「ありがと。」
「良かったね~。シャルム待望の子だわね~。」
「あの人は口に出さないけどね。」
「らしいわ。」

「ま、でも元気そうで良かった。そうかなぁ、って思ってから会ってなかったから。」
「一応ね、店に出れない日もあったから大事を取って。」
「うん、それがいいよ。」



    そうね~   そうか~

    成る程 「子供」。


   「私が」
        「私も」?


   うむ  「私が 子供を生む」
  確かに「産みたくは ある」な

    でも「今じゃない」のよね まだ

   もっと なんだろ

   「平和」って言うか「調和」に
    多分 「生まれない」

      うん


   そう なんか

  「私のタイミング」が まだ

    それなのよ
           うん


 んで   そうね

   やっぱり。


  「時間」 「時代」?
  その「自分年表の進み具合」が
    大分「世界周り」と 違うんだわ


 あ でも  「長く生きる」なら「当然そうなる」のか

   ふーん?

  でも  それって

    「実際」?  どう  なるんだろう


   まあ  「なるようになる」んだけど 。



「…………………ヨル?」

「この子はいいわよ。放っときなさい。まあ、何しろ良かったわね。意外と遅かったから、作る気ないのかと思ってたわ。」

「まぁね。ここラピスはみんな、早いもの。私も意識してなかった訳じゃないけど、店もあるし、従業員も初めて雇うしで大変だったんでしょうね…なんか今思えば、それも大分昔の事みたいに感じるけど。」

「私の結婚式からも、もう二年だもの。うちだって煩いわよ。でも造船所の子供達が可愛くて。それで満足しちゃうのがいけないのかしら。」

「リュディアらしいわね。二人とも道具に一番関心があるからじゃない?」

「…………そうね…子供が産まれたら、時間も減るし。なにしろ、エローラはおめでとう。いつ産まれるの?」

「次の春かな。暑いのがひと段落して、大分体も楽になった。本当にこのまま暑かったら無理かと思ったわ。」

「お腹にいるだけで自分も暑がりになるらしいものね?うちにも最近、妊婦さん多いのよ。」
「へぇ?本当?」

 
 夏用にディスプレイされた明るい店内へ入った時、
 確かに「いつもと違う空気」が 流れていたんだ。

そして直ぐに「エローラの変化」に気付いた私は
 リュディアとアイコンタクトをし、
そこに相槌を打つレナの瞳で「予想」が「確信」に変わると
 笑顔で 「おめでとう」を言って。

 そのまんま ニコニコで「時間とスペースのくるくる」を眺めながら
  「新しく宿る生命」と
  「時が齎す変化というギフト」に、
「いろんな いろ」を浮かべて 幸せな気持ちに浸って いた。



   そう ね

    そう か


   「赤ちゃん」ね 。


       うん「子供」か

   ふむ。



  それについて 早速「スペースを廻り始めている いろ」

 それもまた 「いろんないろ」が あって。


   あの
  「懐かしい」といろは
   未だ「一番濃いディーのいろ」だし
   しかし「何処かの私のいろ」でもあって

  「の私」は 産んだことはないけれど。


    なんだろうか

  でも
    「ちゃんと廻ってる生まれ変わっている」のは わかるから

  それでいいし
  それが いいし


    「時間が解決する部分」って 言うけど。


  でも  そうか 

   成る程?

   「時間」も また「自分」

  て言うか「ただ流れるもの」じゃなくて
   「自分で積む進めるもの」だから
  
  成る程「消化できて」 「今ここ」、 そうね


    確かに。

  
  「それもまた 美しいいろ」になって

    ぜんぶ 「ある」もん なぁ 。




 思えば
 「現実世界」の 中、
  ずっとずっと ただ「流れる季節」を 感じて。

  「この思いいろ」に「どんな意味があるんだろう」
  何故 これいろは私を突き動かすのだろうか、と
 「わからないまま進んでいた自分」がこの地点真ん中だとクリアに観えて

  「その理由なかみ理解できる観れる自分」は
  ずっと遠くに来たことが わかる。


      なるほど ?


 そう、「エローラの祝福のいろ」に 誘われて。

 は 自分の持つ「スペースの深い部分」に
  どっぷりと浸りせかいを浚っているし
 だからこそ、「ずっと抱えていた焦燥感の分解」
  それが 起こっているのだ。


「   そう か。」

 だから その「大切な部分」を
  正確に 正しく今の位置で視る為に。

   静かに息を 吐いて 吸って

 一旦 自分を 
     ゆっくりと くうにしたんだ。




しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

妻の遺品を整理していたら

家紋武範
恋愛
妻の遺品整理。 片づけていくとそこには彼女の名前が記入済みの離婚届があった。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

処理中です...