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24の扉 クリスタル
透明
しおりを挟む「自分」から
限りなく「不純物」を 取り除いたならば。
「意識」は 「ほぼわたし」に なり
「体」は 向こう側が透けそうな程「透明」になって
光を含むから、
あらゆるものを ありのまま映す
「純粋な私を通した景色」になって。
「世界のすべて」がクリアに観えるから
最終的に「個々のいろが輝く世界」が観れるんだろう。
「 なんか。 そんな気がするよね。 そんで私のクリスタルなら、「青」かな。 いや その日によっても違うしな、やっぱり「アレ」か 「すべてを含んだ透明」。 だからありのままを映し出すし 何をも通す。」
ふむ。
あれから
そう、「私の一番欲しかったもの」が わかってから。
「私のなかみ」は ぐんとすっきりしていて
時折「迷い」はあれど
その「迷い」が長く続くことはなく、「その本質を掘れば直ぐ光に変わることを知っているから」
何事も 軽く考えることができて
「それ」が「体の透明化」に直通しているのが わかる。
そう 元々 「私達は意識」だから。
その「くくり」「含んでいる情報」
「発露」「意思という動力部分」が本質であり
「体はそれを行使するためのもの」で
本来「すべては思う様にコントロールできる」のだ。
だから「思う様に行動できて」
「思う様な結果が創れる」。
もし それが「思い通りにいかない」ならば
「私と世界の間に何らかの齟齬があって」
「それを解明 修正すれば そのかたちに出来るし」
「今の最高を創ることができる」。
そう、「タイミングはある」から
「すべてが直通」ではないけれど
「そもそもは空なのだから」
「屑石も金になり得るのだ」。
そういう意味で 錬金術は合っていて
確かに屑石という「すべてを含んだもの」を
「一つだけの要素に絞り込む」ことは 出来るんだろう。
「石」「人間」「空」「海」「大地」
目を瞑って「その境界」を取り払って視れば。
「私達は共通」で
「すべては同じところから来ている」し
「だから同じ術で含んでいて」
「そうなれるのが わかる」。
ただ「個」という己が それを許していないだけで。
それを手放したならば 直ぐに
すべての中へ霧散して行けるんだろう。
「 だからですね。 「私」が 「私」であるからには、こうして「色」が出ちゃうこともある訳で てか、こんだけ透明だったら別に良くないですか?」
そうやって「くるくるスペースを廻しながら」。
私がブツブツと言っているのは 本部長の書斎の中で
今日は彼からの要望を叶える為に、「私達の間にあるズレ」を解消しに来ている。
そして
「その要望」とは
「私の石を 道具を作るのに使いたい」という要望で
彼の作りたい物に適した石を調整しているところだ。
「取引に使うものなら何も問題無いんだがな。俺が今欲しいのは「純粋に映せるもの」だ。…色が、特に「お前の色」が着いてると、見ている者を揺さぶる可能性が高いからな。」
だがしかし この人は相変わらず難易度が高いことを
普通に言ってくる。
「 揺さぶる 」
「そうだ。「大袈裟に見える」、若しくは「感動的」?多分、お前の見え方だとそんな感じだろう?」
「 えっ ふむ 」
それは 否めない気もする。
「 じゃあちょっと待って下さい。 考えてみる。」
「ああ。」
多分、本部長が言っているのは
「私の世界は明度が高い」
若しくは「普通よりも鮮やか」
そんな話で、
確かにそれは思い当たるし、だから私は「石が創れる」のだ。
そう それは「存在に起因する話」で
「すべてを含む透明」且つ「含む色のチカラが強い」から「そうなる」のだろうけど
だが 今求められているのは純粋な透明
そういうことだ。
「 ふむ 」
多分
なんも考えずに クリアで 在れば。
「いける」 うん
朝とか?
そうね
"まっさらな時"、創ってみるか
う~ん
そうね その「状況」
それが含まれちゃうからな
だから「外に出ると」?
「その条件」が加算されて 「色が着く」
でもそれも綺麗だと思うんだよね~
「その瞬間の色」
うん
だから感動するんだしな~
いや でも 「今はそれじゃない」んだった
でも。
そうね 。
だから。
「この景色を観れば 創れる」とか
「この状況ならいける」とかじゃなくて
"私のなかみが限りなくクリアならば"
出来る ってこと
そうだよね
「見た目は同じ透明に見えても」
「そのなかみは異なること」
「それを構成するのは「無限」だから」
「それぞれが無限ということ」
「 やっぱり、「どうやってそれを創るか」じゃなくて。 「その時の気分」、なんですよ。 多分、「その方法を具体的に編み出しちゃうと」それもまた色が着いて「透明」に 成らない。」
その、こたえを聞いて。
本部長は珍しく作業の手を止めこっちを見ているけれど
案の定 眉間には皺が寄っている。
「…………ああ、理解したくはないが、お前を見てるとそれがそうだろうな、とは思うな。…成る程?」
「 だから安定して一定数を創るのは諦めて下さい。 う~ん? でも、世界がもっと上がってきたら多分、量も増えるんだろうけど。」
「………成る程………しかし…あれは 」
同じ様な条件 状況 前提 に見えても
「ほんとう」はすべて違っているし
それぞれ目に見えない範囲で世界は自由だ。
雲が 集まり雨を降らせる理由
空が何故青く見えるのか
虹が出る理由
海に波がある 理由。
確かにどの現象も
その理由を「物質的側面から説明すると」、
沢山の事柄が起き その結果として「そうなっていることがわかる」。
だけど「ほんとう」は 至極単純 シンプルで。
「世界」は遍くものたちが美しく循環する様に
「そう創られている」、それだけだ。
そして
だから「雨の降る理由」も
「そこに必要だから降る」のであって
雲が集まり粒同士が云々、という理由ではない。
それは「一部の側面」であり
「何故の理由」ではなくて
「ほんとうは何が起きているのか」のヒントでしかないのだ。
だからそれを「一定の型」に嵌めてしまうと
途端に世界は色褪せてしまい、本来の無限を失う。
「 だから、「私の石」も それと同じで 大きく観れば「今はそれ程必要ない」ってことなんじゃないですか。 そうね。 今、数出すのはまだ早いしな。」
そうやって勝手に結論付けた私の言葉に
彼は黙って頷いているけれど。
これできっと「必要なところに必要が行き渡る」様にしてくれるだろうし
さっき言った様に世界が落ち着いてくれば
石はもっと出来る筈だ。
そう、それもまた「天の采配」で
必要な時に
必要なだけ
そうなる様に できている。
"本来 世界は無限に美しいものである"
あの時感じた「世界ってそんなものじゃない」、という感覚を生かすのは
やはり「無限の感覚」で
圧倒的に「理屈」ではなく
「感覚」なのだ。
「 うん。 じゃあ、私 行きますね?」
「………ああ、また呼ぶ。」
「 呼ぶんかい 」
だから
こちらに視線を向けずにそう言った彼の
「いつもの姿」に 安心して。
白い書斎の扉を そっと閉じたので ある。
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