透明の「扉」を開けて

美黎

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7の扉 グロッシュラー

結局

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「結局お前はそうやって、一人飛び立って行くものなのかもしれないな。」


その夜、私達のふわりと白い星が掛るベッドでの事。


天蓋状に降りる白い生地は銀糸金糸で刺繍が施され、窓からの薄い光が星の様になって見える。

ウトウトしながらそれを眺めていると、急にそんな事を言い出す隣の金の石。

一体、どうしたのだろうか。


「あ。」

そういえば。

結局、ちゃんと説明してないんだっけ?
なんか…笑われて?そこから……??うん?


少し、ぐるぐる考えてみたけれど確かにきちんと話が着地していなかったかもしれない。


思い返せば。
一人、何か納得して星を飛ばしていただけかもしれない。

しかも。

何に、納得したんだっけ?

「みんな自由でいい」だっけな?

私の「扉」が?うん?神と可能性は関係無いんだっけ??



ふわふわの白い布団と、お風呂上がりのホカホカ、そして極め付けに金色のふわふわに包まれている私の頭は、そう、いい仕事はしなかった。

ただ、自分の妄想を垂れ流していただけだ。


「あのね………。勿論、私はいつも、勝手にフラフラしてるし、なんかやらかしたりとか、するんだけど。」

ちょっと。
撫でられると余計眠いんですけど………。

心地よい手の感触と、ゆっくりと髪を梳くその動きが相まって、相当まずい。
頑張って頭を立ち上がらせようとするが、多分心地よいベッドでズルズル這っている程度の働きだ。


「「変わりたい」っていうのは。結局のところ、「私達」の為なんだよ。そう、それ。そう思ったの。あの、祭祀の時もそうだし、いずれ、扉の中のものと「私達」が、対峙しなきゃいけなくなる………気が、する………んだよね。」

うーん。

「だから………。もっと、視野を広げて、強く、なって。気焔よりもキラキラしたいし、だってなんで私より綺麗なの?なんか………負けたくないし、それに。」


「あなたと同じものに、なりたいんだよ。私は。」


、すれば。きっと、………ずっと、一緒に……………いられる、んじゃない?」


「結局ね……………自分の、ため…………なんだよ。我儘なの………。嫌いにならないでね………?」


「……………うーん。」












「…………寝たの?」

「多分。」


今日は雲が厚いのか。

部屋の中はいつもより暗くて、私もウトウトしながらいつもの窓辺で、依るの半分寝言を聞いてたんだけど。


薄く光る金色が、部屋の中でポワッと明るくなった。

嬉しいのかしら。
アレ。

まぁ、そうよね。


あの、石が。

唯一、求めているものから「ずっと一緒にいたい」なんて、言われたんだから。

でもあの子それ言ったこと覚えてるかしら?
まぁ、本心だろうからポロっと出てきたんだろうけど。



イストリアの所で、どんな話が出たのかは分からない。

でも帰ってきた時、あの子は上機嫌で反対に気焔は微妙な顔、してた。


まあ、でも。

知ってるから、私。


何にせよ、依るが。
ゴキゲンだったら、万事解決するって事。

あの石は、悩ませとけばいい。
色々、あんでしょ、多分。

それでもあの子が、笑っていれば。

最終的に、みんなが、笑顔になる。



そう、決まってるのよね。そう、昔から。





だから私も、考えるのを止めて頭を下ろした。
もう、寝よ寝よ。

あの、金色も私が寝た方がいいでしょ。
ゆっくり、眺めるといいわ?

まあ、程々に、ね?





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