透明の「扉」を開けて

美黎

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8の扉 デヴァイ

白昼夢

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   なにも    ない


何も無い 空間


ただただ 黒く 深い

これは 闇だろうか  それとも

黒い 部屋 か  空間 なのだろうか。




ここは  どこ?

でも。

気配がする。


あの   私の

私の  あの人の 気配が。



この 真っ暗闇の どこかに   いるのだろうか

 いいや   いる。



探さなくては。

待ってる きっと。



何も 一つの光も 

自分の手すら  見えないけれど


あの 金色の瞳を想えば。

怖くは ない。




あの人の溶け込む この 空間

きっと  私の気配も。



もしかしたら 気が付いていないだろうか。

でも




    そこまで 彼が
 
            残って いるだろうか。



私の カケラを


 見つけられる程の  


   どうしたって

 私を  求める  彼の  一部 でも。



     残されて  いるのだろうか






長い 長い  年月が 経った筈だ

あの

あの子の。

子供の 子供に  出会える程には。




この 広く 狭く  拡がる 闇

この 闇に取り囲まれた  


 この 世界で。


私は 彼を    見つけ出さなければ ならない



そうして

この

この  「繋がりのない 輪」を

終わらせる



それが きっと

 私 の


役目なのだろう。




さあ、手伝って?

あなたの金色も  見えないこの 闇の中

でも。

きっと 

まだ  身体がある

まだ  繋がっている


      貴方達  なら。




きっと、見つけられる。



そうして  この 世界にも 「光」を。


それは 全てが望む  「光」


当たり前の様に 「ある」ものだが

ここには「ない」   それ


    を。


取り戻す  ために。





さあ  目を  醒まして?

出番よ

交代だ


ああ  どちらだろう


  わたし  あなた  

  私  あの子 と


いいえ   間違えては いけない

  私は  行くことが でき ない




だから


この  白い 銀と水色の混じった 髪

青く そして 金にも光る  瞳

似ているけれど  違う  この子 に


そう  あの人も この 金 色が



いいや。 そうだ


が  繋がって


   
     「この子」に。



それなら   必ず    


   判る  はずだ   


    小さくなって しまっていても

    見えなくなって しまっていても



必ず。

会えると。


そう  「約束」したのだから。





起きて?

じかんよ?  目を



     醒まし   て















ぐっと、握られている手に力が入った。


に気が付くと、意識が戻って来たのが、分かる。


うん?

あれ?

今、何?夢?

夜?起きてる、よね?歩いて  る  し??



どうやら少し、何処かへ行っていたらしい私の頭の中はやや混乱していた。

しかし、握られている手が、熱くなってきて。

時折、背中に添えられる手が、優しい。


ああ、そうだ。

デヴァイへ行く扉を潜ったんだっけ…………。




どのくらい意識を飛ばしていたのかは分からない。

辺りも見えないし、繋いでいる手が温かい事だけが。

「私」が「今」、「ここにいる」事の、確かな証拠だ。


まあ、それならある意味いつもの事か………。


そう思うと、何だか気軽になってきて見えないけれど辺りを見渡し始めた。




真っ暗の、闇。

でも。

闇って。


「黒」は「ある」んだよね?

「闇」だとしても。

その、「闇」は「ある」訳で。


「なんにもない」訳じゃ、なくて。



「ふぅん?」

呟いて、歩く。


熱くもない、寒くもない。
風も無いし、足元は硬くも柔らかくもなくて。


でも、「ない」ものは、確実に解って。


「あの人」

「長」


あの、金色の、瞳。

私の金と、少し違う金の瞳を求めている。
それだけは、分かる。



そして何故だか、この空間が。

「デヴァイ」である事も、解って。


私は私を、拡げていた。

薄く、長く。

遠くまで、探せる様に細く。







「そろそろだ。」

しかし、ウイントフークの声が聞こえて。

は、途切れ中断される。



仕方が無いだろう。

また、機会はある。




そうして繋がりを切ると、意識を前に戻した。


そして見え始めた、小さな光に向かって。

全員で、進んで行ったのだ。





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