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8の扉 デヴァイ
枯渇
しおりを挟む淋しい
辛い 暗い
寒い 疲れた
悲しい
でも
やらなきゃ
私しか いない
でも
疲れた 辛い
擦り切れて もう
でも やらなきゃ
でも
もう
もう
足りなくなって しまったよ
枯渇して しまったんだよ
もう
なに も
私
し か
あ あ
どこか
でも どこかに
きっと。
「…………う ん………。」
寝て、いるのか。
目が覚めて、いる のか
「うぅん?」
とてつもない淋しさが襲って来て、本能的に耳に手をやった。
「どうした?大丈夫か?」
「…………うん。多分。」
怪し気な返事をした私をギュッと包み込むと、そのまま温めてくれる、金色。
こうして、いれば。
多分。
大丈夫、だと 思うんだけ ど?
「…………いや。うん?合ってる、けど、ちょっと違うな………??」
時折短く注ぎ込まれる金色に、満たされては、きている。
しかし。
それではなくて。
こうじゃ、なくて。
「なにか」が 足りないのだ。
でも。
それが、「なに」かは、解らない。
「うぅ~~んん??」
唸り声に、心配そうに顔を覗き込む金色。
その深く美しい金を眺めていると、どうでも良くなってしまうから、いけない。
「いかん。」
とりあえず再び懐に潜り込んで、考えてみる事にした。
なんだろうな…………?
ぐるぐる、渦巻く?
この、モヤモヤ…………?
不安?
不満?
ストレス??
でも、確か。
「足りない」って。
言ってた、から金色が来て…………あばばばば。
話がズレるわ………。
えっと…………
「足りなくなって」?
「枯渇」?
枯渇って、乾くみたいな事だよね??
うん?
グロッシュラー??
いや、違うな…………多分。
「私」だ。
覚えが、ある。
この感じは。
あの時に、似ているのだ。
あの、ディディエライトが私の中に沁み込んできてエルバの所へ向かった様な、そんな。
そんな、感じ…………。
「、って、ことは?」
なにか。
しなきゃいけないって事か。
いや、「しなきゃいけない」とかじゃ、ないんだけど。
「自分の為」に。
「した方がいい」こと、なんだ。
「うーーーん?でも?「足りない」から??「足す?」何を??」
一人ブツブツ言っている私の髪を梳き始めた金色。
眠くなるからやめて欲しいのだけど、気持ちいいのが難点だ。
その心地良さに抗いながら、再び続きを考え始めた。
「えっ?でも。これも?考えて、分かる内容かなぁ………。」
無意識に金の瞳に問い掛けていた。
別に答えを期待していた訳じゃないけど。
しかし、意外にも金の瞳は少しだけ色を変え細まると、再び強い色で私をじっと見てこう言った。
「その時が、来れば。また、自ずと解ろうよ。しかし………」
「うん?しかし?」
珍しく言い淀む金色に続きを促すが、口を噤んでしまった。
そうしてただ、私をじっと見ている彼がなんだかいつもと違って見えて注意深く観察する。
「まさか。」
「なんだ。」
「ううん、いいや…………。」
なんか、これ。
あの、千里が言ってた事に関係あるんじゃないの…………。
えーーーー。
嫌な、予感。
少しだけドキドキして、再び温かい胸に顔を埋めた。
とりあえずの元気をチャージする作戦だ。
腹が減っては、戦はできぬだもんね………。
いや、戦う訳じゃないのよ、そう。
私は。
全部 を
みんな を
………うん?
「戦う」んじゃなくて、「仲良く」「取り込む」「蝶」…………
「あっ。」
「どう、した?」
「ううん、なんでもない。」
そうか。
小さな溜息を吐いて再び髪を梳き始めた金色は、もう放っておく事にしたのだろう。
再びぐるぐると呟きを始めた私を時折覗き込みながら、薄い金の焔で包んだ。
そう、多分「あれ」は。
「私のなかみ」の「誰」だか「どれ」だか、分からないけど。
多分「置いていけないもの」の一種で。
だからきっと、謳うか、蝶にして飛ばすか、なにか。
「うん?でも、そのまま。飛ばして、いいのかな?」
できれば。
「満たして」から、飛ばしてあげたい。
「でもな?あれって「過去」とかでしょ?あれ?でもその辺りの辻褄的にはなんかもう、どうなってるのか分かんないからな………。ま、いっか。」
とりあえず、「満たして」。
溢れるくらい、もう絶対、笑っちゃうくらい。
いっぱいにして、飛ばせば。
謳えば。
「うん、多分、いやきっと。大丈夫、だ。」
それなら?
どう、する??
うーーーん?
「でも確かに、今は。分かんないかも。」
どうすれば、「満たされる」のか。
それが、分からないのだ。
でもきっと、急ぐ事じゃないのだろう。
なんだか、そんな気はする。
ずっとずっと、長い、間。
きっと彷徨っていた「想い」なんだ。
そう簡単にはいかないかも知れないし、何よりも。
私が、じっくりと満たしたいのだ。
ある、意味。
私の「なかみ」も。
あの、子供達と「おんなじ」なのだろう。
きっと時間が、かかる。
だから、祈るし。
そう、祭祀だってやるって言ってた。
それで「とんでもなく美しい星空」が、見れたならば。
「うん、なんか分かんないけど。それが、良い気がする。」
「そう、お前が。いい、と思う道が、良いのだ。」
キッパリと後押しをしてくれるその金の瞳を再び、見上げる。
近づいて来たその美し過ぎる色に、一瞬だけ、躊躇したけれど。
とりあえず、ぐるぐるの続きは「溢れる程満たされてから」に、する事にしたのである。
なによりも、「今」「私が」「満たされる」ことの大切さが、何故だか解っていたからだ。
そうして再び、自分で分かるくらい、ピッカピカにされるまでは。
たっぷりと、注ぎ込まれたのである。
うむ。
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