透明の「扉」を開けて

美黎

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8の扉 デヴァイ 再

外からの者

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「ウイントフークさん、宇宙人って。いると、思います?」

「宇宙人とは?なんだ?」

「えっと、ここじゃない星?何処かから来た、特殊な能力を持つ………??うん?宇宙人の定義ってなんだろうな………。」


「ある。」

「えっ?!ホントですか???」

「お前だ。」

「え 」

いやいや いや?

え ?  でも?

 あながち 「間違い」じゃ ない のか ???



「失礼」な様な、「納得」の 様な。

そんな微妙な返事にぐるぐるしながら、頭は「あの光」の事へ戻っていた。
私が何故本部長にこんな質問をしているのかと、言うと。

あの 「練度の高い」、しかし闇へと引き摺り込もうと「意図して」いる、光。

 それは 何故

そう考えた時、思い付いたのが「違う意図の光」なのではないか、という事だ。


そう 私は きっと「地球の光」

ここに 遊びに 
    楽しみに 

 沢山の 「鮮やかな いろ」を 
    経験しに来たのだけれど。

結局最後は に 戻る

きっとそれが目的の筈なのだ。


   『あるべき処へ 還る』

いつも何処かで 響く この「想い」


多分「今の私」の考えからすれば、そうなのだと思う。


でもあの魂は「練度が高い」くせに、手出しをし闇を増やす
それはルール違反 
余計なこと

そんな光の目的はもしかしたら「そもそも論」なのかと、思った。

「意図が違う」「持つものが 違う」
「性質が違う」 そう、思わなければ。
辻褄が合わない。

いや、辻褄が合わなくともいいのだけれど
私の「なかみ」は「いや、違う」と言っているのだ。

 辻褄が合わないのは 違う」と。


直感で そう思う

「辻褄が合わない」にも 色々あって。

わかる「辻褄が合わない」と
わからない「辻褄が合わない」

私が理解できない、「今 解らない」だけなのか
それとも「本当に 違う」のか。
そもそも「本当に違う」の定義は。


 「直感」「魂の声」「心の声」「周りの声」

複雑に絡み合う 「どれも本当」の 中で。


何やらこんがらがるけれど、それはきっとなんだ。

人によって違う「本当」を、私は見極めなければいけないのだから。


でも。

   「あの 練度の高い光は 違う」

私の「真ん中」は そう言っている。


「なんだろうな、でも。やっぱり「いろ」が、違うのかなぁ………。」


でも「いろ」と言うより「性質」が違うのかも知れない。

ここ、扉の中は正確に言えば「地球」では、ないのかも知れないけど
きっと私の「範囲」では、ある。

それはなんだか「いろ」の「質」的なものが同じなので、わかる。

 「基礎」「ベース」「調律」「波長」

種類や色が違えど、根底にある「いろ」は同じ

そんな気がする。
でも、なんだかあの「いろ」は。


「………そもそもの、が違う気がするんだよね………???」

今、考えても分からないのだろうけど。


ふと、音のする方へ視線を滑らせ本部長が既に小部屋へ引っ込んだ事を知る。

私がブツブツ言い始めた時点で、あの人はさっさと引っ込んだのだろう。


 て いうか さ?
 そもそも?

  宇宙人?  扉の なか?  地球???

 私達 って。

 どっから どこまで が 「本当」 なんだ ろう か。

 どこから  どこまで が

  私の「想像」? 「妄想」? 「物語」? で。

 なにが  「現実」?


 でも。


 「出会ってきた 光」 「それぞれの 世界」

   「出来事」  「想い」 「祈り」

 「チカラ」  「石達」  

色々な事が、あったけど。

「それ」が全部「妄想」?「想像」?


「…………いや、はないな。少なくとも「私の本当」では、あって。やっぱり「次元が違う」………のか、「点在する瞬間」なの、か…………わかんないけど。「ある」、よ。ある。うん。」

とりあえず、私も部屋へ帰ろう。

自分の振り返りを締め括って頷き、「それ」が「私の本当」「真ん中」とズレがないことを確認すると、なんだか少しスッキリした。

しかし、「疑問」は解決していない。


「ま、また「その時」が来れば分かるかぁ………。」

そうして「ポイ」と、ぐるぐる沼を放り投げた私は。
どうせ聞いちゃいないだろうと思いつつも「失礼しまーす」と、書斎を後にしたのである。






「ごちそうさま、今日も美味しかったよ。」

「あ、ありがとうございます。」

トレーをシリーに渡して、カウンター内のみんなにも手を振る。

「下げるのは、やりますよ…?」

「ううん、いいのいいの。みんな忙しいでしょ?私、意外と暇だし?」

クスクスと笑うシリーの飴色の瞳が、優しく細まるのを見て釣られて笑顔になる。

その瞬間、ふと、胸の中にフワリと懐かしい色が
湧き上がって。

そのまま黙って食堂を出て、ブラブラと青縞の廊下を歩いて、いた。


あの後「世界のこと」をぼんやりと考えながら、廊下を出たのだが
自然と魔女部屋へ向かった足、ぐるぐるの方向性は迷子になっていて。
全く関係無い、ハーブ達とボーッと戯れていたら夕食の時間になった。

そうしてそのまま美味しいご飯を食べ、すっかりとぐるぐるは何処かへ行っていたのだけど。
あの優しい飴色を見て、ふと思い出したのだ。


 そういや シリーは いつ?
 帰れる?
 ザフラに 会える ?

   世界  繋がる   戻る

 みんな   一緒に 暮らす

勿論、私は そうする だけど。


「………こっちの時間って。どう、なってるんだろうな?」

この頃の私に、「時間の感覚」は殆ど、無い。

「跳んでいる」感覚が強いのもあるし、狭間から見たみんなの様子はやっぱりなんだか「現実味」は、薄く感じられて。

「解る」のだけど「のめり込む」事はない
楽だけれど 「薄い」感覚
「自由」に 何処へでも行ける 「いつでも」行ける
そんな感じ だから。


しかしきっと。

もう、「デヴァイ」へ戻ったならばあの空気は重く感じられ、息はし辛いのだろう。

 「行けなくはない」が 蔓延る「違和感」

 「流れ」の 違い  「周囲との 圧倒的なズレ」

それはなんとなく、今予測しただけでも わかる。


「…………ふむ?シリーに訊いてみれば良かったかなぁ………。」

でも。

「どのくらい時間が経ったと思う?」なんて。

まだ、帰れない状況ではやはり、訊き辛い。

きっと世界は繋がるし、繋げるし、繋げられるんだ、ろうけど。


「いつ、とは言えないからなぁ………時間の感覚が普通の人と違っちゃってる可能性も、否定できない………。」

今度イストリアにでも訊いてみたらいいだろうか。

うん?本部長でも いいな………


そうしていつも通り、独り言を言いながらテクテクと歩いていると
いつの間にか青い扉を通り過ぎ正面の白い扉の前に、いた。
礼拝室の扉だ。

とりあえずそのまま、開ける。

 ついでに 祈れば。

 「繋がる」時間が 早まる? かも?

そんな想いも抱きつつ、白く美しい空間に足を踏み入れた。
今はもう、夕食後の夜だけれど。

変わらず白く輝くこの部屋は、私を四方から照らし「なかみ」の澱を際立たせると共に「分離」も促してくれるらしい。

光に照らされた「澱」の部分が。

次第にくっきりと浮かび上がって、ホロリと私の「なか」から剥がれ落ちたからだ。


「…………新しい、な。」

祭壇の手前まで進んでいた私の目の前に、ゴロリと転がる灰汁、それはやはり歪なカタチをした鈍い塊である。

丁度、小さな人型の様なそれ灰汁
それが表すものは、きっと。

私の抱える「今は 答えの出ない疑問」

 「なんとなく 違和感のある 光」
 「黒い光に対する 憤り」
 「解消しきれていない あの色」

そんな様な ごった煮感のある、「いろ」で。

じっと見つめていたそれを、無意識に「混沌の鍋」へ放り込もうとしたがここは礼拝室である。
鍋があるのは、魔女部屋だ。

 さて?
 これを ? どう して くれよう か。


なんだかじっと、それ灰汁を見つめてみたけれど
以前よりかは「マシ」になっている気がしなくもない、灰汁。

灰汁は灰汁でも、「スッキリ感」のある、灰汁。

そんなのある?と自分で思いつつも、「いろ」が純度を上げているのが、解る。
なんとなくだけれど、「薄い」のだ。

以前の 灰汁 よりも。


「…………ふむ?」

感覚で、ヒョイと手を振り上げ灰汁を浮かせ
正面にある白く小さな扉を開ける。

思った通り、その開いた扉からは真っ白な光
眩しくも落ち着いたその「ひかり」に 向かって。

何故だか私は 灰汁を。

ヒョイとそこへ、放り込んだ。



 え 大丈夫かな…………。

「大丈夫」だとは思って、やったけど。

いきなり不安になって、じっと閉じた扉を見る。

一瞬強く光った扉は「知っている」様に。
光と共にその灰汁を飲み込んでそのまま静かに閉じ、今はきっと「光に煮られている」様な状態の筈である。

 私の 予想が。 正しければ。


でも 多分 なんでか わかんないけど。

 「あれ」は 「混沌の鍋」と 同じで

 「私の 創造物」

だから。

 「悪い様には ならない」し

 なんなら きっと。

 「素敵なもの」が 生まれる筈なんだ。


いつも「祈り」を聴いて 「石」を 生み出して

 くれるように  きっと 「灰汁」でも。


 「なにか」は できる。


それは から。


「…………でも。「なに」が、出てくるのか結構楽しみ、かも…………でも変なの出てきたらどうしよ…。」

ぐるぐると考えが巡るが、おかしなものが出たとしても
それはそれであの人本部長が喜びそうでは、ある。

「ふむ?なら、いいか?」

迷走する頭、そうこうしている間に。

扉から、薄い光が漏れてきた。
きっともうすぐ、開く筈だ。


 えっ  どうしよ ホントに 変なもの でて きたら ??


やや不安になるものの、「期待」と「面白さ」の方が、勝つ。

やはり、あの「神聖な扉」から「なに」が
 出てくるのか。

それは私も、とても気になるからだ。


「えっ」

すると、ポン  ポポン  と。

弾ける様に、小さな星屑が扉から漏れ始め
それは、少しずつ量が増え出し扉を内側から押し開けそうである。

 なに が 出て   くる ?

フワリ、ブワリと膨張する扉、内側から押し上げる光。
柔らかくはない、筈なのだけど。

その不思議な動きを見ながら、何故だか私の頭の中には。

 「生きているもの」が 出て くる

それが頭の中を、回っていて。

 多分 それは 「本当」
 でも 「なにか」 ? 「違う」 な?


感じるいつもと違う気配、静かな礼拝室に生まれた「生きている 光」の気配。

 「石」? 「生きてる 石」?

そんなの ある だろう か?
いや ある な???


私の頭が迷走している間に、「カチ」と音がして
パッと光が溢れ扉が開いた事が、知れる。

「えっ、うわっ。」

しかし、「ポポン」と 飛び出して来たのは。


 白い光  鮮やかな いろ

  勢い   飛んで  「ポン」と しかし。

 「何事も無かった様に」、祭壇に鎮座して いる。


「えっ?…………石?だよ、ね…………???」


それ」は。

確かに、見た目は石なのだけど。

ヨークのガラスの様に鮮やかな色と美しさ、しかし渦巻くそのチカラが。

「生きている 石」なのだと。

自ら、私に訴えてくる様な石だったので ある。













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