透明の「扉」を開けて

美黎

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8の扉 デヴァイ 再

私の中での「女性性」

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 もし。

あなたの夢に なにか 「光の様なもの」や
 
 「天使の様なもの」「女神の様なもの」が 降り立っても。


 それは 「夢」だと 思わないで欲しい。

それはきっと いつでも空にある「星」で「光」で「愛」で、そっと見守っている「なにか」だから。

また 上を向いて歩き出せる「なにか」
そっと星屑を降らせる「なにか」だから。

 だから どんな寂しい夜でも。

 心を温かくして 目を瞑って 欲しいんだ。


 いつでも ただ 空で光って いるから。

 ただ「すべて」に 祈る ために。








あれから時折、深夜徘徊をしている私は
この頃上機嫌では、ある。

少しだけ心配の目をした金色はしかし、言って止めるとも思っていないのだろう。
白に何かを言い含め、週に何度か出掛けることは許されていた。

しかし、この頃「時間」という感覚が薄い私からしてみれば、「夜中」かどうかはあまり関係ない様だ。

ここ神域にいると 特に。

眠いとか、生活のサイクル、リズムというものが
私の「意思」に委ねられている事が多く、「思った時に」「そうする」のが、一番良いのである。


しかしあれからお腹が空く感覚は戻る様になり、みんなを心配させない事も含め 食事は摂る様にしている。
それでも多分、一日一回 程度だけど。

でも 私が戻るとスピリット達が嬉しそうだし、朝は小言を言いながらも機嫌が良い。
イストリアからの細々した報告や私の小さな相談、本部長の観察する視線、紫色のニヤニヤした圧。

それら全てを受け、ある意味「チャージ」をして神域へ戻ると
私もなんだか調子がいいのだ。

きっとみんなが。
私に「愛」を送ってくれているに違いない。

本部長なんかは 否定するだろうけど。

しかし、やはり「気にかけてもらう」というのは
なかなかどうしてきっと、私には「応援」になっているのだろう。

それもきっと「想い」で「愛」で
しかし「重く」はなく
細やかな 爽やかな 微笑みの 見守る「愛」だ。


「ふむ。なにしろ兎に角。いい感じで、ある。」

とりあえず、一つだけ心配していた「夢にオバケが出る」という噂にはならずに済んで。
ホッと、安心したのである。




そんなある日、「びったびったの金色」に染まった私は
起き出して自分の出立ちを見て。

なんだか、微妙な気分に包まれて いた。


 うっわ  なんか 今 屋根裏うえ行ったら

  確実に 「神」イケる  

 しかし これ  どう なの どうなんだ

   大丈夫か   私だけ  光過ぎ? じゃない??

 でもな みんなは「まず私が」って 言ってくれる
 確かに 「それは そう」
 「みどり」になって どこも いい感じ

 でもまだ 下は  「暗い」

 
   いつ   どのくらい    どう


 きっかけ     なにが

    「その時」は      いつ ?



ぐるぐる ぐるぐると。

「沼」までは行かぬが自分が暗いサイクルに入り始めたのが、分かって。


とりあえずぴっかぴっかの びったびったなのは、しょうがない。
イストリアなら 大丈夫だろう。

 うん 多分 ちょっと 恥ずかしい けど 
 まあ  今更 感?


そうして とりあえず。
早朝なのは解っていたが、支度をして外へ出る
事にしたのである。




「 ぅ わ 」

この時間にホールに来るのは初めてだ。

薄く、光が通った早朝の空気
 少し冷たい 緊張
   プランターで休む スピリット
    窓の端に停まる 蝶達。

そっと現れたつもりだったけど、蝶が何羽か私に気が付いて。

フワリと飛び立ち、徐々に数が増えて きた。


 う わ   これ クセになりそう。

静かで少し、張った空気に緩やかに舞う 蝶
 徐々に増えた色 数

それが連隊を組み 三つの色がそれぞれホールの空気を 掻き混ぜる様に。

「静」の空気を「動」へ
「夜」の気配を「朝」へ

動かし 始めた。


大小の蝶 その中に光るは 発光か 鱗粉か
徐々に明るくなってきたホール
それは朝の光なのか もしかして 蝶の? 
 ひかり なの ??

いつの間にか 胸に当てた手

そのまま朝のホールを味わう私の前に
窓から色とりどりの鳥達が 気配を感じ入って くる。


 凄い。 

   これが 「エネルギー」「チカラ」

 「自然」  「見えない なにか」

この子達は 元はこの空間を漂う「見えない なにか」それを形つくったのは 私の「チカラ」か「光」

それがこうして 美しく列をなし 舞うこと
「見える」と こんなに「美しい」こと
「チカラ」が満ち溢れるのが わかる こと。


 ああ         やはり。

 「場」は 満ちてきている。

それが、とてもよく わかる。


後は。    もしかしたら 「時」?


チラリと浮かんだ その言葉
それを確かめるべく。

「ありがとう。」

スピリット達に手を振って、大きな扉へ入って行ったのだ。



「そうだね。確かに。なんだろうけど。」

朝食には少し早いこの時間、しかしスピリット達は私の気配を察しマシロが食堂でお茶の支度をしてくれていた。

元気よくイリスに起こされただろうイストリアは、ニコニコしながら私の前に座っているけれど。
まだ、眠かったろうか。


そんな事を考えていると、「大丈夫」という様に
私の前のカップを手で示す。

そうして何故だか「私の蝶」についての話をし始めたのだ。

「さっき、ここ食堂へ入った時。君が「何故君なのか」解った気がしたんだよ。いや、知ってるのだけど、また改めて「解った」と言うか。君がいつも、言っている様なものだね。」

「?」

首を傾げ、カップを持つ手を止める私に
目で促すイストリア。
その瞳は優しく、細まってなんとも言えない暖かさが伝わってくる。

「いやね?その「性質」というか「特性」の事だけれど。」

「君は君で、もう一度自分について「捉え直す」必要があるのかも知れないね。きっと色んな面に対して、良い効果がある筈だ。この前、朝君も言っていたけれど君は「女神」だ。それは間違いないよ。ああ、うん、そう、分かるんだけど。だから「みんなが思う君」と「君が思う君」に乖離がある。今、自分がどの地点にいて、どう、なのか。もう一度捉え直し、始めればまた変化するだろうね。なにしろ君は君に、もう少し「自覚」を持った方がいい。あえて「自信」ではなく「自覚」と、言うけどね。」

「   。」

  
  「自覚」。 って
 なんだ  ろう か ? ? ?

「あのね、普通は。その場にいる、人間一人一人にそこまで同調しないんだ。、と言い換えてもいい。そうしてその「場」、全てを読み「調整」していたなら。それは疲れるだろうし、ここまで開いてしまった君が降りる事で勝手に為される浄化、それもまた繋がっていれば大丈夫なのだろうけど。それとこれとは、別だよ。際限なくあるからどこまでも勝手に使えばいい、それは以前の在り方と同じだ。君は軸に、ならなくとも良い。」

目だけで、頷く。
なんとなく イストリアの言いたい事が分かってきたからだ。

「だからこそ、君は上で。空で、みんなを見守りその、「自覚」を持つ事だね。それでいいんだ。んだよ。これからはスピリットが良い助けになるだろう。君がここへいるのを見た時、蝶達が周りを囲んでいて。君を守り、君から力を受け、また増えていた。結局「そういう事」だろうし、スピリットの様子を見て把握し、同調し、世界と君をもっと合わせる事で、見えてくるもの。それがきっと、あるのだろうね。私達には見えないなにか、君が次へと進むステップ、世界とは、理とは、全ては「なにが どうなっているのか」。」

「君はそれを「知る為」に、旅をしているのじゃ、ないかなあ。」

 
 拡がる 宇宙  せかいは   どこへ。

  なに で  どうして  


       私 みんな


    「すべて」は  ある のか。


 その イストリアの言葉から 発した光
 
  キラリ  ふわりと 舞ったカケラは

    そのままピタリと 動きを止めて。


くるくると舞い降りた カケラ達の静止
私の「なか」は 白く静かで。

ただイストリアに貰った言葉の「ひかり」だけが
私の「かたち」の中に、静かに吸い込まれて ゆく。


 「私の こと」「私は なに で」

  「どんなもの で」「今 どこにいて」

   「何処へ 向かって いるのか」。


 自分の場所を きちんと 確認する
 照らし合わせる
 「せかい」と 同調して 自分の「場所」を
 確認する。


それぞれが 違う 世界 視点  様々な角度
しかしその、中でも。

 「せかい」「すべて」「源」は同じで
 その中に含まれる 「私達」

その「ぜんぶ」の中での 私の「位置」。

それを きちんと見なきゃ いけないんだ。


 じゃなきゃ。
 わからない から。

 「自分が なに」で
 「何処へ行けば いいのか」。


わかった 知った、つもりだったけど。

この人が そう言うって 事はまだ。
ズレてるんだ 私 が。


  
 「再調整」「微調整」  「位置」

   「確認」  「照らし合わせる」

 「せかい」   「スピリット」

  「エネルギー」  「チカラ」 「流れ」


新しい色のカケラがくるくると 舞って。

その「準備」に入ったのが  わかる。



「   なん か。 ありがとう ございます。」

「いやいや、なに。それも全て、私達に還るのだから。循環だし、結局得なのだよ。全てにとって、ね。」


イストリアに言われた言葉を、無意識に「かたち」へ放り込み
自分の「型」に嵌めない様 ただ手元のカップを
見つめる。

そうして、そのまま。

暫し この人がくれた「」の「創造」の時間を。

カケラ達を自由に舞わせながら 味わっていたのである。







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