透明の「扉」を開けて

美黎

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5の扉 再びのラピス 森へ

心の準備と 行き先 方向性

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なんか。

この なんでもない 時間 とか

  瞬間 とか


 この 静かな空気とか
   いや あの二人は喋ってるんだけど


隣のティラナは 静かにしているし
ステンドグラスからの光は 例え様もなく 美しくて
照らされる 白いヴェール
 少し褪せた でも神聖な空気を纏う 人形神

  私達 だけ

   「切り取られた」この 空間で

 なんでもない  静かな

 でも  「清浄な」  「空気」

   「時間」  「瞬間」   「余裕」


       「余白」


   「隙間」    「くう」の時間


 そう  きっと  そんな時が。


  「創造」の 「瞬間」。



忙しなく、廻る世界

 枠の中 あくせくと 働く 人達

  その「中にいなければならない」と 思っている 私達は。


 きっと こんな「瞬間」を 作り辛いんだ。


目の前で話す二人を遠くに見つめながら そんな事を考えて いた。




 私が 「今 人形神を やる 意味」

 「私だけが  創造できる 瞬間」。


多分 「それ」を 創り 見せる ことが。


 きっと「今の私」の 仕事 最善。


「なにができる」「どうする」って。
いつも、すぐに走り出そうとして しまうけど。

多分 きっと 私の「やること」「あること」「在り方」って

 「そんなこと」「そう なる」こと。


「ふむ。」

何がどうなって、「そうなる」のかは ぶっちゃけ「その時」にならないと、分からないけど。

 でも いつも なんだ。


「用意されて」出てくるものではなく
「そうしよう」と思って 「そうなる」ものでもなく

 「その時」「その瞬間」「自然と湧き上がる なにか」。


「あ。」

それって あの 「長老の言ってた アレ」に
 似てる な??


そう「感動や尊敬」は 「そうさせられる」ものではなく
    自然と 湧き上がるもの

  畏敬の念を抱かせる なにか
     
 それはきっと。


 「すべて」と 繋がっているから こそ
 「それ」を感じる 
      感じた 
      感じられた 人々が
 共有する 「なにか」で。


やはり「ぜんぶ」に「すべて」に、と思っているからこそ「降る もの」

「今の私」の最善を。

なにしろ願って、当日を迎えるしか ない。


「まあ、いつでも「出たとこ勝負」よ。」

「なに、言ってんのよ。収拾のつく事態にしろとは、言いたいけど。「エローラの結婚式」だから、ねぇ…………。」

遠い目をした飼い猫に、かける言葉が見つからない飼い主とは。

 如何に。

「まあ、ヨルは。自由にして、いいよ。後の事は、僕がなんとかするから。」

「えっ」

 そう  言われちゃうと な??


いつの間にか話が終わっていたらしい二人が、私達の前のベンチに腰掛けている。

気付くと隣では フワフワの茶髪がコクコクと眠そうに揺れているし、時間はきっともう昼過ぎだろう。

眠そうなティラナに昼食の気遣いをさせるのはいけない。

「とりあえず、じゃあ。そういう、事で。」

「うん、また来るだろう?特に打ち合わせなんかは要らないと思うけれど、気になる事があればいつでもおいで。」

「はい、ありがとうございます。」

そう言って、私達 数が増えた三人は。

とりあえず教会を後にし、森へ帰る事にしたのである。






 なにしろ 「満ちて」「エローラの結婚式」を。

 「最高」のものに する。


「えっ、どうやって「気合いが入り過ぎない様に」しよう???」

「あんた、ねぇ…………。」

朝に溜息を吐かれながらも、歩く 森の道中
これは 私にとって。

中々、重大な 問題である。

 どう 考えても

   「気合いが入り過ぎる」のは。

 「止められない」、気がするのである。


「えっ」

  ホントに。   どう   する???


「でも、で、いいって思ったんだし?   いっか、それで。」

「そう、あっさり言われても一抹の不安が残るわね。でも、まあ。私達にはどうしようも 無いんだけど。」

 はい。  すいません。


前科者の私 
いつだって それを最前列で見てきた 朝としては。

至極最もな 意見でもある。
うむ。

「なにしろとりあえず。頼んだ、わよ。」

「  」

無言の金色がいるが、どうした事だろうか。

 「任せろ」くらい  言っても。

   いいんじゃ  ない の  。


しかし、半分「楽しそうな」瞳がチラリとこちらを見たから いけない。

とりあえず、すぐに目を逸らして。
「もう 戻る」という朝を見送って行く事に、したのである。




 うーーーん    でも。

     なん か。


 これまでの様に

 ただ ただ 「垂れ流す」  って言うとアレだけど

  「無意識に 放出する」って 言うよりは。


 「私なりの エローラ色」「祝福のいろ」

 「お祝いの 光」 「成長した 私の光」

  そんなのが。

  降ると いい な ???


「ふむ?成長、しているからきっと「できる」、そうなので あって ?」

なんとなく、その考えに至った 帰りの散歩道

あの瞳の「いろ」から逃げて暫く 私は。

 まだ 「エローラの結婚式」について

 想いを馳せて いた。

 うん、考え過ぎると いけないとも 思って
 解って るんだ けど。

 
「いやしかし。「エローラの結婚式」という、ワード、その内容。これが危険過ぎるのよ。」

そんな 意味不明の言い訳をしつつも、頭の中と私の「なか」の「方向性」が纏まりかけて、少し。


「あ。」

小さな花が集まって咲いている、「小花畑」を発見して
そこで「色」をチャージする事に した。

なにしろ「花嫁色」を集めたい 私にとって
 この可愛い花達は格好の 餌食 いやちがう

「素材?」

である。

「ふむ。ならばこの可憐さを取り入れて、可憐な色を降らせる…………うーむ。」

なんだか頭がこんがらがって きて。

とりあえず、近くの岩に腰を落ち着ける事にした。



 可愛いらしい 花達   

     沢山の 緑  小さな雑草
 長い草  
      枝振りの良い木々   
         
     少し遠くに見える 美しく白い 花。


「うーーーむ。美しい。美しい、のだよ。」

なにしろ美しいものを 見れば。

 私の 「なか」も 整理されて 

   「ポン」って  なにか 「ヒント」が。


 出てくると  思ってたんだ  けど ??


自分でも「何が気になっているのか」、分からなくなって立ち上がる。
そうして、大きく伸びを して。

「は    ぁ  」

息を吐いて、草の中に寝転んだ。


 あー  でも   もうすぐ夕方 ?

    お腹空い  て   ない?  る?

 いや それにしても ここに来てからも
 そんな お腹  空かない かも。


神域に居た頃は、ある意味「あれ金色」が
栄養源だったから
ここでも、そう変わりはないのかも 知れないけれど。

ここでは「からだ」に重点を置いて、成長したい私は食事についてもきちんと気を付ける様にはしていた。

 
しかし、きちんと摂る様にしているのは一食だけで 後は気の付いた時に、合えば摂るくらいである。

 朝の 持ってきてくれるパン
 時折 シリーも来てくれるし
 小さな畑は ザフラも面倒見てくれる
  いやいや 任せきりじゃ ないけど うん

その、「自分で全てを手配する食事」が初めての 私は。

「食べるものの大切さ」や、「自分の体を 作るもの」「食べる物の いろ」「体に取り入れられる エネルギー」そんなものにも、気付く様になって。


「そう、その「成長」?「細かさ」?いや、細かさって言うとなんか違うな  。」

その、私が以前よりも「きっと美しく現せるだろう いろ」を表現したいのかも、知れない。


「うん。なにしろ、もっと。なんて言うか、繊細なのよ。」

 そう これまで「バーン」と 「ドーン」と。

 「チカラ」任せに やった 様な
 「勢い」みたいな 感じじゃ なくて。


「いやいや、これまでもちゃんと、心は込めてたのよ?うん、でもじゃなくて。なんだろうな  。」


 私の「変化」  「無」 「くう

   「隙間」  「無限」

   「言葉は無くとも 伝わる なにか」みたいな。

 なにか あの 

 「この世のものとは思えない 美しい光」より

 更に上の 「ひかり」

 「多色」なだけじゃ なくて。


 「繊細」  「緻密」「芯」  「儚さ」

   「清さ」  「清涼」  「慈愛」

  「透明」  「ひかり」  
                「揺らぎ」 


   「  


    
「ああ、か。」


 くるくる  くるくると 廻るカケラ達の中

キラキラと舞い落ちてきた  飛び切りのカケラ

それが「カチリ」と あるべき場所に 嵌って。

  わたしの「今の正解」「光達からの プレゼント」
  「啓示」が  やってきたんだ。


そう
 そうか 


 私 は 「見えない なにか」「見えないもの達」と

 「共同創造」するんだ。


この、「私がありったけの 愛を込めれる結婚式」で、初めて。

 「意図して」 んだ。


 この 一世一代の 晴れ舞台

    「エローラの 結婚式」で。





暮れゆく空を 背景に 
目の 前をまだキラキラと舞うカケラ達
 それを目に映しながらも私の「なか」は 「ピタリ」と停止 していて。

 なにしろ その「気付き」「啓示」を
  「実行する」、その段階が来たことに
 心がさわさわしていて まだ落ち着かないのだ。


いや 「楽しみ」なんだけど。
「嬉しい」んだけど。


 でも きっと そう「見えないもの達」は

 この 「森」であって 「みどり」で
 「風や光」で 
 私が日々 親しんでいる「私の光以外の なにか」で。


「えっ、ねえ、みんな。呼んだら、来て くれる?ラピスの、街なんだけど、教会なんだけど。私の、大切な大切な。友達の結婚式なんだ。絶対、最高の結婚式なの。私がいなくても、そうなんだけどそれに「お祝い」を、したいんだ。一緒に「とびきりの結婚式」を、創造。して、くれるかな ??」


 その 時。

タイミング良く「ピーッ」と 鳴いた鳥の声
 橙の空を横切る 大きな黒い羽の影

「アンカー?」と一瞬思ったけれど あれは 違う。

 そう きっとあれは「了承」の 返事


この タイミング 私の 仲間
 もう 私の「なか」でもある 「この森」の「なにか」

 「それ」が 私に「応えてくれたんだ」と
 「思った」から。

なんだ。



「えっ、なんか。どう、しよう。いや、やるんだけど頑張るけど?いやいや、気負いは一切、要らないけど?  しかし。うむ。」

そう、応えてくれた 嬉しさと
この「壮大なスケールの なにか」、森のチカラ
それと「共同創造する」結婚式。

流石に「どうしよう?」と 思うのは仕方が無いと思う。

 いや それも。

 私の懐で スッキリ しっかり 凪いで
  うん。


「そろそろ、終わったか?」

「あ、う、うん。まあ、そうね?」

謎に混乱しそうになった所で、タイミング良く迎えが来た。

ある意味 「知ってた」のかも 知れないけど。


「なんか。うん、なんか、凄くなりそう。」

「うん?それは、良かった、と言うべきか。」

なんとなく疑問系の金色を他所に、私の胸のスイッチは「ワクワク」にカチリと 切り替わって。

足取りも軽く、森の家へと吸い寄せられて行く。


「いや、こっちだ。」
「えっ」

しかし、やはりスキップで道を逸れそうになっていた私を戻す 腕
その力強い腕に、引っ張られながらも。

 私の 「なか」は すっかり

  「結婚式 いろ」に 染まっていたので ある。

うむ。





  


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