透明の「扉」を開けて

美黎

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5の扉 再びのラピス 森へ

サイクル 2

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そう きっと、その「意味」は。

 「その 「試し」も 天の慈悲の内 だということ」

 私達は 「守られ」「育まれて」いて
 その「成長」「変化」「変容」「進化」のために
 「それ試し」は 行われるのだと いうこと。


 だって ずっとずっと 同じところを回り続けて。
 私達は疲弊していて 擦り切れていて
 そこから抜け出したいと、思って 
  「自分で」「選択」しないと。

 やはり 「違う道」「新しい道」は 開けないからだ。


「そう、だから、みんながみんな、全部が 全部。なのよ。きっと、一人一人の問題も、そう。世界の問題もそう。だから気付いた者から、そのサイクルを抜け出さないといけない。」

「  確 かに。」

それに。

 共に弾き出された キラリと光るカケラ

それは以前、彼女に言われた「解って欲しい」のは
 「私の為」ということ

「みんなの為」ならば。

 それは 「見守る」ことが 「愛」なのだと いうこと。


なんだか 胸がいっぱいになって。
ただ 目の前の青を見つめ、自分の「なかみ」を限定しない様に
「判断」しない様に。

 ただただ「かたち」の中を 自由に舞わせておく。


そうしてきっと私の頭の中が、「そこ」まで辿り着いたのが解るのだろう。
ソフィアは、美しい髪を靡かせながら頭上の青と
目の前の青を。
両方、見比べた後 こう言った。


「今、ここはまだ夜明け前。一番暗い時よ。でも、「その時」にまた、貴女がここに来た。」

 「夜明け前が 一番暗い」    その言葉が私の「なか」を 
 ぐるぐると廻る。


「以前は予言が「そろそろ」と、いう時だった。それが「白」が止まり、貴女が泉を創って。「変化」が起きた。そして、また旅立ったわね?そうしてそれぞれの扉が変化を遂げたけれど、来ると言われてきた「滅び」は結局来ようとしてる。でも、それは予言の所為なんかでも、勿論貴女の所為でもない。他でもない、私達自身、それぞれみんな一人一人の選択の結果よ。」

「  はい。」

揺るがぬ瞳を見ながら、一言だけ 返事をする。

私に 「今」できること それはきっとそれだけだ。


「結局、広く見ればそれは自然の摂理で当然の事で。でも、光は失われていない。これまでならば全て滅びていたであろう、行き先。でも今の私達には星が、あるのだから。そうして光を見付け、歩き始めた人が、いるのだから。これまでよりも、サイクルの、節目が来てるのよ、今は。その、「繰り返しを終わりにする」時なのね。」

 はい。

 
そう、彼女の言うこと それはよく わかる。

 これまでならば できなかったこと
 あり得なかったこと
 
 止められ 傷つけられ 最悪 殺められていた こと
 それが「今」は んだ。


  「新しい サイクル」「大きな 節目」

 その二つの大きな光が 私の中をくるくると
  輝き 回り始める。



勿論、私の世界よりはきっと「命」の重みは軽いだろう。
レシフェの件を思いながら そうも思うけれど でも。

それを加味しても「時代」は 変わってきてるんだ。

 「軽く」「風が吹く様に」「自由」「みんな」

 「それぞれの 色」が。

 本当は 「その色」で 輝ける「今」が。


「そう、なんですよ「今」なら。できる。これまでならば、できなかった事が。」

「そうなの。でも、それに気付くのが難しいのね。ずっとずっとだったし、いきなり「変わった」と言われても。中々、直ぐに切り替えられるものじゃないわ。私達それぞれの中にある、「重さ」は様々だろうけどそれをどう、自分で下ろしていけるのか。卑屈になってしまっている人も、多い。」

「そう、ですよね。だから、「体現」するしか、ない。やって見せて「ほら」「できるよ」大丈夫って、行動で示さないと。気付かないし。いや、示しても気付かない人は気付かないだろうけど、でも うーん?でもそもそもの「器」が足りてないから…やっぱり、降らせるか………」

「まあ、そうね。いつ気付くのか、それも自由だから。」


いつもの様に こんがらがり始めた私を見て
 クスクスと笑う優しい瞳。
その瞳が楽しそうに キラリと光る。

「貴女も大分、大人になったと思ったけれど。なんだか、安心したわ。」

「え っ。」

「だって、勿体無いもの。なにも急いで大人になる事なんて、ないわ。「今」しか出来ない、大切な事は沢山あるし、彼とももっと、楽しまなくちゃ。」

「 ぇっ」

  なん で??

   ここ で   その話 ?


  えっ  ソフィア さん? まさか

  繋がって ? る??

    「石」「私達」「近い」「同調」

 えっ でも

   なんと なくでも 「いろ」って
  
    わかるの  かな ??????


アブアブし始めた私を見て、苦笑し 手を振るソフィア。

「いいえ、そうじゃないけれど。ハーシェルが落ち込んでて。あれは喜んでたのかしら、落ち込んでたのかしら?両方なのだろうけど。面白かったわよ?」

「ああ、そっちですか………。」

確かに 流石に「石」と言えども。
そうそう簡単に意思の疎通ができるものではないだろう。

ホッとしたのか、なんなのか
しかし「すべて」は「繋がって」るから いやいや
 それと 
       これは うーん?  


  うむ?

   なんだ ろう  あれは。


キラリと視界の端が 一瞬光って。
そちらを振り返るとそれは、再び混乱の沼に嵌りそうになっている私の お迎えだった様だ。

「えっ。」

「そろそろ、帰るぞ。」

何故だか迎えに来たのは、久しぶりの狐である。

 何処からどう 現れたのか
 何故 この人が迎えに来たのか
 てか なんで。

 私がソフィアさんの所にいるって 知ってる の ??


「えっ、なんで?て言うか、どこ行ってたの?どこ行ってるの??」

私は一応、森の家に。
きちんと、千里とベイルートの寝床も用意したつもりだ。

でも この二人は 全然。
帰ってこない けど。


「ふふっ。」

「お前達二人の方が、いいだろうかと思ってな。」

「え」

何故だか笑い始めたソフィア
それはきっと極彩色のこの言葉を予感していたのだろう。

得意気な顔をして、きっちりと私の前に座るこの狐を。
どうして くれようか。


「俺達はお前達の目の代わりに。色々見て回ったりしてる。また、時期が来ればそっちへ帰るさ。」

「えっ、そうなの?」

「そもそもあいつとは繋がっている。だからそれがお前にも伝わって、「見ていないけどわかる」事が多いだろう?それは、その所為も、ある。」

「 ぇ あっ、う、うん。」


   え

  っと  待って  それ ここ で  言っちゃう ?


「えっ    」

 まさ か ???????????


は、見てない。」

「   ぇ」

  ちょ ???

「流石に俺も。そこまで趣味は悪く、ないからな。」


「 え」

  「趣味が」  「悪くない」?

 趣味が  悪い って  どういう こと ???


  えっ   ナニコレ  どっち ???


ぐるぐると恥ずかしさと 訳の分からぬ沼に。

ドップリと嵌って、きっと「真っ赤」か「どどめ色」にでもなっていそうな私の耳に、優しい耳打ちが聴こえてくる。

「大丈夫よ。きっと、揶揄ってるだけだから。」

 え  ほんと です か??

  信じますよ? ソフィアさん ???


チラリと 指の間の隙間から。

鮮やかな毛並みを映して、楽しそうに揺れる尻尾を 見る。


 確かに。 アレ 絶対
  
   「面白がってる」な。


「もう。知らない。一人で帰る。」

「まあ、俺はそれでもいいんだが。」

「えっ、なによそれ?」
「さあ?」
「えっ、なに?ホントは、なんにも無いんでしょう?」

「どうだか。」

 くっ  なんなの この狐はっ。


しかし、姿だけ見れば少し鮮やかな毛並みの可愛いらしい狐なのだ。

きっとそれを解って「くるり」と美しい瞳を回した千里は。

「じゃあ。」とソフィアに挨拶をして、私を振り返り そのまま歩き始めた。

 えっ 知り合い?
 でも そうでも まあ おかしくは ないな??

「あっ、とりあえずありがとうございました!また。」

「ええ、気を付けてね。心配無いだろうけど。」

そう言って手を振る美しい姿
ワタワタしている私よりも、ソフィアの方が女神に見えそうである。


そうして、白の石畳を歩く鮮やかな毛並みを 見失わない様
私も小走りで、駆け出したのである。

 そう「女神らしさ」などは すっかり忘れて。




 
  
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