透明の「扉」を開けて

美黎

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8の扉 デヴァイ 再々

世界での 私 2

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厳つい顔
 紺色の長い モジャモジャ髪
  海賊の船長風の出立は ある意味
  あの色極彩色にも共通する 風貌だな ?


私達が現れてから、席を移動してくれたシュレジエン
ソファーを勧められた金色は相変わらず首を横に振って 本棚の前に陣取ったけれど。

そのお陰で私はソファーに朝と二人、しかし朝はベイルートと話す為にテーブルへ移動してしまった。


斯くして 正面にはイストリア シュレジエン
その向かいに私一人
本部長は相変わらず彷徨いているし
案の定 まだ金色は本棚の前で腕組みをしている。

 てか。

 なんか 面談?  親子?
 いや なんだろう あっちが 男女だから
 うーん

 夫婦…………って言うと本部長に怒られるかな
 でもこの二人、案外雰囲気近いんだよね 。

  でもなぁ 似たもの同士 過ぎ ??


あの、船が 飛ぶのか
      飛ばないのか
それは答えるべきじゃ ないんじゃないか。

そう思って、沈黙しているうちに 案の定私の脳みそは明後日の方向へ飛んで行って いた。


「だがな、あれから。お嬢が女神だと皆が噂し始めてから。」

「 ん っ?」

そんなフワフワしていた私の前に、思っても見なかった色のカケラが飛んできた。

  「お嬢が 女神」

 えっ  そんな事に ?

  いや
  なるかもって 話だったけど

 ホントに そう  なってるんだ

  それは はつみみ。  

わざと言葉を切って、私の顔の返事を読みながら楽しそうに話す彼を見て 私もなんだか楽しくなってきた。

その、向かいのイストリアは勿論ニコニコしているし
本部長はいつの間にかイストリアの背後で話を聞いていて
ベイルートはまだテーブルの上で朝と何か話していて。


そう、みんなの 私に対する暖かい 空気が。

 直接伝わってきて 今更ながら
 ここの 居心地の良さに。

 私自身が自然に 癒されてたんだ。


 「自然からでなくとも 癒しのチカラは貰える」

その事実に改めて感動しながらも、目の前の話は光の方向へ転がっている。


「その子供達の力が上がってるのは勿論、お嬢がまじないを教えた奴らだ。なんだ、その所謂これまでのルール通りでなく俺達に分からない、あの適当なやつだ。」

「ふふ」

やっぱりこの人は面白い。

「他の子供達も、伸びてはいるが。あれは多分、期待なのか、なんなのか。俺が思うに、お嬢の事を女神だとぐんと力が上がり出したんだ。面白いよな、これは。」

「ほう。」

「へえ、成る程。しかし、解る気はするね?」

「だろう?」

約一名、怪し気な色を出した眼鏡がいるが
後の二人が言っている事、それを私は理解していない。


 えっ でも これ
  訊いていい 話 だよね 私の事だし 。

「? あの。それって、なんでですかね?」

そう、質問した私の顔を 楽しそうに眺める大人達

 なにこれ 教えてくれる気 ない 感じ?
 いや?

 自分で考えてみろって こと ???


しかし、私のぐるぐるが 始まる前に。

テーブルで話していた朝とベイルートが声を合わせてこう 言った。

「「信じる者は、救われる ってなものね。」」

「 えっ?」

 
 意味が  わかりません  けど ???


「なんだ、、って訳じゃ、ないんだろうけどな。」

「そうそう、でも。結局素直に受け入れたもん勝ち、って事よ。」

「えっ、全然意味が 解らないんだけど。?」

そんな迷路にハマり始めた私に、救いの手が差し伸べられる。

「君が、事を、納得できたのだろうね。「ああ、だからだ」って、思うと。力が湧いてくるだろう?自分にも。君自身が。あの、ガラスの様に「勇気のカケラ」の役割をしたという事さ。」

「      なる  ほど 。」


 え    そう  か

   たし   かに   ???


その、イストリアが言ってくれた答えが
 カチカチと私の中の ピースを嵌めて。


  「なるほど」  「そうか」


 「ハマる」  「あるべき場所」

   「納得」   「チカラになる」

   「勇気」      「カケラ」

  「ガラス」

 「次へ 進める」  「希望」

  「光」
    
        「道標」    「印」


     「星」    


  「芯」         「軸」


    「信じていいもの」


 「光って」    

   「気付きを 齎す もの」

     「真実本当の 光」。

  
拠り所でも なく   縋る でもなく
頼るでもなく     ぶら下がるのではなくて

ただ ただ 「ちゃんと あるんだ」
みんながそう   進める「道標」

 それは正に「光」、私のなりたいものの ひとつ。


   でも。 って。

  人間ひとの 所業を 超えてない か ?


チラリと思い浮かんだ、その事を私は口に出しては いない。

けれども。

「そういう事なのだろうよ。」

そう、静かに言う 薄茶の優しい色を、見ていたら。


「  あ  りがとうございます。」

なにも 他に言葉は 出てこなくて。

なにしろ大事なことだけ 言っておいた。

 私の中では。

 まだ、ひかりの渦の中 キラキラと光る
 みんなのカケラが。

 くるくる フワフワと回って
  私を歓迎 していた からだ。


 「ようこそ」 「光の道」


   「光の奉仕へ」


 「やっと 気付いた」  「そうだよ」


   「そう」


   「」 。





そうして、暫く。

ぼんやりとしていた私を放って、みんなの会議は解散していたらしい。

気が付くと 懐かしのウェッジウッド ブルーの壁
その、青に掛かる暖かな金の光の中 私は目が 覚めたんだ。





「 ん?  ぁ   あれ?」

「大丈夫だ。」

「 うん、ありがとう。 ?」

まだ、定まらない思考の中
辺りを見渡し自分の「なかみ」をぐるりと浚う。

 ん?

 あ、そうか 今日はここへ帰ってきたんだ。

  え   それ で?

 ああ、シュレジエンさんが うん
  それでイストリアさんと なんか うん

 そう「いいこと」、言われて。

「あ。」

 そう だ。


    「光の 奉仕」

 それを 私が無意識にやっていたことに 気が付いて。

  うん なんか 納得 ? 感動 
 てか 逆に。

 いつも私が「わかった」と 思う
 それを私があの子達に。

 齎すことが 出来たって 気付いたんだ。


 でも そう なんか  って。

「なんか、とりあえず  凄くない? えっ、なんだろうこれは。」

そう、それは 教えられるもの と 違って。

誰に「言われる」訳でもない 気付き
「あ、そうか そうなんだ」「それでか!」と
瞬間の あの 感動。


「ありゃ、なんか。 流石に私もここまで来て、女神らしくなってきた のか。」

「だからお前は。元からなのだ。」

「あ   ありがとう。」

冗談ぽく、言ったつもりだったけど。

真剣に返してきたこの人の色に負けて、枕で顔を半分隠す。

なんだか、ふざけている自分が。
突然恥ずかしくなったからだ。


「して?今日はどう、する?」

「ん?」

「ここでも、良いが。お前の場へ移動するか?」

「 ああ、確かに  。?」


ぐるりと見渡すブルーは、慣れ親しんだ色ではあるが
やや「古く」感じる景色でも ある。

どれもこれも 自分が想像から創った愛着あるもの達では、あるけれども。

「うん、とりあえずあっち神域へ。行ってみようかな。」

「わかった。」

 向こうが どう なってるのか
  それも 分からないけど。


これだけ自分が変わって、みんなも更新していて不在の中
神域が変化していないとは私も思っていない。

しかし、逆にそうなると「どうなってるのか」気になってきた。

「えっ」

 なんで?

だが、何故だか勢いよく起き上がろうとしていた私をヒョイと抱き抱えた彼は。

「どう、した?」

 いや あなた  絶対。

  解って やってます よね? ?

「歩ける」、と私が口を開く前にわざとそう訊く 何故だか意地悪な色がある。

「いや、なんでもないもん。」

些か腑に落ちなくはあるが、不都合は ない。


そうして私はそのまま、金色に抱えられて。

とりあえずあの青い通路へ向かったので ある。




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