透明の「扉」を開けて

美黎

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8の扉 デヴァイ 再々

幾つものわたし

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遠く 離れた場所から みんなを見ていて。

 いや「場所」は そう離れてはいない。

だがしかし、「今やりたいこと」そんな相談を目を輝かせたり 悩んだり 苦笑したりしながら。

話しているみんなの顔は、やはり私からは少し
眩しく見えて。

 それを 客観的に眺めながら
 「みんなと私」「自分の位置」「ぜんぶの中」

それを 「体感」で 噛み締めながら。


 「何故 こうして私の周りにいい人達が集まったのだろう」
そんな事を 考えていたんだ。




 う~ ん ?

  でも  でも さ。

 やっぱり 「みんな 私」だから 。

  って こと ???


じっと シェランの大きな体を見ながら
「あれも私」
そんな事をぐるぐるさせ、プルプルと首を振る。

  いや じゃ なくて。


そう、「からだ」は関係ないのだ。

 「あれシェラン」も 「光」

 「ぜんぶがまるっと 」の 「なかみ」で

 「構成の一部分」、そういうことなのだ。


「 ふむ。」

そう
あれも これも それもどれも、みんな「私の目」には違いなくて
だがしかし「今の私からだ」として 「その体験ができない」、それが近い。

 いや しかし ?

「入ろう、と 思えば? 入れなくも   いやいや。」

そう 多分きっと「シェランの体に」、入ってみる事は可能だろう。

だがそれは「彼の視点」であり、「なかみ」ではないからして「今より背が高い私」
それだけなのだ。

「 うーん、難しいな。」

いや 別に私は他の誰かになりたい訳ではない。


そんな脱線をしながらも 思う
 「ぜんぶがまるっと 自分」

だからこそ分かる「出会う人の 質」

 私の「物語の登場人物」
         これまでの「旅路」

  一番高い私からの 「ある意味プレゼント」な
   「私の本当の 敷かれたレール」。


この、「敷かれたレール」という言葉に付いた澱は
中々に重いけれど 「わたし自分」が齎したそれであるならば 致し方ないだろう。

 それに 乗らない方が。

 無理だし 困難なので ある。


「 どこから、なにで。 どう なって。いや、「迷い」すらもきっと。まあ、予想できるわな。私、分かりやすいし    ふむ?」

 て 言うか。

確かに 「今の私」は 「過去の私の行動パターン」など読むのは朝飯前だ。

「ほう、だから か。」

そう、いろんな事が まるっと含めて。

 「一番高い私からの カケラ」なのだろう。


きっとあの 白い森に入った時から
 誘われていた 「パン屑カケラ」を追う道

 私はきっと それなりにきちんと。

 「自分のカケラ」を拾い集め 道を歩き
 右往左往しながらでも 今 ここまで辿り着き
 こうしてみんなを。

 眺めているに 違いないのだ。


なんだかそれが とても不思議な気がして。

暫くそのまま 
 暖かく 柔らかな景色を 楽しんでいたのだった。








「君はね、多分。鍵の様なものでも、あり。触媒でもあるのだろうが、刺激に、なる。…まあ、なんでもありな所が君らしいが、そういうものなのだろうな。」

「  。」

みんなとの、集まりから帰ってきて。
 実際私はなんとなく、緊張していたのだろう。

「いつもよりよく喋る」と 自覚がある夜の 食堂
キャラキャラと話し続ける私の向かい側で。

無言で話を聞いていた彼女は 静かにそう言って 私の目をじっと覗き込んだ。


 珍しく なんだか無言な わたし

「いえいえ」とか「そんな」とか
「そうなんですよね、フフ」とか。

どんな言葉も合う気はするが、なにも 言う気になれなくてそのまま薄茶の瞳をじっと 見返す。

 その 色は「楽しそう」ではあるけれど。

少しだけ含みのある色をしていて 
私にはそれが「何色なのか」がはっきりとは読めなかったからだ。


「なに、案ずる事はないよ。きっと今、君の周りにある者はそれを受け取り「活かせる」、者達ばかりだ。「君の光を、きちんと受け取る」。そうでないと、男達も許さないだろうし私も君が外に出る事を止めただろう。…もう、自分で判断できるだろうが「ここ」は私達の区分だからね。いや、気は使わずに好きにやるといいんだ。君にはそれが一番、いいのだから。」

「 そう ですよね。   ありがとうございます。」

 チラリと 
向こうのテーブルに座る 極彩色の毛色と金髪 
 水色髪の眼鏡とその間を歩く玉虫色を 確認する。


  「良くも 悪くも 受け取り方次第」

きっとそんな事を言っているのだ イストリアは。

しっかりと私の目を見て、話してくれることば
その言葉と共に 乗ってくる「色」「音」を受け取ると
彼女の言いたかった事がクリアに見えてきて 私の中ではそう「翻訳」される。


そう きっと
 私は 今 「全面性」を 持っていて
 見る角度によっては「悪く」も見えるし「良く」も 見える。

それはきっと受け取る者の立ち位置によってものだし 
それはきっと「すべてが そう」
せかいの普遍的法則でもあるのだ。

「そうですね、多分 みんな。この間会った時もそうだったんですけど なんか。気を遣って?くれているのが、解って。いや あれは気遣いなのか いや そうなんだけど なんか。 まあ、それはいいとして。 」

しどろもどろになった私の言いたい事が なんとなく分かるのだろう。

苦笑している薄茶の瞳を眺めながら、その 周りに舞う新しいカケラ達の色を 眺める。


   「多面的」
           「複数」
                「角度」

       「鏡面」

 「変化」
      「変容」

        「変わるもの」

          「流れているもの」

  「いつも違う 面」

    「重くもあり 軽くも ある」

  「光 闇」

         「静 動」


そのそれぞれが示すいろは
一つ一つが象徴的な いろ かたちをしているが
それもまた 一つの中に「複数の色 面」があり
「ジャンルは同じ」の「いろ、かたち 深み違い」
そんな形のカケラ達が楽しそうに回っている。

きっと、そのそれぞれの中に みんなは「好きな色」「嫌いな色」があって。
 その好みが分かれるのだろう。

 まあ そうなんだ 私は。

 どの いろも好きで 外せなくて
 どんどん「含んで」きたから こうなっている
 だけだけど。


「ま でも。 最終的には みんなひとつ。これで万事解決、よね。うん。」

「フフ、まあそのくらい気軽な方が良いだろうね。なにしろ重たくなっていい事は、ない。」

「 ですね 。」

ぐるぐるしても モヤモヤしても
こんがらがっても ヤキモキしても。

 それはそれで 学びがあるし いいのだけれど
 なんとなくこの頃の私は。

 「なにしろ 身軽に」

そう「どこか光達」が言っている気がして そのぐるぐると回ったままのカケラ達を光の虚空にヒョイと 投げておく。

 そう
 これでいい 筈。


「そうだ。冷めないうちに、おあがり?」

「はい。」

きっと私が「ぐるぐる」を止めたのが解ったのだろう。

 そうして 先に食事を終えていたイストリアが
 茶器を用意するのを 横目で見ながら。

なにしろ 手に持ったままの
  スプーンを動かし始めたんだ。

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