透明の「扉」を開けて

美黎

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18の扉 光の領域

流行を創る作家 トリル

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「成る程、ヨル。私、できるか分からないですけど、イストリアにも協力してもらってやってみようと思います。」

「  うん。 その、「流行らせる」、っていうやつ?」

「そうです。………そうと決まれば…………本を選定して…いや、書いた方が?でも時間が掛かるか。………ああ、でもアラルエティーに………ふむふむ、イケるかもですよ。今、青い風はまだまだ吹いていますからね。ちょっと、相談に行って良いですか?」

「勿論。  私はトリルが描いてもいいと思うけどね。 面白そう。」

「ふふっ、ありがとうございます。………こうしちゃいられない………」

 パタパタと ノートを纏めて。

「何冊もの覚え書」を持ち 
 急ぎイストリアのところへ向かう彼女に手を振って
 よいしょと 私も立ち上がり お尻を摩る。


 さぁて ?

   なんか 面白そうなことに なってきたぞ ?


 その「ワクワクの空気」を 保った まま。

「トリルが描く ちょっと不思議でおかしな物語」
 その「いろ」を想像して。


  ふふっ

 その「トリルらしい いろ」
   「オリジナリティ」に 追い風を送りながら。

 ニッコリと笑って
子供達の様子を 覗きに行くことにしたんだ。














    ふぅ む 。


 空っぽの 物見台から
  賑わう造船所を眺めて。

 早速イストリアに熱弁を振るうトリル

   シュレジエンと相談中のナザレとシェラン

  子供達はグラーツを先頭に何故かこぞって鉄棒に挑戦していて
 成功した子は私に向かい 手を振ってくれている。


 だから その小さな手を有り難く受け取り
  振り返しながら。


   「自分の中で かたちを変えた 運命」

 それについて 眺めて考えて いた。



「  ふむ。」

 そう
 今回私は「トリルの呼び出し自体」が「せかいからのメッセージ」でもあり
「それを受け取り 自分が変化すること」
 それを知っている。

だけど
なにか
 それは「変化」と 言うよりは
 「自分の変化を」に近くて

 「ずっと流れ続けている自分の現在地を逐一確認するアレ」

 そう、いつものやつだ。

その「なか」では
 「ポイントとなる点」が幾つか輝き始めていて
早速仕事熱心な明晰君が そのキラキラを回収し始めて いる。


 「祭祀が終わり みんな 今年の回収をしている総決算を受け取っていること」

 「運命」「流れの変化」「分岐点」
  「認識」「概念」「常識の 少しずつの変化」

 その中でもなにより「私の認識」が。

 「意気込み」から「へ 変容しているということ」


「   成る程。」

 「その違い」は 実際かなり 大きい。

確かに「そこ当然レベル」を私であるが
 それがすぐに何処かへ遊びに行っていて。

 「自分の真ん中」へ 定着させておくのが難しかったのだ。


 「あれや」「これや」とぐるぐるしてみたり
 「覗いた先が気になったり」
  「あれこれ余計な心配をしてみたり」と
 「日常に潜む隙間習慣を 撲滅するには手間が掛かる」。

 だが それは
 「確かに続けていれば 成るもの」で
この頃「積んでいた 上質の光の効果」であり
 「せかいからのこたえギフト」でも あるから。

ここでまた、それをきちんと受け取って
 沁み込ませてから
大きく ジャンプをすればいいのだ。


 だから「ほんとうのせかいの美しさを現すこと」
  それを「目標」ではなく
 「だって とんでもなく不思議で 美しいじゃん」に 変えながら。

 サクサクと梯子を降りて
やたらと光っている虹色の魚に ヒントを貰いに行った。





「   て 言うか。  なんでそんなに、今日 光ってるの?」

 そうやって普通に話し掛けながら
水槽の前をウロウロする私に声を掛けるものはおらず
 みんなはもう 午後の仕事へ取り掛かっている様だ。

 最近は 船の装飾チームとまじない道具チームに分かれて活動しているらしく
デービスとシェランチームがまじない道具を率い
ナザレは自由にルガと船に工夫を凝らしているらしい。

  私は
   どちらかといえば 「ナザレチーム」だな

 その話を聞いた時はそう思ったものだけれど
最近はまじない道具も面白そうだと思っている。

 だけど
 多分
 「私が創るまじない道具」は 「だよね専用」、となるものが
  殆どだろうから。

 実践に役立たずの私は 参加しよう迄は 思わないのである。


「  でもさぁ ? これからは、そういう風に みんなが「自分の道具を自由に創る」ってことよね? それで、お互いの面白い所を見て、工夫して楽しむ。 だよね~  」

  キラキラと 
 「鱗で返事をくれる 魚達」に頷きを返しながら

 「さて ?」と「やたらとこの子達が光っていたこと」へ 焦点を戻す。


   で?

    みんな は?


  「なにが」  「いいたい」 ワケ ? ?


結局 そうやって
 そのまま じっと
  観ていたのだけど。

 虹色の魚達は 「なにも言わず」、キラキラと鱗を煌めかせて周っている だ。

 でも
  みんながあんまり「キラキラと楽しそうに 周る」ものだから。

「  ふふっ」

 自分も水槽の周りをぐるぐると回って、なんだか楽しんでいるうちに 「ふと我に返る」。


  ああ  でも 。

    


 なんだか 「そう思った受け取った」から。


 そのまんま みんなに手を振りながら

 造船所を 後にしたので ある。
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