風の時代/月の神話 [R 18]

美黎

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生まれた 「私」

埋まる なにか

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そうして わたしの中 は。

何か が  満たされていった。


足りなかったわけでは ない

確かに

 身体 的には

 穴は 空いていて しかし

 それ は

 入れなければ  ピッタリと閉じていて

 不自由は ないものなのだ



ただ   欲しい と

思ったならば

ぐっと  入れればいい

   それだけのこと



しかし

何か   なにか は 分からないが

確実に

わたし に  なにか が 溜まっていて


 それは 昼間の仕事の  澱 では無く
 
 空いている場所に 入ったなにか

 でも無く



きっと

   無かったならば 気付かなかった もの



見つけて    感じて

   初めて 認識するもの



それ が。


     わたしの 中 に   ある



その事に 気が  ついたのだ



それが

なんなのか。


まだ   分からないが。

確実に わたしを  温かく

    満たして  くれるもの だった。









対して

男 も。


とても 回復して   滅多な事では

くすりも  切れなくなったし

          いや 啜り過ぎているからか

ここでの 生活にも

大分 慣れてきたようだ




しかし たまに

わたし を  怒らせ

森の外に  飛ばしてしまう事は  何度か。

その度に  「私」は

迎えに出ているようだったけれど

 そう どうやら  「私」は

 まだ 甲斐甲斐しく 男の世話を しているようだ


少しだけ

一人の夜に  違和感を覚え

自分の ゆびに  満足できなくなるころには

いつも

男が 戻ってきた



そして 再び  

要求する のだ


 「 さあ やま へ  上ろうよ 」


  「何度も  もっと  高く 」


 「 一緒に 上ろう  ほら もう  」


「 もっと 奥へ  もっと  上れる  」


飽くなき  探究

求める  至高の 領域


お互い が  お互いを  赦し合い

  お互いが  お互い を  高め合う



そんな  二つの  絡み合い


    それ   が。


   とてつもなく  楽しく  心地良く

 
  何かに 満たされ

       そうして   全てが。




    輝き 始めて。





森の  緑

泉の 青

空の雲の 白

木の実の 赤

葉の 橙と 土の 赤茶

 
 生き物たち の 目

昼間のものは  日の中 駆け回り

夜の帳が降りると 

闇のものが  動き出す


 混じり合う事なく  正常に まわる


 世界は   整った



わたしが  満たされる  こと で。


何故だ ろうか。

何が

埋まったのだ?


どう   したのだ?





そうしてわたしは


         考え  始めた。
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