LIGHT

美黎

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発展

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人間ひとに。

これ以上の 発展  拡大は

 必要だと 思うか?



俺はな

 必要か 必要じゃないか

 そんな話ではなく  

   
      無理だと  思うよ。





つい この間まで

 「月に行きたい」「車が飛ぶ」
 
 「食べ物を採らずに顎が衰える」なんて

言われていた  未来




もう 21世紀は来たし

なにも

俺らは。


 変わっていなくないか?

それより  退化してると 思うのだが。



過去の俺たちが 描いていた未来

それと 大きく違う点


俺たちは  発展したかった

    拡大したかった

 豊かに  なりたかった

      便利になりたかった


   幸せに   なれる 筈だった。





しかし

 何かを忘れた 俺たちは


 「自分」「自分」「自分自分」

  「自分自分自分自分」「自分自分自分自分」


そればかりで

 忘れた何かを思い出そうとも せず

欲に任せ  突き進んだ




そうして出来上がった  完成形


 それは  究極の 破壊を招く

    あれだ


兵器じゃないぞ

原爆でもない

何だと  思う?




俺らが  百年前には想像もつかなかった アレ


どうしても欲しかった  アレ


アレ を   放棄したんだ






    わかった?

どう?




そう

答えね





    「自ら選択をする権利」だ




意味が 解るか?


簡単に言えば
教科書通りに言うならば

それは 選挙権だったりするかもしれない



だがな?

そんなもんじゃねぇんだよ


もっと

微々たる もの こと  

細部に至るまで


俺らは。


 コントロールされ いい様に 踊らされてるのさ。



そうして 「選べない」ことに不自由を感じていたことなど

すっかり忘れ

「選べる」のに

「選べない」と思って いる



そう

「選べなくない」んだぞ?



学校に行きたくなければ

 行かない事も 選べる

会社に行きたくなければ

 行かない事も 選べる



ただ  その後のこと

  周りのこと

         自分  以外の こと


が 問題で


  「選ばない」だけなんだ。



己を 自由にする 方法をな。





隙間風のボロ家で

微々たる畑の 収穫を齧り

好きな時に起き 寝る


それで 良くない?




 「人生の休息を許さない社会」って なに?



俺らは 女王蜂の為に 齷齪と 働いてるの?


まあ

また暗い話になっちったけど

だからこそ 俺は。



一抜ける事にしたんだ


歯車になるのを辞め


俺の足で 歩き


好きなところへ 行く



それだけだ

それだけなんだけど。



怖い?

まぁな。

しかし 残念ながら

人間  生まれる時も死ぬ時も  ひとり


俺はそれに

元々一人が好きだ。


面倒くさいじゃん 他人ひとって。




だから

旅に出るんだよ。



一緒に  行く?


なあ


いつでも 待ってるぜ


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