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第1章 開幕
01.転生窓口
自動ドアを無機質に横断する『ラララララナラナ転生窓口』というカッティングシートの文字列を茫然と眺め、御幸都人は傷ひとつない平坦な腹を撫でた。
「刺されたよな……?」
「ぐさっとな」
「俺、死んだよな……?」
「たぶん」
「玲奈は……?」
「あたしも兄貴が刺された後、刺されたから。たぶん、死んだんだろ」
「身を挺して庇った意味」
「先に死ぬか後に死ぬかの差しかなかったな。でもま、こうやって合流できただけよかったんじゃねえの」
「……そう、だな」
隣に立つ妹に目を向けて、御幸は眉尻を情けなく下げた。
「おまえまだ二十歳だったのにな……死ぬの早すぎるよ」
「兄貴だってあたしと二つしか変わんないじゃん。せっかく第一志望内定もらってたのに可哀想にな」
「就活頑張ったんだけどなあ……」
二十二年余りの人生は、妹と共に深夜のコンビニへ母親のおつかいへ行った帰り、突如終わりを告げた。
背格好からして、若い男だった。黒の上下に身を包み、フードを深く被って、ごついナイフを握っていた。
恐怖を感じる前に、身体が動いていた。
男はまっすぐに玲奈を狙っていた。御幸なんて眼中にないかのように、若い女を標的に選んだ。この場で一番弱い者を、考えるまでもなく選択していた。それがわかったから、御幸は躊躇なく玲奈と男の間に割り込んだ。自分が刺されるとか、死ぬかもしれないとか、考えなかった。ただただ、玲奈を守ることだけを思っていた。
その結果が、これか。
結局、御幸も玲奈も死んだ。
「ま、死んじゃったもんはもう、しょうがないだろ」
「あっさりしてるなあ、玲奈は」
「いつまでもうだうだ言ったって、結果は変わんない。死んだもんは死んだんだ。話し合うべきはこれからのことだろ」
「これからって、これ……だよな」
再び、自動ドアへ視線を移す。
中は見えない。
周囲には何もない。
真っ白な空間に、自動ドアだけが浮かび上がるように存在している。
「ラララララナラナ転生窓口……」
「転生窓口ってことは、転生に関する窓口だよな……?」
「ラララララナラナ…………?」
「玲奈はそっちに引っかかってるのか?」
「…………まさか……いや、」
玲奈は腕を組んでぶつぶつ独り言ちている。
御幸は周囲を見回して時間を潰したが、どこまでも白い空間が広がっていることがわかって、目を引くものは自動ドアしかない結果に終わり、早々に玲奈の袖を引いた。
「とりあえず、入ってみようや」
「…………そうだな」
眉間にしわを寄せた玲奈の同意を得て、御幸は自動ドアに足を向けた。
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