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第2章
11.なんか……なんだ……
しおりを挟む洋館のバスルームはちょっと豪華なホテル並みの広さだ。
洗い場にはシャワーが二か所並んで備え付けられており、玲奈が使用中のプレートを掛けている時以外は、男共は既に誰かがシャワーを浴びていようがバスタブに浸かっていようが、お構いなしに入ってくる。戦闘職の男達は誰も彼も見惚れるような肉体美をしてらっしゃるので、バスルームで出くわす度、御幸は自分の貧相な身体を憂い筋トレを決意して、寝たら忘れることを繰り返している。
「う~ん……」
「あ、あの……」
「うゔ~ん……」
「ミユキさ、」
「うぅゔ~ん……」
「ぁ……ミユキさ……っ、ちょっ……」
「あ、ごめん。何?」
熱心に指先でたどっていた腹筋から顔をあげると、ツォットが口元を手の甲で押さえて震えていた。
「真っ赤だな、ツォット」
「ミユキさんが、触るから……っ」
「綺麗に割れてるからさあ」
「ありがとうございます……」
ツォットと向かい合って浸かっているバスタブの縁に頬杖をついて、朱が差す美しい相貌を眺める。
「ちょっと腹筋触っただけだろ~」
「恥ずかしいです」
「もっと恥ずかしいことした仲だろ」
「だからこそじゃないですか……」
「…………あれからずっと、普通だったじゃん」
「普通に見えましたか」
「え…………うん、違った?」
ツォットは目を伏せて黙り込んだ。
なんか……なんだ……妙な雰囲気だ。
何が起こっているんだ。いや、これから起こるのか? 何が!?
御幸はドキドキして待ったが、ツォットはもじもじして一向に行動を起こさず、ただただ静かに時が流れた。
「きみら真っ赤だぞ。逆上せたんじゃないか。あがれあがれ」
トーガスが全裸で登場するまで、ドキドキする男ともじもじする男は、向かい合って沈黙に浸かっていた。
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