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第1章 呪われました!
02
「……つまり、逢崎のせいで彼女と破局したので立腹し、呪いをかけてみたら本当にかかってしまった(笑)と、いうことだな?」
大学構内から行きつけのファミレスに場を移し、詳しく話を聞いたところ、新沼の合いの手を挟みつつ多川が洗いざらい吐いた。
多川はひと月ほど前、初めて彼女ができた。その彼女を紹介したら、案の定逢崎が口説きまくった。逢崎は中身はともかく面だけは無駄に良い。彼女のハートをキャッチしてしまった。まずいと思った多川は、逢崎のあれは挨拶のようなもので本気にすると馬鹿を見ると必死に彼女を説得した。しぶしぶ納得した彼女だったが、多川と逢崎を比べるようになってしまい、なんか違う……と、なってしまった。結果、多川は振られた。
許すまじ逢崎……!
自棄酒に付き合ってくれていた新沼が、不意にスマホの画面を向けてきて、こう言った。
『逢崎呪ってやろうぜ! ここにやり方載ってる!』
眩い笑顔だった。新沼はほぼ素面だったが、多川は立派な酔っ払いだったので、
『やったろ!』
サムズアップした。
酒に浸された頭でなんとか内容を把握したところ、人類全て男に見えるようになるという、眉唾ものの呪いだった。
『やったれやったれ~』
『うふふ』
『あっひゃっひゃっ』
一人暮らしの大学生でも簡単に用意できるものばかりだったので、軽い気持ちで実行した(笑)
「かっこ笑いじゃねえよ何してくれてんだてめぇええええ!!!」
逢崎に胸ぐら掴みあげられた多川は、無抵抗に揺さぶられている。
「ほんと、すみませんでした……」
「謝って済む問題じゃねえぞこら! どうしてくれる!」
「おい、騒ぐな。家じゃないんだぞ」
「あっひゃっひゃっ」
新沼は一人腹を抱えて笑っている。
「うがあああぁああ!!」
「逢崎、ステイ。落ち着け。いい子だから。手を放せ……そう。そのまま腰を下ろして……そう、そうだ。手は膝に。……よし。よしよし、グッボーイグッボーイ。よくできたな」
逢崎はちゃんと言うことを聞いて座り直したので、撫で回して褒めてやる。厳しい顔で唸られた。
「しかし、まじで謝って済む問題じゃないぞ。どうするんだ多川」
「ん?」
ついさっきまでがっくがく揺さぶられていた多川は、平然とお冷やに口をつけて落ち着いていた。手嶋の目が据わる。慌ててお冷やをテーブルに戻した。両手をわちゃわちゃ動かして、多川は新沼に縋る目を向ける。
「解呪方法があるんだって。な、新沼」
「あったあった」
「解けんのか!?」
逢崎が身を乗り出し、新沼がスマホを操作する。何回かタップとスクロールを繰り返し、他三人によく見えるよう、画面を向けた。
「ほら、ここ」
胡散臭いサイトに、解呪方法と思われる内容が赤字で踊っていた。
『呪いを解くには【真実の愛】が必要です』
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