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第1章 呪われました!
05
学食に集まって、それぞれの昼食に手をつけながら話し合う。
「結局、親の愛でもない、か」
「そもそも何をしたら真実の愛って判断されるの? ただそこにいるだけでいいの?」
「親はただそこにいるだけで子どもを愛してるだろうがい!」
「多川、座れ。新沼の言う通り、俺もなんらかの判断基準はあると思う」
「行動か、言葉か……」
「おい、逢崎。昨日、実家帰って何した?」
食が進まない様子の逢崎が、菓子パンを持て余しながらしばし考える。
「……特に何も。お母さんが角刈りゴリラになってた衝撃でほとんど茫然自失状態だった」
「ああ……」
「それは……」
「仕方ない……」
「しばらく実家には帰りたくない……」
「一旦、親の愛からは離れよう」
「他の方法を考えよう」
「恋人からの愛は?」
「現在彼女募集中です……」
「今は彼女できないだろ。全部ゴリラに見えてるらしいからな」
行き詰まった。
「なんか……ごめんな……? 逢崎……俺のせいで」
「いや……そもそも俺がおまえの彼女口説いたせいだし……おまえだけのせいじゃない」
「それはそう」
「やっぱりさ、」
逢崎が、顔をあげる。無駄に綺麗な面で、にっと強気に笑ってみせた。
「おまえらの俺への愛が試されてるんじゃねえの」
多川も笑う。
「俺らの友情見せつけてやるか~?」
「誰にだよ」
雰囲気が一気に明るくなる。
「友情も愛っちゃ愛だよな」
「友情が真実の愛の可能性もまあ、なくはない」
「俺としては恋愛も捨てきれないけど」
「誰と恋愛するんだよ」
「元はレディとはいえゴリラとは恋愛できねえよ」
「…………俺ら?」
「あっひゃっひゃっ。俺らと恋愛しちゃう?」
「誰を選ぶんだよ逢崎~」
「なんでおまえらの中から選ばねえといけねえんだよ」
「ふざけんなよ! 男から選ぶなら俺らから選べよ!」
「なんでだよ!」
「なあ? 手嶋?」
「俺に振るな」
「でも俺も多川の言いたいことわかるよ。俺らの間に他の男入ってくんの嫌だ」
新沼の言葉に、他三人の目が瞬く。
一瞬途切れた会話を、繋いだのは逢崎だった。
「そもそもなんでもう俺が男と恋愛することになってんだよ。しねえよ」
「そっか」
新沼は軽く頷いて、うどんをすすった。
それにつられるように、逢崎も菓子パンをかじる。
問題は何一つ解決していないが、とりあえず、逢崎に食欲が戻ったようでよかったと、手嶋はこっそり胸を撫で下ろした。
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