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第二章「王国を目指して」
第七十九話「騎士団の到着」
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「サシャ! 服の店があるよ! 今度新しい服買って!」
「サシャ、私にも新しい服を買って頂戴」
「それじゃ、今度服を買いに来ようか」
時間が出来たらクーデルカやルナの服を買い足そう。しかし……これ程までの大都市が世の中に存在していたとは……リーシャ村がいかに田舎だったかという事が分かる。商業区をしばらく眺めながら馬車を進ませると、ギルドが立ち並ぶ「ギルド区」に入った。
フィッツ町には冒険者ギルドしかなかったが、この町には盗賊ギルドや戦士ギルド、魔術師ギルドや海賊ギルド等、様々なギルドが一つの区画に立ち並んでいる。俺達はギルド区で「召喚士ギルド」を見つけた。一体どの様な活動をしているのだろう? 同じ召喚士としても、召喚士ギルドには一度挨拶に行った方が良いだろうか。召喚魔法について、より深く知れるかもしれないからな。
ユニコーンの馬車で町を進んでいると、冒険者達が集まってきた。やはりユニコーンが目立つのだろう。
「おい……あれって幻獣のユニコーンじゃないか?」
「幻獣を従える冒険者か。きっと名の知れた冒険者なのだろう」
「ユニコーンが認める冒険者か……俺もいつか幻獣を従えみたいよ」
商業区やギルド区の先に進むと、「居住区」を見つけた。居住区には大型の宿から、小さな民宿のような宿があり、比較的住宅が多く、治安も良さそうな感じだ。俺達はアルテミシアの町を見て回る前に、まず今日の宿を決める事にした。
〈宿・ブリューゲル〉
今日はブリューゲルという名の宿に泊まる事にした。安全な宿ならどこでも良かったが、仲間の疲れを癒すためにも、なるべく高級そうな宿を選んだ。ロビーには大理石が敷かれており、魔法の炎が天井付近を漂い、幻想的な雰囲気を醸し出している。ロビーにはガーゴイルの石像並んでおり、ルナが石像に触れると、僅かに周囲の魔力が変化した。このガーゴイルは宿を守るために召喚士ギルドから借りている魔物なのだとか。
宿代を確認すると、一泊百五十ゴールドだった。かなり高価な宿だが、騎士団を名乗る人間が安い宿に泊まっていては格好が付かない。それに、一度高級な宿に泊まってみるのも良いだろう。王国までの旅で魔物を狩り続けてきたから、金銭的にはかなり余裕がある。
まずは一日分の宿代を支払い、部屋を二部屋借りた。一部屋目は、俺とクーデルカ、ルナとアイリーン。二部屋目はゲルストナーとクリスタルとキングに決まった。クーデルカとルナは俺から決して離れる事は無いし、アイリーンとも一緒に居られる時間を増やしたい。ルナやクーデルカに比べて、アイリーンとは共に居る時間が少ないからだ。
「今日から俺達騎士団は暫くこの町に滞在する事になる。各々が騎士団員として自覚を持って行動するように。それから、危険な場所には一人では行かない事。ゲルストナー達は拠点地に関する情報を集めてくれるかな?」
「うむ。任せておけ」
「手ごろな土地があれば、購入して騎士団の本拠地を作るつもりだよ。勿論、クエストでお金を貯めてからだけど。俺達は大きく稼げるクエストが無いから探しに行く事にする」
「分かった。それじゃまた夕方に会おう」
ゲルストナー達と別れ、部屋に入る。白を基調とした部屋で、部屋の中央には大きなベッドが二つ置かれていた。天井からはランタンがぶら下がっており、ランタンの中では、炎の体をした魔物が、楽しげに室内を照らしている。これは宿の主人が作り上げた魔力から出来た魔物なのだとか。
「雰囲気の良い部屋ね!」
「そうだね。部屋からの眺めも良いし、ゆっくり休めそうだよ」
「野営では魔物からの襲撃を警戒しなければならないから、随分疲れたわ。久しぶりにゆっくり眠れそう」
クーデルカは宿に満足したようだ。部屋には立派な浴室があり、お菓子や葡萄酒等が備え付けで置かれていた。これらは料金に含まれている様で、いくら食べても良いのだとか。
「サシャ、これからどうするつもりなの?」
「まずは召喚士ギルドに行ってみようか。もしかしたら冒険者ギルドでは受けられない、特殊なクエストがあるかもしれない。それに、召喚のための素材も譲って貰えるかもしれないからね」
「簡単に稼げるクエストがあったら良いの」
「そうだね。早めに本拠地作りを始めたいからね」
召喚士ギルドなら、幻獣や幻魔獣の素材等も所有しているかもしれない。値は張るだろうが、強力な魔物が居ればクエストの遂行が楽になる。騎士団として、戦力を増やす事も大切だ。
「早速召喚士ギルドに向かうの」
「そうだね。行こうか、ルナ、クーデルカ」
俺はアイリーンに手を引かれて宿を出た……。
「サシャ、私にも新しい服を買って頂戴」
「それじゃ、今度服を買いに来ようか」
時間が出来たらクーデルカやルナの服を買い足そう。しかし……これ程までの大都市が世の中に存在していたとは……リーシャ村がいかに田舎だったかという事が分かる。商業区をしばらく眺めながら馬車を進ませると、ギルドが立ち並ぶ「ギルド区」に入った。
フィッツ町には冒険者ギルドしかなかったが、この町には盗賊ギルドや戦士ギルド、魔術師ギルドや海賊ギルド等、様々なギルドが一つの区画に立ち並んでいる。俺達はギルド区で「召喚士ギルド」を見つけた。一体どの様な活動をしているのだろう? 同じ召喚士としても、召喚士ギルドには一度挨拶に行った方が良いだろうか。召喚魔法について、より深く知れるかもしれないからな。
ユニコーンの馬車で町を進んでいると、冒険者達が集まってきた。やはりユニコーンが目立つのだろう。
「おい……あれって幻獣のユニコーンじゃないか?」
「幻獣を従える冒険者か。きっと名の知れた冒険者なのだろう」
「ユニコーンが認める冒険者か……俺もいつか幻獣を従えみたいよ」
商業区やギルド区の先に進むと、「居住区」を見つけた。居住区には大型の宿から、小さな民宿のような宿があり、比較的住宅が多く、治安も良さそうな感じだ。俺達はアルテミシアの町を見て回る前に、まず今日の宿を決める事にした。
〈宿・ブリューゲル〉
今日はブリューゲルという名の宿に泊まる事にした。安全な宿ならどこでも良かったが、仲間の疲れを癒すためにも、なるべく高級そうな宿を選んだ。ロビーには大理石が敷かれており、魔法の炎が天井付近を漂い、幻想的な雰囲気を醸し出している。ロビーにはガーゴイルの石像並んでおり、ルナが石像に触れると、僅かに周囲の魔力が変化した。このガーゴイルは宿を守るために召喚士ギルドから借りている魔物なのだとか。
宿代を確認すると、一泊百五十ゴールドだった。かなり高価な宿だが、騎士団を名乗る人間が安い宿に泊まっていては格好が付かない。それに、一度高級な宿に泊まってみるのも良いだろう。王国までの旅で魔物を狩り続けてきたから、金銭的にはかなり余裕がある。
まずは一日分の宿代を支払い、部屋を二部屋借りた。一部屋目は、俺とクーデルカ、ルナとアイリーン。二部屋目はゲルストナーとクリスタルとキングに決まった。クーデルカとルナは俺から決して離れる事は無いし、アイリーンとも一緒に居られる時間を増やしたい。ルナやクーデルカに比べて、アイリーンとは共に居る時間が少ないからだ。
「今日から俺達騎士団は暫くこの町に滞在する事になる。各々が騎士団員として自覚を持って行動するように。それから、危険な場所には一人では行かない事。ゲルストナー達は拠点地に関する情報を集めてくれるかな?」
「うむ。任せておけ」
「手ごろな土地があれば、購入して騎士団の本拠地を作るつもりだよ。勿論、クエストでお金を貯めてからだけど。俺達は大きく稼げるクエストが無いから探しに行く事にする」
「分かった。それじゃまた夕方に会おう」
ゲルストナー達と別れ、部屋に入る。白を基調とした部屋で、部屋の中央には大きなベッドが二つ置かれていた。天井からはランタンがぶら下がっており、ランタンの中では、炎の体をした魔物が、楽しげに室内を照らしている。これは宿の主人が作り上げた魔力から出来た魔物なのだとか。
「雰囲気の良い部屋ね!」
「そうだね。部屋からの眺めも良いし、ゆっくり休めそうだよ」
「野営では魔物からの襲撃を警戒しなければならないから、随分疲れたわ。久しぶりにゆっくり眠れそう」
クーデルカは宿に満足したようだ。部屋には立派な浴室があり、お菓子や葡萄酒等が備え付けで置かれていた。これらは料金に含まれている様で、いくら食べても良いのだとか。
「サシャ、これからどうするつもりなの?」
「まずは召喚士ギルドに行ってみようか。もしかしたら冒険者ギルドでは受けられない、特殊なクエストがあるかもしれない。それに、召喚のための素材も譲って貰えるかもしれないからね」
「簡単に稼げるクエストがあったら良いの」
「そうだね。早めに本拠地作りを始めたいからね」
召喚士ギルドなら、幻獣や幻魔獣の素材等も所有しているかもしれない。値は張るだろうが、強力な魔物が居ればクエストの遂行が楽になる。騎士団として、戦力を増やす事も大切だ。
「早速召喚士ギルドに向かうの」
「そうだね。行こうか、ルナ、クーデルカ」
俺はアイリーンに手を引かれて宿を出た……。
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