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第四章「騎士団編」
第百五十五話「騎士団長の稽古」
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マジックソードの練習をするために、俺とシルフとシャーロットは談話室を出た。剣の稽古が出来る場所を探そう。きっと城の兵士が剣の稽古をしている場所が城中にあるはずだ。談話室を出て一階に降りると、城の中を巡回していた兵士が俺達に挨拶をしてくれた。
「勇者様!」
丁度良いところで兵士と出会えたな。兵士に剣の稽古が出来る場所が無いか聞いてみる事にしよう。
「すみません。城内で剣の稽古が出来る場所はありませんか?」
「勇者様が稽古を? 勿論ございます! すぐにご案内致します!」
俺達は兵士に連れられて、しばらく城の中を進むと、中庭の奥にある稽古場に案内された。
「ここは兵士の訓練やエミリア様の剣術の訓練に使っている場所です! ご自由にお使いください!」
「ありがとうございます」
「勇者様! 私も勇者様の剣術を見学してもよろしいですか?」
「勿論構いませんよ。今回は普通の剣ではなくて魔法の剣ですが……」
「ありがとうございます!」
誰かに見られて剣の稽古をする事は恥ずかしいが、陛下から滞在を許可されている勇者としても、情けない姿は見せたくない。稽古場は床は頑丈な石で出来ており、天井は高く、体を動かすにはもってこいの場所だ。広々とした稽古場には先客が何人か居たが、俺達が稽古場に入ると、一斉に動きを止めた。
「ボリンガー様が稽古を……?」
「おい! 皆を呼んで来い! 凄いものが見られるぞ!」
俺が稽古をすると言っただけで稽古場には五十人以上の兵士が集まってしまった。意外と大事になってしまったな……。だが、やるしかない。マジックソードは基本的にはマジックシールドと作り方は同じだ。俺は剣のイメージを頭の中に描いた。長さは勇者の剣と同じ長さにしよう。ブロードソードよりも少し長く、ロングソードよりも短い剣。俺は精神を集中して、頭の中に強力な剣を想像した。
『マジックソード!』
魔法を唱えると、頭の中で想像していた剣が目の前の空間から現れた。
「おお! ボリンガー様が剣を作ったぞ!」
「あれが幻魔獣を召喚した勇者様の召喚の力か?」
剣はとても軽くて温かい。剣自体が青白く光り輝いており、魔力で出来た剣は自分の体の一部の様に感じる。無事にマジックソードを作り出せて良かった。ここで魔法に失敗したら格好悪いからな。
アルベルトさん曰く、魔力で作り出した武器で戦うのは召喚士として基本らしい。アルベルトさんは武器を召喚して戦うタイプの召喚士だ。反対に俺は召喚獣と共に、実物の武器を使って戦うタイプの召喚士だ。
次に俺がしなければならない事は、この剣の強さを計る事だ。見た目は何の変哲もない魔法の剣だが、剣は実際に使ってみなければ切れ味や丈夫さを確認する事は出来ない。誰かに剣術の稽古に付き合ってもらおうか?
アースウォールを作り出し、壁に対して攻撃を放って強度を確認するのも良いだろうが、これだけギャラリーが集まってしまったからには、少しは楽しませてあげた方が良いだろう。俺は兵士に協力してもらう事にした。
「誰かこの中で稽古に付き合ってくれる人はいませんか?」
俺が五十人近く集まった兵士に声を掛けると、兵達は目を輝かせて一斉に手を上げた。
「俺がやります! 勇者様!」
「いや! 俺がやるぞ!! お前は引っ込んでろ!」
「年長者の俺がやる! 若造は引っ込んでいろ!」
兵士は我こそはと手を上げて、自分の存在を主張している。俺は兵士達の中から無作為に五人選んだ。
「やった! ボリンガー様に選ばれたぞ!」
「絶対勇者様から一本取ってやる!」
選ばれた兵士達は皆大喜びしていた。城の兵士は随分俺に対して友好的なんだな……。これもゲルストナー達が兵士と一緒に長い間戦い続けてくれたからだろうか。
「それじゃ、一人ずつ相手をさせて貰いますね! 俺は魔法の剣を使いますから、皆さんは好きな武器を使って下さい」
俺が兵士に指示をすると、兵士達は稽古場の壁に掛かっている木製の武器を選んだ。剣が三人、槍が二人か。
「ボリンガー様! 私から参ります!」
一番最初に俺に挑んできたのは、槍を持った二十代くらいの女性だった。赤髪で気の強そうな眼つきをしている。
こうして俺のマジックソードを使った稽古が始まった。槍使いの兵士は俺に向かって一直線に飛びかかってきた。残念だが、俺は普段からアイリーンという最高の槍使いの動きを見続けてきた。槍使いとの戦い方は知り尽くしているつもりだ。
兵士は容赦なく俺の顔面に目がけて木製の槍で強烈な突きを放った。俺は右手に持つ魔法の剣で槍を弾いた。槍を弾いた感覚は、通常の剣とあまり変わらないな。切れ味は低い様だ。実際に戦闘で使用する時は切れ味を高めた状態で作り出した方が良いだろう。兵士は俺に槍を弾かれると、一旦後ろに後退した。次の一撃に備えているのだろうか。
俺からも行かせてもらおう……。遠くに離れた敵に対しては遠距離に特化した魔法で攻撃を仕掛ける! 借りるぞ……。聖戦士ヘルフリートの力。
『ソニックブロー!』
俺は魔法の剣を全力で振り下ろすと、剣の先からは青白い魔力の刃が放出された。デュラハンの大剣や、勇者の剣で放つよりも遥かに威力は弱い感じがするな……。俺がソニックブローを放つと、槍使いは愕然とした表情を浮かべた。
『ピアッシング!』
槍使いは回避が間に合わないと思ったのか、俺のソニックブローに対して魔力を込めた強力な突きを放った。ソニックブローに放たれた突きは、一瞬でソニックブローの威力にかき消され、魔法の刃は兵士の胴体に直撃した。
兵士は稽古場の端まで吹き飛ばされた。想像より威力が強かったな。だが、この程度の攻撃なら兵士も傷も負わないだろう。吹き飛ばされた兵士は腹部を抑えながら力なく立ち上がった。
「勝負あり!」
稽古を見ていた兵士の中から、聞き覚えのある声が勝敗を告げた。誰だ……?
「勇者様!」
丁度良いところで兵士と出会えたな。兵士に剣の稽古が出来る場所が無いか聞いてみる事にしよう。
「すみません。城内で剣の稽古が出来る場所はありませんか?」
「勇者様が稽古を? 勿論ございます! すぐにご案内致します!」
俺達は兵士に連れられて、しばらく城の中を進むと、中庭の奥にある稽古場に案内された。
「ここは兵士の訓練やエミリア様の剣術の訓練に使っている場所です! ご自由にお使いください!」
「ありがとうございます」
「勇者様! 私も勇者様の剣術を見学してもよろしいですか?」
「勿論構いませんよ。今回は普通の剣ではなくて魔法の剣ですが……」
「ありがとうございます!」
誰かに見られて剣の稽古をする事は恥ずかしいが、陛下から滞在を許可されている勇者としても、情けない姿は見せたくない。稽古場は床は頑丈な石で出来ており、天井は高く、体を動かすにはもってこいの場所だ。広々とした稽古場には先客が何人か居たが、俺達が稽古場に入ると、一斉に動きを止めた。
「ボリンガー様が稽古を……?」
「おい! 皆を呼んで来い! 凄いものが見られるぞ!」
俺が稽古をすると言っただけで稽古場には五十人以上の兵士が集まってしまった。意外と大事になってしまったな……。だが、やるしかない。マジックソードは基本的にはマジックシールドと作り方は同じだ。俺は剣のイメージを頭の中に描いた。長さは勇者の剣と同じ長さにしよう。ブロードソードよりも少し長く、ロングソードよりも短い剣。俺は精神を集中して、頭の中に強力な剣を想像した。
『マジックソード!』
魔法を唱えると、頭の中で想像していた剣が目の前の空間から現れた。
「おお! ボリンガー様が剣を作ったぞ!」
「あれが幻魔獣を召喚した勇者様の召喚の力か?」
剣はとても軽くて温かい。剣自体が青白く光り輝いており、魔力で出来た剣は自分の体の一部の様に感じる。無事にマジックソードを作り出せて良かった。ここで魔法に失敗したら格好悪いからな。
アルベルトさん曰く、魔力で作り出した武器で戦うのは召喚士として基本らしい。アルベルトさんは武器を召喚して戦うタイプの召喚士だ。反対に俺は召喚獣と共に、実物の武器を使って戦うタイプの召喚士だ。
次に俺がしなければならない事は、この剣の強さを計る事だ。見た目は何の変哲もない魔法の剣だが、剣は実際に使ってみなければ切れ味や丈夫さを確認する事は出来ない。誰かに剣術の稽古に付き合ってもらおうか?
アースウォールを作り出し、壁に対して攻撃を放って強度を確認するのも良いだろうが、これだけギャラリーが集まってしまったからには、少しは楽しませてあげた方が良いだろう。俺は兵士に協力してもらう事にした。
「誰かこの中で稽古に付き合ってくれる人はいませんか?」
俺が五十人近く集まった兵士に声を掛けると、兵達は目を輝かせて一斉に手を上げた。
「俺がやります! 勇者様!」
「いや! 俺がやるぞ!! お前は引っ込んでろ!」
「年長者の俺がやる! 若造は引っ込んでいろ!」
兵士は我こそはと手を上げて、自分の存在を主張している。俺は兵士達の中から無作為に五人選んだ。
「やった! ボリンガー様に選ばれたぞ!」
「絶対勇者様から一本取ってやる!」
選ばれた兵士達は皆大喜びしていた。城の兵士は随分俺に対して友好的なんだな……。これもゲルストナー達が兵士と一緒に長い間戦い続けてくれたからだろうか。
「それじゃ、一人ずつ相手をさせて貰いますね! 俺は魔法の剣を使いますから、皆さんは好きな武器を使って下さい」
俺が兵士に指示をすると、兵士達は稽古場の壁に掛かっている木製の武器を選んだ。剣が三人、槍が二人か。
「ボリンガー様! 私から参ります!」
一番最初に俺に挑んできたのは、槍を持った二十代くらいの女性だった。赤髪で気の強そうな眼つきをしている。
こうして俺のマジックソードを使った稽古が始まった。槍使いの兵士は俺に向かって一直線に飛びかかってきた。残念だが、俺は普段からアイリーンという最高の槍使いの動きを見続けてきた。槍使いとの戦い方は知り尽くしているつもりだ。
兵士は容赦なく俺の顔面に目がけて木製の槍で強烈な突きを放った。俺は右手に持つ魔法の剣で槍を弾いた。槍を弾いた感覚は、通常の剣とあまり変わらないな。切れ味は低い様だ。実際に戦闘で使用する時は切れ味を高めた状態で作り出した方が良いだろう。兵士は俺に槍を弾かれると、一旦後ろに後退した。次の一撃に備えているのだろうか。
俺からも行かせてもらおう……。遠くに離れた敵に対しては遠距離に特化した魔法で攻撃を仕掛ける! 借りるぞ……。聖戦士ヘルフリートの力。
『ソニックブロー!』
俺は魔法の剣を全力で振り下ろすと、剣の先からは青白い魔力の刃が放出された。デュラハンの大剣や、勇者の剣で放つよりも遥かに威力は弱い感じがするな……。俺がソニックブローを放つと、槍使いは愕然とした表情を浮かべた。
『ピアッシング!』
槍使いは回避が間に合わないと思ったのか、俺のソニックブローに対して魔力を込めた強力な突きを放った。ソニックブローに放たれた突きは、一瞬でソニックブローの威力にかき消され、魔法の刃は兵士の胴体に直撃した。
兵士は稽古場の端まで吹き飛ばされた。想像より威力が強かったな。だが、この程度の攻撃なら兵士も傷も負わないだろう。吹き飛ばされた兵士は腹部を抑えながら力なく立ち上がった。
「勝負あり!」
稽古を見ていた兵士の中から、聞き覚えのある声が勝敗を告げた。誰だ……?
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