185 / 188
第四章「騎士団編」
第百八十四話「開放の宴」
しおりを挟む
俺達は以前レイリス町で滞在した時に利用した宿に泊まる事にした。勿論、元奴隷達も一緒だ。部屋割りは、俺、ルナ、クーデルカ、アイリーン。ゲルストナーと元奴隷達の半分、それからガーディアンと残りの元奴隷達で泊まる事になった。
宿を決めてから俺は元奴隷達のために新しい服を用意した。新しい服を元奴隷達に渡すと、皆喜んですぐに服を着替えた。それから、俺は今後の活動について説明をするためにアルテミス大陸料理の店に移動した。この店は俺達のお気に入りの店だ。レイリス町で滞在していた時は毎日のように通った店。俺は仲間と元奴隷達を座らせてから料理を注文する事にした。
「葡萄酒を人数分と肉料理を適当に見繕って持ってきてくれるかな?」
「はい! かしこまりました」
俺はメニューも確認せずに注文をすると、すぐに葡萄酒が運ばれてきた。ゴブレットに入った葡萄酒を皆に配ると、俺はまず乾杯をする事にした。
「あなた達は今日、自由民となった。自由民は自分で仕事を選び、人生を決める。俺はあなた達にこれからの人生で喜びを与えられる自信がある。共に協力し合ってこれからの人生を生きてゆきましょう!」
俺がゴブレットを持ち上げると、元奴隷達も嬉しそうにゴブレットを持ち上げてから酒を飲み始めた。
「ボリンガー様。解放して下さってありがとうございます」
そう言ったのは戦争捕虜の男だった。
「気にする必要はないよ。ただ、これからの人生で俺の町作りを手伝ってくれればそれで良い」
「勿論、私にできる事なら何でも手伝うつもりです。ボリンガー様には感謝してもしきれません……」
戦争捕虜の男はそう言って涙を流した。奴隷生活から解放され、酒を飲んだ事でやっと自分達が自由民になった事を実感したのか、嬉しさのあまり泣き出す元奴隷が何人か居た。俺は料理が来るまでの間、町づくりについて詳しく説明した。まず、家が当分の間土の家になる事。
「土の家だとしても仕事と食料があれば十分に生きていけます。私達が奴隷だった頃は三日間も食事が与えられない事もありました……」
「ボリンガー様。私達はどんな環境でも生きていける自信があります。私達はボリンガー様にこれからの人生を託します」
「そうだ! 俺達は一生ボリンガー様と共に生きます!」
犬耳の男がそう言うと、他の元奴隷達も大きく頷いた。しばらく待つと料理が運ばれてきた。俺は料理を食べながら他の仲間の事やこれまでの冒険の話を聞かせた。成人の日に冒険者を目指して田舎の村を出た事、アイリーンや村娘を解放した事、魔王を倒して国王から称号を頂いた事など。俺が話をしている間、元奴隷達は目を輝かせて希望に満ちた顔で俺を見ていた。一通り冒険の話や町作りの話をしてから、今日は早めに休む事にした。
「それじゃ、明日は本拠地に行くからね、今日はゆっくり休むんだよ」
俺は元奴隷達を宿の部屋に戻してから自分達もすぐに休んだ。
〈翌朝〉
俺達は朝から早速本拠地に戻る事にした。レイリス町を出る前に、食料や服、その他生活に必要な物を買っておいた。それから、エイブラハムに渡すお土産の酒だ。彼は大酒飲みだから葡萄酒を樽ごと買ってドラゴンの背中に乗せた。
ブラックドラゴンにはアイリーンと元奴隷達が乗っている。今日は本拠地に戻ってアースウォールで家を建て、領地を囲う塀を建てなければならない。早速俺達はワイバーンとドラゴンを飛ばして本拠地に向かった。
「サシャ、奴隷は誰一人逃げ出さなかったわね」
そう言ったのはクーデルカだった。解放した元奴隷達が逃げ出す可能性はあったが、朝起きても誰一人姿をくらます事は無かった。
「そうだね、皆も新しい場所で人生をやり直したいんじゃないかな」
「真面目に働いてくれると良いけれど……」
「確かにね。だけど、しばらくは自由を楽しんで欲しいな。仕事と言っても今のところは木を切ったり、シュルスクを植えたり、単純な作業しか無いけど」
元奴隷達には楽に生きて欲しい。自由を満喫しながら明るい時間帯には簡単な仕事をして社会復帰して貰う。俺は彼らがしっかりお金を稼げるようなシステムを作るつもりだ。正直そこまでしてあげる義理も義務もないが、どうも放っておく事は出来ない。
「やっと本格的に町作りって感じだよね。頑張りすぎないようにね」
「大丈夫だよ。だけど俺達は最近働き過ぎかもしれないね。王国に戻ってきてからずっと働いているような気がする……」
「そうよ。たまには丸一日休んで私達と遊ぼうよ」
「そうしようか、今度休みを取るよ」
「うん、それが良いよ。私はサシャと遊びたい」
「俺もだよ、ルナ……」
それも良いかもしれないな、だが今は休める段階ではない。町作りが進んだらしばらく何もせずに休んで暮らすのも良いかもしれない。俺達は町作りに関するアイディアを交換し合いながら本拠地に向かうと、すぐに本拠地に到着した。
宿を決めてから俺は元奴隷達のために新しい服を用意した。新しい服を元奴隷達に渡すと、皆喜んですぐに服を着替えた。それから、俺は今後の活動について説明をするためにアルテミス大陸料理の店に移動した。この店は俺達のお気に入りの店だ。レイリス町で滞在していた時は毎日のように通った店。俺は仲間と元奴隷達を座らせてから料理を注文する事にした。
「葡萄酒を人数分と肉料理を適当に見繕って持ってきてくれるかな?」
「はい! かしこまりました」
俺はメニューも確認せずに注文をすると、すぐに葡萄酒が運ばれてきた。ゴブレットに入った葡萄酒を皆に配ると、俺はまず乾杯をする事にした。
「あなた達は今日、自由民となった。自由民は自分で仕事を選び、人生を決める。俺はあなた達にこれからの人生で喜びを与えられる自信がある。共に協力し合ってこれからの人生を生きてゆきましょう!」
俺がゴブレットを持ち上げると、元奴隷達も嬉しそうにゴブレットを持ち上げてから酒を飲み始めた。
「ボリンガー様。解放して下さってありがとうございます」
そう言ったのは戦争捕虜の男だった。
「気にする必要はないよ。ただ、これからの人生で俺の町作りを手伝ってくれればそれで良い」
「勿論、私にできる事なら何でも手伝うつもりです。ボリンガー様には感謝してもしきれません……」
戦争捕虜の男はそう言って涙を流した。奴隷生活から解放され、酒を飲んだ事でやっと自分達が自由民になった事を実感したのか、嬉しさのあまり泣き出す元奴隷が何人か居た。俺は料理が来るまでの間、町づくりについて詳しく説明した。まず、家が当分の間土の家になる事。
「土の家だとしても仕事と食料があれば十分に生きていけます。私達が奴隷だった頃は三日間も食事が与えられない事もありました……」
「ボリンガー様。私達はどんな環境でも生きていける自信があります。私達はボリンガー様にこれからの人生を託します」
「そうだ! 俺達は一生ボリンガー様と共に生きます!」
犬耳の男がそう言うと、他の元奴隷達も大きく頷いた。しばらく待つと料理が運ばれてきた。俺は料理を食べながら他の仲間の事やこれまでの冒険の話を聞かせた。成人の日に冒険者を目指して田舎の村を出た事、アイリーンや村娘を解放した事、魔王を倒して国王から称号を頂いた事など。俺が話をしている間、元奴隷達は目を輝かせて希望に満ちた顔で俺を見ていた。一通り冒険の話や町作りの話をしてから、今日は早めに休む事にした。
「それじゃ、明日は本拠地に行くからね、今日はゆっくり休むんだよ」
俺は元奴隷達を宿の部屋に戻してから自分達もすぐに休んだ。
〈翌朝〉
俺達は朝から早速本拠地に戻る事にした。レイリス町を出る前に、食料や服、その他生活に必要な物を買っておいた。それから、エイブラハムに渡すお土産の酒だ。彼は大酒飲みだから葡萄酒を樽ごと買ってドラゴンの背中に乗せた。
ブラックドラゴンにはアイリーンと元奴隷達が乗っている。今日は本拠地に戻ってアースウォールで家を建て、領地を囲う塀を建てなければならない。早速俺達はワイバーンとドラゴンを飛ばして本拠地に向かった。
「サシャ、奴隷は誰一人逃げ出さなかったわね」
そう言ったのはクーデルカだった。解放した元奴隷達が逃げ出す可能性はあったが、朝起きても誰一人姿をくらます事は無かった。
「そうだね、皆も新しい場所で人生をやり直したいんじゃないかな」
「真面目に働いてくれると良いけれど……」
「確かにね。だけど、しばらくは自由を楽しんで欲しいな。仕事と言っても今のところは木を切ったり、シュルスクを植えたり、単純な作業しか無いけど」
元奴隷達には楽に生きて欲しい。自由を満喫しながら明るい時間帯には簡単な仕事をして社会復帰して貰う。俺は彼らがしっかりお金を稼げるようなシステムを作るつもりだ。正直そこまでしてあげる義理も義務もないが、どうも放っておく事は出来ない。
「やっと本格的に町作りって感じだよね。頑張りすぎないようにね」
「大丈夫だよ。だけど俺達は最近働き過ぎかもしれないね。王国に戻ってきてからずっと働いているような気がする……」
「そうよ。たまには丸一日休んで私達と遊ぼうよ」
「そうしようか、今度休みを取るよ」
「うん、それが良いよ。私はサシャと遊びたい」
「俺もだよ、ルナ……」
それも良いかもしれないな、だが今は休める段階ではない。町作りが進んだらしばらく何もせずに休んで暮らすのも良いかもしれない。俺達は町作りに関するアイディアを交換し合いながら本拠地に向かうと、すぐに本拠地に到着した。
1
あなたにおすすめの小説
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜
沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。
数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる