召喚物語 - 召喚魔法を極めた村人の成り上がり -

花京院 光

文字の大きさ
188 / 188
第四章「騎士団編」

第百八十七話「新たな旅」

しおりを挟む
 パーティー参加者:サシャ、ルナ、キング、クーデルカ、シルフ、シャーロット、ゲルストナー、アイリーン、クリスタル、クラウディア、オーガ、ガーゴイル、エイブラハム、エミリア。

「皆、今日は集まってくれてありがとう。今日は俺達がこれから新しい人生を始める記念すべき日だ。大いに楽しんでくれ」

 俺が簡単に挨拶をするとパーティーが始まった。サイクロプスもパーティーに参加したがっていたが、体が大きすぎて家の中には入れなかった。どうやらワイバーンが捕らえてきた獲物をユニコーンとドラゴン達と一緒に家の外で食べている様だ。俺はクリスタルの隣に座る事にした。

「クリスタル! 新しい家はどうだい? ガーゴイルと二人では随分広いんじゃないかな?」
「師匠! 立派な家をありがとうございます! 師匠の屋敷ほどではありませんが、とても広くて満足しています!」

 クリスタルは美味しそうに料理を食べながら葡萄酒を飲んでいる。

「それは良かったね! クリスタルはこれからどうするつもり? 冒険の旅に出るのかな?」
「はい、実はそろそろ冒険の旅に出たいと思っています。師匠の様な優れた召喚士になるために!」
「俺が優れているかは分からないけど、クリスタルは既に立派な召喚士だと思うよ」

 クリスタルが召喚したガーゴイルとサイクロプスはクリスタルに従順で、常に人を助けようと頑張って生きている。

「ありがとうございます! 師匠はこれからどうするんですか?」
「俺はしばらくここで町作りをするよ。屋敷は完成したけど、まだまだ町とは言えないからね。そろそろ復興の手伝いも終わると思うから、復興が終わり次第町作りを本格的に始めようと思う。町作りが終わったら……俺達も旅に出るかもしれないね」

 そうか、やはりクリスタルは旅に出る様だ。クリスタルの旅の出発までにフランシスを育てる事が出来るならそれが一番良いが、今のフランシスでは従者としての任務を果たせないだろう。ゆっくりとフランシスを育てるとしよう。俺がクリスタルと話をしていると、エミリアが隣の席に移動してきた。

「サシャ。屋敷の完成おめでとう。これからは本格的に町作りをするのかな?」
「ありがとうエミリア。そうだね、復興の手伝いもそろそろ終わりそうだし、これからは本格的に町作りをするよ。勿論、町作りをしながらエミリアの魔法授業もするからね」
「勿論よ。これからもよろしくね、私の勇者様」

 エミリアとは最近随分親しくなった。毎日のエミリアとの魔法授業が楽しくて仕方がない。エミリアはすぐに優秀な魔術師になるだろう。この大陸に住む民を守れるような偉大な魔術師に……。俺達はそれから夜遅くまでパーティーを楽しんだ。俺はエミリアを城に戻してから屋敷に戻った……。


〈サシャ達の寝室〉

「サシャ。今日は楽しかったわね。クリスタルもゲルストナーも居ないと何だか不思議な気分だわ」

 クーデルカは紫色のネグリジェに着替えてベッドに横になっている。

「そうだね。同じ家に居ないだけでこんなに寂しいとはね。でも、いつでも会いに行ける距離に居てくれるのは嬉しいよね」
「そうね。これからは本格的に町作りが始まるのね……」
「あぁ、これから俺達の新しい人生が始まる。町を作って冒険者を呼んで……俺達もいつかまた冒険の旅に出よう」

 俺はベッドで横になるクーデルカの隣に座った。

「今まで色々な事があったわね。山脈を越えたり、魔王を倒したり。サシャは少し頑張りすぎじゃないかしら? もっと私達を頼って良いのよ」

 俺は冒険の旅に出てから仲間を守るために必死で生きてきた。これからは少し楽に生きても良いのではないだろうか。この町で落ち着いて暮らすのも良いかもしれない。俺は十五歳の成人の日に冒険の旅に出た。父の様な偉大な冒険者になるために……

 旅に出て多くの仲間が出来た。俺は今日まで余りにも忙しく生きてきた。これからは少しゆっくり生きよう……。以前から考えていた事だが、いつか俺に子供ができたら剣術と魔法を教えて立派な冒険者に育てたい。いつか結婚をして子供が欲しい……。旅に出てから今までずっと一緒に居てくれた彼女の子供が……。

「ルナ、一緒に寝ようか」

 俺は今日もルナを抱いて眠りに就いた……。



〈十六年後〉

「お父様! 俺、今日出発するよ!」

 そう言ったのは俺の息子、レオンハルトだ。息子の名前は俺に勇者の剣を託した魔王、レオンハルトの名前を付けた。今日は彼の十五歳の誕生日、俺と同じ成人の日に冒険の旅に出る事を決めたらしい。

「お母様! 俺、手紙を書くからね! お父様をよろしく!」

 俺の息子はルナに別れの挨拶をした。俺は旅のパートナーとして特別にユニコーンを貸してあげた。

「ユニコーン、レオンハルトをよろしく頼むよ」

 俺がユニコーンのたてがみを撫でて別れの挨拶をすると、レオンハルトはユニコーンに飛び乗った。

「それでは、お父様、お母様、立派な冒険者になったら帰ってくるよ! 俺はお父様を超える冒険者になる!」
「ああ、楽しんでこいよ!」

 俺は大きくなった息子を見送って屋敷に戻った。

「サシャ、レオンハルト、大丈夫かな……」
「大丈夫さ。俺とルナの息子だ。すぐに立派な冒険者になるさ」

 俺は屋敷が完成した翌月、ルナと結婚した。俺がずっと好きだった女性だ。勿論、俺とルナが結婚してからも他の仲間達と同じ屋敷で暮らしている。

「息子も旅に出た事だし、これからはゆっくり過ごそうか……」


 フランシスは立派な従者としてクリスタルと生活をしている。

 ゲルストナーとクラウディアは、俺達が結婚した翌年に結婚をした。ゲルストナーは夢だった『人間と魔物が共存できる町』を作り上げた。町には彼が育成した魔物で溢れている。俺達の町は魔物と人間が暮らす町だ。

 エドガーとアルベルトは、魔大陸から戻ってすぐに俺の町にギルドを建てた。召喚士ギルドと海賊ギルドだ。

 シルフとシャーロットは二人で店を開いた。シュルスクのパイとポーションの専門店だ。

 エイブラハムの店は大盛況だ。エイブラハムの武器を買うためにわざわざ遠方から訪れる冒険者も多い。

 キングは毎日のんびりと暮らしている。たまにレオンハルトに魔法を教えている事もあるが、息子には幻魔獣の魔法は使いこなせない様だ。

 クーデルカとアイリーンは俺がルナと結婚してからもいつも一緒に居る。きっと俺達は死ぬまで仲良く暮らすに違いない。

 オーガはエイブラハムに弟子入りし、武器や防具の作り方を学んでいる。レオンハルトが冒険で使う装備は彼が全て作り上げた。

 こうして今日、十五歳の成人の日に、レオンハルト・ボリンガーの冒険が始まった……。俺は息子の旅立ちを見送ると食事の準備に取り掛かった。

「ルナ、今日は何を食べようか」
「う~ん、肉が良い! サシャ! ドラゴンの肉とってきて!」

 俺は今日もルナの無理な願いを叶えるためにワイバーンの背中に飛び乗った。

「ワイバーン! 今日も頼むぞ!」

 息子は立派に成長し、冒険者として旅立った。これからは俺達の人生を楽しもう……。


 ー完ー
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜

沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。 数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜

のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、 偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。 水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは―― 古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。 村を立て直し、仲間と絆を築きながら、 やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。 辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、 静かに進む策略と復讐の物語。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

処理中です...