魔法物語 - 倒したモンスターの魔法を習得する加護がチートすぎる件について -

花京院 光

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第二十三話「パーティーの方針」

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 気がつくとララは俺の顔に頬ずりをしていた。
 モフモフした白い毛が俺の顔に触れる。

「アルフォンス。デュラハンはあなたのメテオで息絶えたわ」
「そうか……それは良かった。誰も怪我はないかい?」
「ええ。キングがヒールを掛けてくれたから、大きな怪我は無いわ」

 辺りを見渡してみると、無数のモンスターの死骸と、メテオの下敷きになっているデュラハンが居た。
 俺達はモンスターの素材と、敵が使用していた装備を全て持ち帰る事にした。
 大量の戦利品は俺達だけでは運びきれなかったので、ギレーヌとグレゴールさんを呼んで、アイテムを回収した。

 俺はデュラハンが使用していたクレイモアを持ち帰る事にした。
 重量的にも、今の俺に使いこなせる武器では無いが、筋力を鍛えるためには使えるかもしれない。
 愛用のブロードソードよりも何倍も重いからな。
 クレイモアを構えるだけでも、全身の筋肉を総動員しなければならない。

 戦利品を回収した俺達は、遺跡を見て回り、闇属性のモンスターが潜んでいないか確認した。
 これでグロスハイムに戻ればクエスト完了だ。
 俺達はすぐに遺跡を出た。

 予想外の敵の多さに面食らったが、戦い慣れているスケルトンとレッサーデーモンだったから、俺達は特に苦戦もしなった。
 しかし、デュラハンの強さは予想以上だった。
 エンチャントを掛けたブロードソードの攻撃が一切効かなかったのだからな。
 攻撃が当たればダメージは通っただろうが、俺の剣ではデュラハンを捉えられなかった。
 まだまだ剣の訓練が必要なのだろう。

 また、魔力に関しても明らかに不足していた。
 複数のメテオを同時に落とす訓練も行わなければならない。
 もし、デュラハンとの戦闘で、ヴィクトリアが魔力を分けてくれなかったら、俺達の勝利は無かっただろう。
 俺はヴィクトリアの小さな頭を撫でた。

「ヴィクトリア。さっきは魔力を分けてくれてありがとう」
「良いのよ……」

 ヴィクトリアは口数は少ないが、常に俺と共に居てくれる。
 最近は俺の肩の上が定位置なのか、俺の首に尻尾を巻き付けながら体を固定している。

「アルフォンス。もう無茶な魔法は使わないでね」
「ああ、気をつけるよ。ヴィクトリア」

 デュラハンを倒すために、メテオを三つ同時に作り上げた訳だが、明らかに魔力が足りなかった。
 更に魔法の訓練を積み、徹底的に魔力を鍛える必要がありそうだ。
 グリムリーパーとの戦闘までには、最低でもレベル30にはなるつもりだ。
 レベルが高ければ強いという訳では無い事を、デュラハンの剣技を受けて改めて実感した。
 これからは筋力と魔力を強化しつつ、戦い方の訓練も行わなければならない。
 忙しい毎日になりそうだ……。


 デュラハン討伐を終えた日から、俺達は一日の移動の時間を減らし、剣と魔法の訓練の時間を増やした。
 ララもゲオルグも、自分の剣がデュラハンに通用しなかった事が悔しかったのか、二人は協力して剣の稽古をしている。
 リーゼロッテは普段通り、自分のペースで魔法を練習している。
 アイスボルトの魔法の使い勝手が良いのだろうか、暇な時は常に氷から矢を作り出している。
 グレゴールさんと俺は毎晩剣の稽古を行っている。
 剣術の腕はグレゴールさんの方が上だが、俺の方が魔力が高いので、剣を使った戦闘の実力はほぼ同等だ。

 遺跡を出発してから二週間後、俺達は久しぶりにグロスハイムに帰還した。
 今回もゲオルグは町の外で待機する事になった。
 しばらくはグロスハイム付近の森の中で野営をしながら、剣と魔法を徹底的に鍛える事に決めた。
 本来ならグロスハイムの宿に泊まりたいのだが、従魔だけ外で待機するのは可哀相だからな。

「それじゃゲオルグ。すぐ戻ってくるよ」
「アルフォンスよ。上等な葡萄酒と肉を買ってきてくれ」
「ああ。分かった」

 俺とララ、ヴィクトリア、リーゼロッテ、キングはデュラハンの討伐を報告するために魔術師ギルドに向かい、グレゴールさんとギレーヌは今回の旅で製作したアイテムを売るために、魔法道具屋や宝飾品の店を回る事になった。
 スケルトンとレッサーデーモンが使用していた武器は、ギレーヌの溶解炉で溶かし、インゴットとして保管している。
 今回販売するのは、ギレーヌが作り上げたドレインの指輪とマナシールドの首飾り、それから俺とキングが製作した魔石だ。
 ファイアの魔石とアースの魔石、ロックストライクの魔石を売る事になった。
 グレゴールさん達と別れた俺達は、すぐに魔術師ギルドに向かった。


 魔術師ギルドの扉を開けると、アンジェラさんが嬉しそうに近づいてきた。
 彼女は何も言わずに笑みを浮かべ、俺を強く抱きしめてくれた。
 アンジェラさんの豊かな胸が俺の体に当たる。
 信じられない程柔らかくて暖かいな。

「アルフォンス! 随分遅かったのね。ずっとあなたの事を待っていたわ」
「今戻りました。アンジェラさん。デュラハン討伐後、剣と魔法の訓練をしていたので、当初の予定より少し時間が掛かってしまいました。これがデュラハンが使用していた武器です」

 俺はクレイモアと、デュラハン討伐を証明するギルドカードを提示した。
 ギルドカードにはデュラハンの討伐数が記載されているからな。

「討伐を確認したわ。アルフォンス、デュラハンの討伐クエストを受けてくれてありがとう。本当に助かったわ」
「いいえ。少しでもギルドの役に立てたなら光栄です。これからも討伐すべきモンスターが居たら教えて下さいね」
「ええ、分かったわ。それで、これからどうすつもり?」

 アンジェラさんは俺の手を握りながら微笑んだ。
 やはり久しぶりのアンジェラさんは良いな……。
 一緒に居るだけで心が落ち着く様だ。

「そうですね……次はフォルスターに巣食うモンスターを駆逐します。グリムリーパーに余裕を持って勝てる様に、まずは俺自身がレベル30になるまで、訓練を積むつもりです」
「レベル30か、アルフォンスはどんどん強くなっていくのね」
「俺はただ……ずっと魔法が使えなかったので、魔法を使える今の生活を守りたいだけなんです。フォルスターを再生するのはそのためなんですよ。俺は自分の加護を、生活を守るために、グリムリーパーを討ちます」
「フォルスターからモンスターが消えたら、いつか私の事も招待して頂戴ね」
「はい。勿論ですよ! アンジェラさん」
「そうだ、アルフォンス。ちょっと待っていてくれる?」

 アンジェラさんはギルドの奥の部屋にはいると、大きな箱を抱えて来た。
 一体この箱には何が入っているのだろうか。

「魔法の訓練をするならマナポーションが必要でしょう?」

 箱の蓋を開けると、中にはマナポーションの瓶が詰まっていた。
 五十個以上はあるのではないだろうか。

「アルフォンスが居ない間に作り溜めておいた物なのだけど、受け取ってくれる?」
「こんなに頂いて良いんですか!?」
「ええ。あなたのために作った物だから……クエストの報酬を受け取らないなら、せめて私に出来る支援がしたいの」
「ありがとうございます……アンジェラさん。このお礼はいつか必ずしますね」

 俺はアンジェラさんからマナポーションを頂くと、魔術師ギルドを出てから市場に向かった。
 ゲオルグに頼まれていた葡萄酒と肉を購入した後、すぐにグレゴールさん達と合流した。
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