魔法物語 - 倒したモンスターの魔法を習得する加護がチートすぎる件について -

花京院 光

文字の大きさ
25 / 27

第二十五話「廃村奪還」

しおりを挟む
 グロスハイムから馬車で移動する間に、俺達は作戦を練る事にした。
 作戦は非常にシンプルだ。
 俺のメテオストームとリーゼロッテのブリザードを使用し、短時間でフォルスターを落とす。
 フォルスターには朽ち果てた建造物が点在しているが、一度全ての建物を破壊して、村を再生しようと思う。
 ベルギウス氏の魂が眠る墓地だけは守らなければならないが、村に巣食うモンスターを討伐した後は、全ての瓦礫を撤去しなければならない。
 不必要な過去の遺物は撤去し、新たな文化を築く。
 俺は仲間を集めて今回の作戦について話し合う事にした。

「今回の作戦は、デュラハン討伐作戦よりも敵の数が少ないとは思いますが、グリムリーパーの正確な数が不明なので、敵に気づかれる前に、一体でも多くのグリムリーパーを討とうと思います。前回、フォルスターを偵察した時は、屋外にグリムリーパーが三体居たので、最低でも三体のグリムリーパーを狩る必要がありそうです」
「平均レベルが25のグリムリーパーが三体か、それ以外にもスケルトンも巣食っているのだろう?」
「はい。スケルトンは四十体程だと思いますが、低レベルのスケルトンに関しては無視して良いと思います。まずは先にグリムリーパーを叩きます。その後、残ったスケルトンを排除しましょう」

 まずは高レベルのグリムリーパーを狩り、次にスケルトンを狩る。
 厄介な敵から倒した方が良いだろう。

「陣形は決めているのか?」
「はい。前衛が俺、ララ、グレゴールさん。まずはこの三人で廃村に近づき、俺がメテオストームを放ちます。攻撃に気がついた敵が俺達に向かって来た瞬間、リーゼロッテが上空からブリザードを放ちます。多分、リーゼロッテのブリザードの一撃で、グリムリーパーに大ダメージを与え、スケルトンの大半を凍らせる事が出来ると思うので、敵の数は俺達パーティーの数と同等まで減ると思います。また、戦闘時の回復はキングに任せます。俺がキングを背負いながら戦うので、負傷した人はすぐにキングの手当を受けて下さい」

 俺がキングを抱き上げると、キングは自信に満ちた表情で俺を見つめた。

「ブリザードが廃村全体にダメージを与えた後、ゲオルグとヴィクトリアは廃村の裏手から侵入し、グリムリーパーの背後から攻撃を仕掛ける。これで大丈夫かな?」
「うむ。任せておけ」
「私とゲオルグで不意打ちを掛ければ良いのね」
「そういう事だよ」

 馬車とギレーヌは廃村から離れた場所で待機。
 シンプルな作戦だが、メテオストームとブリザードで大半の敵は倒せるだろう。
 グリムリーパーの強さに関しては未知数だが、俺達はある秘策を生み出した。 
 キングが聖属性のエンチャントの魔法を習得したので、パーティーメンバー全員の武器に聖属性が付与されているのだ。
 これでグリムリーパーとの戦闘は圧倒的に有利になる。
 それに、ギレーヌが今回の作戦のためにメンバー全員の防具を製作した。
 物理攻撃に対する防御力も大幅に強化されている。

 グリムリーパー討伐に向けてグロスハイムを出発した俺達は、二日間馬車を走らせて、フォルスターに到着した。
 徒歩で移動すれば五日掛かる距離が、馬車なら半分以下の時間で来られるのだから、フォルスターが再生すれば、グロスハイムからの行商人や冒険者の訪問も期待できそうだ。

「みんな、配置に付いて下さい」

 俺は仲間に指示を出すと、ついに作戦を決行する事にした。
 フォルスターからは相変わらず禍々しい闇の魔力を感じるが、俺自身の魔力が大幅に強化されたからだろうか、フォルスターの魔力を肌に感じても少しも恐怖心が沸かない。
 勝てる……。
 勝つしか無いんだ。

 廃村の入り口付近で身を隠す。
 村には黒いローブに身を包み、大鎌を構えたグリムリーパーが五体徘徊していた。
 スケルトンの数は以前よりも多く、村の至る所にメイスやランスを構えたスケルトンが巣食っている。
 大体八十体程は居るのではないだろうか。

「あれがグリムリーパーか……」
「ええ。グレゴールさん、今日この戦いが終われば俺達の新たな生活が始まるんです。やりましょう……未来のために」
「ああ。俺達の力でフォルスターを奪還しよう!」

 俺の隣ではララがレイピアを抜き、グレゴールさんが緊張した面持ちでロングソードを構えている。
 俺は両手を上空に向け、魔力を放出した。

「メテオストーム……」

 小声で魔法を唱えると、上空には炎を纏う大岩が三つ現れた。
 レベル35まで強化した魔力から作られたメテオは、物凄い速度でフォルスターの大地に落下した。
 巨大な爆発音が静かな森の中に劈いた。
 今の一撃でグリムリーパーが一体下敷きになり、スケルトンの大半は吹き飛ばされた様だ。
 これは都合が良い。

 突然の攻撃に狼狽するモンスターの群れに対し、リーゼロッテが上空からブリザードを放った。
 廃村は一瞬で強烈な冷気に包まれ、スケルトンの群れは氷漬けになった。
 残るは四体のグリムリーパーのみだ。

 俺は聖属性のエンチャントが掛かったブロードソードを握り締め、廃村に突撃した。
 グリムリーパーは俺の姿を見るや否や、悍ましい表情を浮かべて大鎌の一撃を放ってきた。
 俺は大鎌の一撃を回避し、予め左手に準備しておいた炎を放出した。
 グリムリーパーは一瞬で火だるまになったが、ダメージは少ないようだ。
 全身が炎に包まれているにも拘らず、表情ひとつ変えずに攻撃を続ける。
 恐ろしいモンスターだ。

 ララとグレゴールさんは残る三体のグリムリーパーの相手をしている。
 早くこちらを片付けて加勢しなければ。
 二体のグリムリーパーはララに対して交互に大鎌の攻撃を仕掛けるも、ララの回避速度の前では、グリムリーパーの大ぶりの攻撃がララの間合い入る事も無い。
 圧倒的な回避速度で敵の攻撃を掻い潜り、敵に隙きが出来た瞬間にのみ、魔力を込めた強烈な突きを放つのがララの戦い方だ。
 ララの剣には風のエンチャントと、キングが掛けた聖属性のエンチャントが掛かっている。
 銀色の光と強い風を纏うレイピアの一撃がグリムリーパーの胴体を捉えた。

 瞬間、グリムリーパーが爆発的な咆哮を発した。
 耳を劈く巨大な咆哮が静かな森の中に響くと、廃村の周囲からは闇属性のモンスターが次々と姿を現した……。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

最強の異世界やりすぎ旅行記

萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。 そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。 「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」 バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!? 最強が無双する異世界ファンタジー開幕!

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

神に祝福された善良なるおっさん、破壊と創造の魔法で人生やり直します!

厳座励主(ごんざれす)
ファンタジー
辺境の貧しい村に生まれたランド・バーナード。 幼い頃から家族を支え、介護と労働に明け暮れる日々を送っていた。 友達と遊ぶことも、夢を追うことも諦め、気づけば三十七歳。 母を看取り、ようやく自由を手にしたある夜、ふと彼は思う。 「あれ……俺、これから何をして生きればいいんだろう」 そんな虚無の中で、彼の善良さに心を打たれた二柱の女神が現れた。 授けられたのは二つの魔法――『破壊』と『創造』。 やりたいことも、成すべきことも分からぬまま、ランドは森で傷だらけの少女を見つける。 その小さな出会いが、止まっていた彼の人生を再び動かした。 冒険者ギルドに入り、仲間を作って、初めてのクエストに挑む。 年甲斐もなく胸を高鳴らせながら、ランドは知った。 『青春は、何歳からでも始められるのだ』と。 ――三十路のおっさんでも、壊れた人生でも、何度だって創り直していこう。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

幼馴染パーティーから追放された冒険者~所持していたユニークスキルは限界突破でした~レベル1から始まる成り上がりストーリー

すもも太郎
ファンタジー
 この世界は個人ごとにレベルの上限が決まっていて、それが本人の資質として死ぬまで変えられません。(伝説の勇者でレベル65)  主人公テイジンは能力を封印されて生まれた。それはレベルキャップ1という特大のハンデだったが、それ故に幼馴染パーティーとの冒険によって莫大な経験値を積み上げる事が出来ていた。(ギャップボーナス最大化状態)  しかし、レベルは1から一切上がらないまま、免許の更新期限が過ぎてギルドを首になり絶望する。  命を投げ出す決意で訪れた死と再生の洞窟でテイジンの封印が解け、ユニークスキル”限界突破”を手にする。その後、自分の力を知らず知らずに発揮していき、周囲を驚かせながらも一人旅をつづけようとするが‥‥ ※1話1500文字くらいで書いております

異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?

よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ! こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ! これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・ どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。 周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ? 俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ? それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ! よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・ え?俺様チート持ちだって?チートって何だ? @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。

神眼の鑑定師~女勇者に追放されてからの成り上がり~大地の精霊に気に入られてアイテム作りで無双します

すもも太郎
ファンタジー
 伝説級勇者パーティーを首になったニースは、ギルドからも放逐されて傷心の旅に出る。  その途中で大地の精霊と運命の邂逅を果たし、精霊に認められて加護を得る。  出会った友人たちと共に成り上がり、いつの日にか国家の運命を変えるほどの傑物となって行く。  そんなニースの大活躍を知った元のパーティーが追いかけてくるが、彼らはみじめに落ちぶれて行きあっという間に立場が逆転してしまう。  大精霊の力を得た鑑定師の神眼で、透視してモンスター軍団や敵国を翻弄したり、創り出した究極のアイテムで一般兵が超人化したりします。  今にも踏み潰されそうな弱小国が超大国に打ち勝っていくサクセスストーリーです。  ※ハッピーエンドです

スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜

もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。 ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を! 目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。 スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。 何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。 やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。 「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ! ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。 ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。   2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!

処理中です...