好感度が100%超えた魔物を人間化&武器化する加護がチートすぎるので、魔物娘を集めてハーレムパーティーを作ろうと思う

花京院 光

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第一章「冒険者編」

第二十話「魔物の言葉を理解出来る能力は控えめに言っても最強だと思う」

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 暫く馬車を走らせていると、若い女性が馬車の前に飛び出してきた。
 服は破け、髪は乱れており、靴すら履いていない。
 どこかで魔物の襲撃を受けたのだろうか。

「助けて下さい! 九尾の狐きゅうびのきつねに襲われました……!」
「怪我はありませんか!?」
「はい……私は大丈夫です……」

 二十代前半程の女性が俺にもたれかかってくると、静かにすすり泣いた。
 馬車の家の中に招き入れ、熱い紅茶を淹れる。
 銀色の髪を長く伸ばした美しい女性が目を泣き晴らしながら俺を見つめた。

「みっともない所をお見せしました。私は行商人のハンナ・リヒターと申します」
「俺は冒険者のラインハルト・シュヴァルツです。九尾の狐に襲われたというのは本当ですか?」

 九尾の狐と言えば、地属性、Aランクの魔物。
 妖狐とも呼ばれており、人間の姿に化ける事が出来る特殊な魔法の使い手だ。
 生息数が少なく、迷宮都市アドリオンでは一度も九尾の狐の目撃情報はない。

「はい。私はアドリオンからイステルに向けて旅をしていたのですが、突如現れた九尾の狐に馬車を破壊されました……」
「護衛等は付けずに一人で行商の旅をしていたんですか?」
「いいえ、レベル40の冒険者を五人雇っていました。それでも九尾の狐には敵わず、仲間は私を見捨ててイステルを目指しました。積み荷を失った私は途方に暮れながらアドリオンに逆戻りしていたんです……」

 すっかり疲れ果てたリヒターさんが涙をゆっくりと紅茶を飲んだ。
 フローラは深刻そうにリヒターさんの話を聞き、彼女の肩に手を置いている。
 エリカは何が面白いのか、口元に笑みを浮かべながら俺の隣に座っている。

「確か黒竜刀の状態なら念話を使えるのだったな?」
「え……? それはそうだけど……」

 エリカが俺に耳打ちをすると、俺はエリカに手を引かれて馬車を出た。
 一体何を考えているのだろうか。
 仲間に見捨てられ、荷物を奪われて傷心している女性を残して俺を呼び出すとは。

「私を武装しろ。リヒターからは何か不純な魔力を感じる……」
「え? それはどういう……?」
「さぁ、いいから早く」
「わかった。エリカ・武装」

 瞬間、エリカの体が炎に包まれ、黒い鞘に入った刀に変化した。
 封印や武装の瞬間は何度見ても面白い。

『人を見る目がないラインハルトに少し知恵を授けてやろう』

 脳内に響くエリカに声に対し、心の中でエリカに語り掛ける。

『一体どういう目的で黒竜刀になったんだい?』
『リヒターは九尾の狐に襲撃されたと言っていただろう?』
『ああ、それがどうかしたのか? 確か、九尾の狐って人間には友好的な魔物じゃない筈だし、襲われても仕方がないんじゃないかな。というより、森でAランクの魔物と遭遇して生き延びている事自体が奇跡みたいなものだけど』
『そこなんだ。どうして商人ごときがAランクの魔物から逃げられると思った? もし私が本気でラインハルトを殺そうとしたら、お前なら私から逃げられると思うか?』
『いや……多分五秒も持たずに捕まると思うけど』
『つまり、九尾の狐が狙っていたのは奴の荷物という訳。リヒター自身を殺したければ一撃で仕留められる力を持っている魔物なのだからな』

 エリカの推理を聞きながら馬車の家に戻る。
 フローラは相変わらず心配そうにリヒターさんの肩に触れている。

「よろしければ私をイステルまで送ってくれませんか? このままアドリオンに戻っても商人仲間に恥を晒すだけですし……」
「それは構いませんよ」

 フローラが御者台に乗り、ウィンドホースの手綱を握って馬車を走らせた。
 一体九尾の狐はどんな荷物を狙って馬車を襲撃したのだろうか。

『ウィンドホースという魔物は非常に嗅覚が優れている。きっとリヒターの体に染みついた匂いの正体を知っている事だろう……』
『九尾の狐を刺激する品物を持って森に入り、襲撃されたという訳か。それにしても、どんな物を使えば九尾の狐を刺激出来るのだろうか』
『ウィンドホースと話してみればすぐに分かる事だ』

 一度馬車を停め、周囲を確認するふりをしながらウィンドホースの肉体に触れた。

「君はリヒターさんがどんな荷物を運んでいたのか知っているのかい?」
「……荷物? あの女の人からはシルバーフォックスの匂いがしたよ。きっとシルバーフォックスを殺して毛皮を剥いだんだろうね。ところで、ご飯はまだ? さっきから働きっぱなしなんだけど」
「ごめんごめん、ゴブリンとの戦闘でも活躍してくれてありがとう」
「どういたしまして」

 バケツを地面に置いて、水の魔石を左手に握る。
 右手をバケツに向けて魔力を放出し、ウィンドホースに水を与える。
 それから大量の野菜やシュルスクの果実を与えた。
 視界の端に好感度が浮かんでいる。

『Lv.25 Dランク・ウィンドホース 好感度:55%』

 フローラやエリカよりは好感度の上がり方が遅い。
 それでも数日中に封印出来るだろう。
 ウィンドホースが人間になればどんな見た目になるのだろうか。

『聖属性、Cランクのシルバーフォックス。毛皮の取引は二年前から禁止されていた筈なんだけど……』
『そろそろリヒターの正体が判明しそうだな』
『魔物保護法によって討伐が禁止されている魔物を討伐すれば、五年以下の懲役か三百万ゴールド以下の罰金が科される事に決まったんだ』
『違法にシルバーフォックスを討伐し、毛皮をイステルに持ち込もうとしたら九尾の狐に目を付けられて襲撃されたという訳か。全く愚かな女だ』

 だが、彼女がシルバーフォックスの毛皮を運んでいたという証拠はない。
 馬車も破壊され、荷物は九尾の狐の奪われたのだから。
 イステルの衛兵に突き出すにしても、彼女を咎める事すら厳しいだろう。

「リヒターさん、馬車にはどんな荷物を積んでいたんですか?」
「え? 荷物ですか……? アドリオンで仕入れた武具ですよ。アドリオンはイステルよりも冒険者が多く暮らしているので、良質な武具が安く手に入るんです」
「そうですか。それではイステルを目指して進みましょう。途中で九尾の狐と遭遇しなければ良いのですが……」

 疑惑が確信に変わった。
 人間より千倍以上も嗅覚が良いウィンドホースが積み荷の匂いを間違える訳がない。

 それにしても、エリカ以外のAランクの魔物がこんなに近くに居たとは運が良い。
 九尾の狐も封印してパーティーに勧誘しよう。

 暫く馬車を走らせると、遥か彼方から巨体の魔物が跳躍し、馬車の前に着地した。
 ブラックドラゴン時のエリカに負けず劣らず、途方もない図体の狐。
 銀色の体毛に包まれたAランク、地属性の魔物、九尾の狐が現れた……。
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