レッドストーン - 魔王から頂いた加護が最強過ぎるので、冒険者になって無双してもいいだろうか -

花京院 光

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第二章「魔石編」

第六十四話「ラインハルトとフローラ」

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 アイゼンシュタイン城に入ると、陛下とエレオノーレさんが駆け付けてきた。二人は大粒の涙を流し、フローラを抱きしめた。フローラは初めて自分の目で見る陛下とエレオノーレさんに戸惑いながらも、時間を掛けてゆっくりと二人を見つめた。

 ついに家族の顔を見れる様になったフローラは、柔和な笑みを浮かべ、何度も熱い抱擁を交わした。それからエレオノーレさんが俺の頬に口づけをし、陛下は俺を強く抱きしめてくれた。

「フローラ、ラインハルト! 大使としての役目を終えて戻って来たのだな。既に二人の功績はアイゼンシュタインに届いておる。ファルケンハインの国王から手紙を頂いたのだ。ファルケンハインの冒険者を救い、古代のダンジョンに蔓延る魔物を殲滅。レッドドラゴンを討伐してレッドストーンを入手し、聖剣を手に入れたのだな。ラインハルトは冒険者としての功績が認められ、勇者の称号まで手に入れたとは!」
「陛下。随分時間が掛かってしまいましたが、ついにレッドストーンを入手し、フローラの目を治す事が出来ました」
「うむ! 約束通り、フローラとの結婚を認める! すぐにでも式を挙げよう!」

 アイゼンシュタイン王国に帰還した俺達は、暫く式のための準備を始めた。俺は今まで溜めたお金で冒険者ギルド・レッドストーンのすぐ近くに新居を購入した。新居の隣には、体の大きい魔物達が暮らせる様に、巨大な小屋を建てた。

 新居の準備が整うと、フローラに捧げる指環を購入した。白金製の指環で、美しいエメラルドが留まっている高価な物だ。アイゼンシュタインに到着してから一ヶ月後、俺達はついに結婚式を挙げたのだ。

 式はアイゼンシュタイン城で行われ、商人ギルド・ムーンライト、魔術師ギルド・ユグドラシル、冒険者ギルド・レッドストーンのメンバーが参加し、顔見知りの兵士や衛兵を招待して、盛大な式を挙げた。

 俺はフローラに永遠の愛を誓い、美しい指環を彼女の指に嵌め、口づけをした。ついに俺は愛しの姫と夫婦になる事が出来たのだ!

 結婚式が終わり、俺達の新居での生活が始まった。冒険者ギルド・レッドストーンは地域を防衛するために、魔物討伐のクエストや市民達の要望に答えながら細々と活動を続けている。陛下は次期国王にフローラを指名したが、フローラは冒険者として生きてゆきたいと、陛下の指名を断った。近いうちにエレオノーレさんが次期国王になるのだとか。

 レッドストーンには加入を希望する者が増え、成人を迎えたばかりの若い冒険者達が次々とギルドに加入した。俺は戦う力を持たない若い冒険者達に戦い方を教えている。かつて魔王城で父が俺に稽古を付けてくれた様に、父から学んだ剣の技術を若い冒険者達に教えているのだ。

 ケットシーのベラ・グロスはレッドストーンのマスコット的な存在になり、レッドストーンの受付としてギルドで働いている。

 ダリウスやロビン、スライムは冒険者達に戦い方を指南したり、新居でのんびりと暮らしている。体の大きいタウロスとジェラルド、ヴォルフは新居の隣の小屋で暮らしている。王国の付近に悪質な魔物が現れた際は、アイゼンシュタインの騎士である俺を中心とした討伐隊が組まれ、タウロスやジェラルド、ヴォルフと共に魔物を討伐する。フローラも同行する事はあるが、大抵の魔物は俺一人で狩る事が出来るので、フローラは基本的に町の中に居る。

 ヘンリエッテさんはムーンライトとレッドストーンの仕事をこなし、レッドストーンの冒険者が集めた薬草や魔物の素材等を市場で販売している。ヘンリエッテさんは念願の冒険者向けの道具屋を建てる事に成功し、ダリウスやロビンはヘンリエッテさんの道具屋の仕事を手伝う事もある。

 魔術師ギルド・ユグドラシルのレーネ・フリートさんは俺達が式を挙げた翌月に、衛兵長のマルクス・ドールさんと結婚した。結婚後もレーネさんはギルドマスターとして働いている。俺とフローラはレーネさんとドール衛兵長を自宅に招き、頻繁に会食をする仲になった。二人は近々アイゼンシュタインに家を購入して、新たな生活を始めるのだとか。

 今日も冒険者としての一日が始まった。愛しの姫の頬に口づけをして起こすと、フローラは女神の様な笑みを浮かべて俺を見つめた。ゆっくりと朝の一時を過ごし、新居を出て冒険者ギルドに向かう。

 俺とフローラはこれからもアイゼンシュタインを守りながらこの地で生きてゆくだろう。父が遺してくれた力を使い、地域を守りながら、時折仲間達と共に大陸を旅し、フローラとの愛を深めながら暮らしてゆくのだ。

「ねぇ、ラインハルト。私の誕生日に花火を上げてくれたでしょう? 目が見える様になったのだから、改めて私のために花火を上げて頂戴な」
「わかったよ。最高の花火を見せよう。俺達の新しい門出を祝って」

 俺とフローラは二人で賢者の杖を持ち、天に向けて魔力を放出した。今は亡き最愛の賢者、ジル・ガウス。第六代魔王、ヴォルフガング・イェーガーに捧ぐ。

 金色に輝く無数の炎の矢が天を裂くと、幻想的に輝いて朝のアイゼンシュタインの町を照らした……。
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