ヤンキー・モンキー・ベイビー!

卯月うさぎ

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89.ババ、アピールを間違う!!

作業を続けて行くと、お天道様も頂上に来て汗だくになって来た。ラムスのおっさんを見ると、もう上のシャツを脱いで半裸でやっている。それを見て思わず声が漏れた。


『ラムスのおっさん、マジええ身体してるよなぁ・・・涎もんや。40過ぎの身体とちゃうで』


その言葉が聞こえた瞬間、全員がシャツを脱ぎだす。
グランとガントはただ単に、自分の筋肉の方が凄いぞと見せるため。そして他の奴は間違いなくアピール・・・・だ。ベルさんはこの前見たし(全裸)、赤毛も見た(こいつも全裸)、視線を見てない人間にスライドする。クロードを見る。やっぱり騎士だという感じで、ベルさん達と同じ位整った筋肉だった。眼福、眼福。次にゲル様だ。筋肉は事務系のわりに意外とあった…が、生白かった。今後日光浴を進めよう、、、。次は…と思って、視線を伸ばすとそいつと目が合った。どうだと言わんばかりに胸を張ってソレ・・をアピールする男。思わず目線を逸らし、見んかった事にする。すると、それが分かったのか、アピールの為にこっちに歩いて来るそいつ。来んといてくれと心で祈ってるのに、そいつはどんどんこっちに来た。お前…、自分のアピール部分を絶対間違えてるで。お前のソレ・・は、少女漫画では絶対有りえへんものや!

そう考えてる間に私の横に来て、労働する男達に賛辞の言葉を言う男──ババチビリ。

「トーカ殿、いいものですなぁ労働の汗とはっ!戦と違う男らしさが見えると思いませんか!」
『・・・』

私はお前のソレ・・を男らしさと捉えるか、気持ち悪さと捉えるかを今悩んでる最中や。

「トーカ殿?どうかされ申したか」
『いや、・・その何や・・、う~ん・・・・』

私が言い渋っていると、ひょいっと私とババチビリの間に顔だけを出して、ババを踏み潰す健太。

「桃花さんは、ソレ・・が、どっからがチン毛で、どっからが胸毛かを悩んでるっすよ。俺なんかもうババさん全体が、剛毛なチン毛にしか見えないっす」


そうなのだ・・ババチビリは素晴らしいギャランドゥだった。
頭が薄い奴は体毛が濃いいとは聞いていたが、これは、その域を超えていると思う。股間からそびえ立つように生えて、腹から胸に向かって毛が生えていた。上がそんなんやったら、下もすね毛と陰毛の区別がつかへんと予想する。脳内で想像せんでいい映像が上がって来る。もうこれで、ババチビリの全裸を見た気がした…。

「・・・」
『・・・』

そしてそのまま踏み潰したババを放置して去って行った健太…。勿論、そのババを処置フォローするのは、この私だ!言い渋っていた私の意味は何だったんだろう…どうフォローすればいいか悩む。

ババチビリが自分のアピール部分が間違っていたことに気づき、慌てて手を交差して胸毛を隠した。
いや、いや隠しきれてへんし…。ふと、毛深い所に薄い場所があることに気づく。それを見て眉毛がハノ字になった。


――――――刺し傷。


『・・・結構、傷跡がはっきり残ってるな。私の為にごめんな・・・』

そう言って、心臓のやや上にある傷跡を見る。

「///お、お気にめされる必要はないですぞ。私に取ったらこれは名誉な傷です!これを見るたびに、自分を褒めているのですからっ」

必死に傷口を隠すババチビリに、何か心に温かいものを感じた。こいつも一応私の好きという範疇に入っているというのがそれで分かる。だから、こいつにも伝えておこう。

『ババチビリに、伝えたいことがあんねん』ヴゥゥゥ、
「何ですかな、トーカ殿」ヴゥゥゥ、ヴゥゥゥ、
『この前漸く自覚してんけどな・・・』
ヴゥゥゥ、ヴゥゥゥ、ヴゥゥゥ、ヴゥゥゥ・・・



携帯のマナーモードのような耳障りな音がしだす。どうもくぐもった羽音だ。それも段々と匹数が増えてるような?
私の前を一匹のハエが通過し、それを目で追う。


そして、横のババにハエがぶつかる。


『・・・』


私は初めて見た。胸毛に絡まるハエを・・・・
さっきのくぐもった羽音は、ババにぶつかったハエ達だった。その途端、好きと言う7枚あった手札のカードからババが外れた。……これが本当のババ抜きである。

「///トーカ殿、分かった事とは、じ、じ・・自覚した事とは何ですかっ?!!」

期待を込めた聞き返しに、顔が引きつる。ものの数秒で、その期待されてる答えが反転したことは言えない。どうする?どうしょう!と悩んでいたら、タイミングよく健太が私に声を掛けて来た。

「桃花さーん、今度は向うの石ころどかしてもらっていいっすか?マルクスさん、クソの役にも立たないんっすよ~」

ラッキーと思って取りあえずその場を逃げた私。ババが私の名を呼んでいたようだが、無視してマルクスの所に向かう。

「あっ、トーカ殿――!!続きを・・・・・」


桃花が行った後、桃花のフォローの為に健太なりのオブラートな言葉で、ババに悟らす。

「ババさん。ババさんの剛毛なチン毛にハエが集中してる時点で、そこらに転がってるうんこと同等になったってことで、理解してやって下さい。ご期待に沿えなくって本当に申し訳ないっす」

ババがハエの集るうんこに目をやる。そして、自分の胸毛に絡まったハエを見た。そして思い出す、トーカ殿はこのうんこを踏まないように、ピョンピョン跳ねて避けていた。それと・・・、同等?・・・・。

「・・・」

水洗トイレのレバーを引くみたいに、ババが勢いよく流れた瞬間であった。健太の場合、丁寧語で言ってもそれは、オブラートでも何でもなかった……。逆に、胸に突き刺さる鋭い一刺しであった。
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