ヤンキー・モンキー・ベイビー!

卯月うさぎ

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97.何もかもに意味がある。だが、ピースはまだ繋がらない…前編

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日が暮れて、親父等と夕食を一緒にとる。
食事中の会話はマナーが悪いが、待っていられないかのように親父が話し出した。
しかも私と話しをしたいが為、皆が密談をするかのように固まって座る。その為、長いダイニングテーブルがやけに無駄に見えるという風景になった。

「桃花、就職が決まったと聞いたが、職場には慣れたか?」
「トーカ姫、男だらけの職場と聞くが、大丈夫なのか?ジルがおるから大丈夫だとは思うが、私はそれが心配だ」

いやいや、その赤毛ジルが一番曲者なんやけど。
隙があったら、ちょっかい出して来るし…。その度にベルさんが制止してる。赤毛は若干それを楽しんでる風でもあるようやけど………。

『慣れるも慣れへんもあるかいな、あの面子が一緒やで。職場で心細い事もなければ、男共に囲まれてるっていう意識もあの連中と一緒に居ると鈍化するわ』
「///そうよねぇ。あれだけの男性達に囲まれたら、他の殿方なんて男ではなくゴミ屑にしか見えないかもっ!」

熱の篭った溜息をついてそう言ったミランダ妃。本人は気づいていないだろうが、この人えげつない事をサラッと言うたで・・しかもあんたの旦那、顔が引き攣ってるし。

「・・・で、その後どうなのだ?」
『何がや?』
「///トーカ姫、ご自身の番の事ですわっ!」


ミランダ妃が目をキラッキラさせながら聞く。エドワード王も同じ目だ。親父は嫌々そうな顔で先を聞く。

「報告によると、7人を番候補と認めたらしいではない・・か『ちょっと、待てや!』」

親父が全部言い終わらんうちに、言葉を被せた。

『考えたら、何で私の就職が決まった事も、番を認めた事も知ってんねん!』

普通に就職の話をしていたが、考えたら一度もそんな報告を親父等にはしてない。誰やチクリはっ!

「…桃花から何の便りもないから、ちょうどこっちに来て居たポポ殿に週一で頼んだのだ、、、」

チクリはポポか……。ほんで、原因は私か……。
恋愛はともかくも、就職が決まった事は報告すべきやった。これは、素直に謝る。

『便り全く出さへんかったんは悪かったな。これからは週一?…10日?…2週間に一遍は出すようにする』
「桃花…。週一、10日、何で2週間に伸びるのだ?!出来れば、毎日でも嬉しいのに…」

ガックリする親父に、毎日はしんどいけどなるべく短くても便りをすると言っておいた。そしたら、出来れば映像魔術で送ってくれと言われる。そんな高度な魔術は私には使えるかいな!と言うと、ポポが出来ると言われた。どうやら、修行はあっち・・・の方だけでなく、真面目な方もやっていたみたいだ。エロじじい自ら特訓したらしい…。

その後、皆が身を乗り出して聞いてきた番の件に関しては、未だ自分の気持ちに答えが出ずにドン詰まりだと説明しといた。その途端、3人がお互いの顔を見合って何かを考える。3人の変な雰囲気に私が口を開けようとした時、親父が慌てて「番は一生もの。きっとそのうち答えが出る」と言って、話を終わらせた。

そこからは番に関する話は一切せず、もっぱら開拓地の状況や今日あげたお守りの話、エロじじいの歳の話で盛り上がった。私の滞在中、こうやって食事を皆で一緒に取ろうと言って食事は終わった。



***



自室に戻って暫くすると、部屋をノックする音が聞こえる。侍女さんが入ってきて親父が少し話がしたいと伝えて来た。まだ、寝てなかったので侍女さんにOKの返事を伝えてもらう。

するとすぐに親父が部屋に来た。

「夜分に済まない。桃花にちゃんと話しておこうと思ってな。ミランダ妃が代わりに話すと言ってくれたのだが・・どうしても、私から直接話したくてな」

?顔で親父を見る。
そこのソファーに座ってもいいかと聞かれ、長い話になるんやなと察して私もソファーに座った。


「お前が、あの番認定者を認めたと聞いて少し焦った。まだまだ先とばかり思っていたのでな…。それぐらい、合奴等は魅力的か?」
『…持っていかれるものは、充分ある男達やと思ってる。まぁ、個々それぞれやけどな。人間…完璧な奴なんているわけないし、そんな奴が私の傍に居たら今度は私がやりづらい。傍に居てほっこりできる人間が一番や。それに・・・』
「それに?」
『ローレリアの事が解決して、あいつ等が全員揃っていない事に物足りなさのような寂しさを感じた。なんやポッカリ穴が開いた感じがした。こうやって自覚して初めて、あの時の気持ちは正しかってんなと思う』
「そうか…、もうそういう気持ちが芽生えておったんだな。では、改めて桃花に話さなければな・・・」

そう言って、親父が私の母親との出会いを語りだした。そして、数年後こちらの世界に戻ってきた時の自分の心境に話が移行する。


「さっきお前は、物足りなさのような寂しさと言ったが、番と別れるというのは自分の半身が無くなるといった表現が一番合うと思う。何故ならお前も知っての通り、私がそういう思いをしたからだ。唯一の番と離れ離れになり、しかも腹にはお前が居た。気が狂うとはああいう事を言うのだと思う。初めて知る恐怖と孤独。言葉でいうのは簡単だが、自分はこの恐怖と孤独で死ぬのではないかとさえ思ったほどだ………」

親父の言葉を黙って聞く。

「本来、自分の番となるべき人間が複数になる事はない。ただ桃花の場合、育った環境でその本能的な直感が鈍っているのかも知れぬ。もし唯一無二の番を選ぶのに迷ったら、覚えていてほしい事が1つある…」



"─────何もかもに、意味がある。"



「梨花は言っていた、自分の中の何かに呼ばれたと…。そして、巡り合ったのも運命だと言った。魅力的な番候補達が揃ってしまったからこそ、その中に居るだろう、本物つがいの輝きを見落とさないで欲しい」

そう言って、私の頭を撫でた。

『分かった。ありがとうな、心配してくれて。この機会に、私も気になってることがあるんや…1つ聞いていいか?』
「何だ?桃花」



"私は竜人か?それとも猿人か?───────"


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