妹の友達は俺の彼女(よめ)

サン

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俺、彼女作ります

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朝、いつもの自分の部屋のベッドの上。のはずなのに。俺の目線の先に妹の姿。昨日の夜は確かうさぎを倒したあと疲れてすぐ寝てはず。その時は多分いなかったと思う。だからそのあときたのか。
「えーっと、緋色起きれそうか?」
「ん、何にーさん。なんでここにいるの?私の部屋から出てって。」
「いや、ここ俺の部屋なんだけど。逆になんでお前がここにいるのか聞きたいんだけど。」
「ふにゃ?」
「お前まだ寝ぼけてるな。起こしてやろうか?」
そう言い、俺は妹の腰に手を回す。
「な、何、兄さん。ちょ、くすぐったい。」
俺はこちょこちょをする。妹を起こすために。こちょこちょこちょ。
妹の細いお腹の辺をこちょこちょと。柔らかい。そして、暖かい。緋色が可愛い声をあげる。
しかし、辺な気持ちにはならない。兄妹だから。
「目、覚めたか?」
「兄さんの変態。」
「目が覚めたならいい。なんで俺の部屋で、しかも俺と同じベッドで寝てた?」
「えっとね。昨日の夜、私トイレに起きたの。で、ふと、兄さんの部屋の電気がまだついてることに気づいて部屋のドアを開けてみたらにーさんが寝てて、電気を消してあげたんだよ。」
「それはありがとう。でも、それと俺のベッドで寝てたのとどんな関係が?」
「電気を消したら周りが真っ暗になって寒いし、ちょっと怖かったからお邪魔しました。」
「そっかそっか。」
「わかってくれましたか、にーさん。流石です。そういうところ私にーさんの美点だと思います。では。」
そう言って俺の部屋から出て行く緋色。俺はそれを黙って見送り
「まだ5時か。もう少し寝よ。」
もう一眠りするのだった。
ベッドの中はまだ、妹と俺の体温であったかく、すぐに眠りにつくことができた。

その後、思いっきり寝過ごした俺は学校を午後から行くことになった。妹はもちろん俺を置いて学校に行ってしまっていた。

「おい彼方。お前、今日休みかと思ったぞ。風邪引いたのかってな。ビックリしたぜ。」
「ああ、悪い。寝坊した。」
「こんな時間までかよ。」
「うん。」
「まあいいや。今日帰ったらすぐログインな。寝るまでゲームだぞ。夕飯は部屋に持ち込んでパンでも食べとけ。」
「それはちょっと無理かも。」
「なんでだよ。」
「親に怒られる。」
「それは仕方ねーな。できるだけ早く済ませろよ。」
「おけ。」
俺は学校終わり次第、急いで家に帰ることなく、いつも妹と別れる信号の近くにある本屋さんによっていた。
「にーさんが本読んでるなんて珍しい。」
「今日は彼方先輩。今朝は緋色ちゃんと一緒に来なかったから何かあったのかと心配してたんですよ。」
「それはごめんな、理香ちゃん。」
理香ちゃんはよくできた妹の友達。可愛いし、優しいし、料理も得意らしい。そんな子が妹の友達になってくれるなんて兄として普通に嬉しく思う。
「で、緋色。本読んでた理由だけどお前を待ってたんだ。」
「私を?なんで。家で待ってればいいのに。」
「家に帰ったら今日はちょっと予定があるんだよ。」
「そうなんだ。で、何?」
「なぜ起こしてくれなかった。」
「なんとなく。」
こんな感じの妹である。我が妹ながら一体誰に似たのか。
「そっか。それが聞きたかった。」
「緋色ちゃん、彼方先輩を起こしてあげなかったんですか?ダメですよ。妹はおにーさんを起こしてあげなくちゃ。」
それは妹の使命ってわけではないと思うのだが、黙って聞いておく。
「でもにーさん朝起きてた。」
「あれは5時だったろ。2度寝したわ。」
「私起きてた。ご飯作ったり、パソコンいじったり。」
「パソコン?」
「うん。この前お母さんが買ってくれた。にーさんばっかずるいって言ったら。」
最近妹が俺に声をかけてこなくなったのはそういう事情があったのか。
「そうか。よかったな。」
「うん。」
「んじゃ、俺帰るけどお前らはどーするんだ?」
「私たちにもそれぞれ予定があるんです。今日もしかしたら彼氏できるかもしれません。」
妹の友達の発言にギョッとする。今の子供はませている。俺もまだ子供だけど。しかも今日婚活パーティーに参加しようとしてるけど。でもそれはゲームであってリアルではない。
まあ、こんな可愛い子なら彼氏ができるのも頷ける。
「緋色もなのか?」
「うん。頑張る。」
緋色も頑張るらしい。
緋色よ、兄として応援してるぞ。
話をそこそこに俺は妹たちを置いて先に帰ることにした。
家に帰るとまずお風呂に、そのあとパソコンにログインしたのだった。
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